コミケでキャッシュレスを導入する
最終更新：2024/11/22
コミックマーケットでキャッシュレスを導入する人向けのメモ
mPOSがどうとかアクワイアラがどうとかメンドクサイ人向けでは無いのでそういった方面の方は読まない方が良いです。
審査が絡む話となり絶対に同じになるとは言えませんので参考程度にと思ってください。
キャッシュレスを導入するメリット
メリット
・現金の管理が不要（サークル側）
・弾切れでも買える（一般参加者側）
・衛生面（？）
・統計データを取りやすい（サークル側）
・おつりのミスが無い（両方）※そもそも請求額ミスったら元も子もないよねというのはそう
メリットとしてはやはり現金の管理が不要になるということです。とはいえ、完全キャッシュレスに踏み切れるサークルはいないと思うので現金と併用になる形になりますが、キャッシュレス導入によりコミケ後の500円玉の処理や1000円札の処理が格段に減りました。そういった意味では入れて良かったと言えます。
いくら計算が得意な人でも、時と場合によってはテンパることもあるため請求額を入力できるところは大きなメリット。端末上でプリセットされた商品をポチポチと押すだけなので若干厄介なオーダーにも対応できます。もちろん釣り銭のことも考える必要はありません。
デメリット
・手数料がかかる（サークル側）
・決済スピードは現金に劣る（両方）
・スマートフォンや通信回線が必要になる
・決済端末の本体費用がかかる場合もある（サークル側）
・使える決済方法にバラつきがある、マイナーなものしかない（一般参加者側）
・頒布物によってサービスが利用できない場合もある（サークル側）
デメリットとしては手数料がかかる点です。ここはコミケのサークル側は非常に気にされる方が多いのですが、手数料4%と仮定し500円の同人誌を100部すべてキャッシュレスで頒布した場合、サークル側にかかる手数料は2,000円となります。よくわからないではなくイメージすることが大切です。私の場合はちょっと良い感じのランチ1回分くらいとイメージしています。まぁそれくらいなら良いかなと。
また、サービスによっては出金に手数料がかかる場合があるため注意しましょう。出金に手数料がかかるサービスは頒布数が低ければ低いほど不利に働きます。
決済端末の本体費用はサービスによっては無料で配っているところもあるのでそちらを使ってみるのも手です。
最近話題になっている表現のうんたらとカードのうんたらも関係しているのか18禁のコンテンツを扱う場合は避ける、もしくは対応しているサービスをよく精査した上で利用しましょう（私はそういったサークルではないので詳しくは調べていません）。
決済にかかる時間と方法
操作から決済完了まで20秒～30秒程度
実際にC99で一部ストップウォッチで計測した限りではSquareターミナルを使用した決済完了まで平均時間は22.4秒となりました。
なお、読者層が比較的先進的なユーザーかつタッチ系決済がほとんどだったためジャンルによっては確実にバラけると思われます。
実績のあるサービス
Square
Twitter創設者のジャック・ドーシーがアメリカで立ち上げた決済サービス。
日本でも個人向けに早い段階からサービスを提供しており、コミケで見かける率は最も高いです。三井住友カードと業務提携しています。
特徴としては加盟店審査が比較的ユルい、早いでしょう。当初は専用ハードウェアの初期投資が必須でした。しかし現在はクレジットカードのタッチ決済のみですがiOS端末、Android端末をそのまま決済端末に変身させることができるため初期投資0でスタートできます。
最近はQRコード決済としてPayPay、楽天ペイ、Alipay+、au PAY、d払い、メルペイ、WeChat Payに対応し主要なキャッシュレス決済をオールインワンで対応できるようになりました。
私のサークルでもメインで使っています。
使えるブランド・電子マネー等（私のサークルで通った）
VISA、Master、AMEX、Discover、Diners、JCB、交通系IC、iD、QUICPay
※クレジットカードのコンタクトレス決済に対応
※PayPayにも対応しましたが、他と同様に審査が面倒なようですぐには使えなさそうです。
登録してすぐVISAやMasterといったクレジットカードは使えるようになりますがJCBや電子マネー等は別途手動で申請が必要なので注意が必要です（追加で時間がかかります）。
カード決済手数料
一律3.25%とちょっと高めのイメージですが振込手数料0なので私のような小規模サークルでもありがたいです。
VISA、Mastercardについては新規の場合、3.25%→2.5%に引き下げられました（新規専用というわけでもなく、既存ユーザーも適用可能です）。
年間キャッシュレス決済金額が3,000万円未満の方という条件はありますが、さすがにそのレベルのサークルはツチノコレベルかと思いますので気にしなくても良いでしょう。
ココのリンク経由で登録をすると、決済額100,000円までの決済手数料が180日無料になります。
私にも同様の決済手数料無料特典がありますが、正直使い切れていないためオマエに利益なんてあげたくねぇ！という方もご安心を。
審査結果や審査時間も考慮するとハードウェア到着よりも先にアカウントを作っておいた方が良いでしょう。
初期投資となるハードウェアはクレジットカードのタッチ（コンタクトレス）のみであればお使いのiOS端末、Android端末をそのまま決済端末として利用可能、この仕組みをTap to Payと読んでいます（日本ではiPhoneのタッチ決済といった名前になっていますが…）。
実はこの方法が周辺機器への通信も不要なため最速で決済が完了します。
ただ、現金派に近い人がよく使うSuicaなど交通系ICなどにはTap to Payに対応しないため、専用周辺機器が必要になってきます。
最近はレジスターやらスタンドやらいろいろ登場していますが、よっぽどのモノ好き出ない限り一番安いSquareリーダーでOK。第二世代になりバッテリーが強化されました。
Bluetooth接続となるため会場の電波の混信が…と心配する人も多いですがここ数回のコミケでの実績を見る限り特に問題なく使えているようでしたので気にすることも無いでしょう。ただ、PIN入力ができないため、ICのクレジットカードに出くわすとサインの時間がかかってしまいますが、私の経験上ほぼタッチで決済できるコンタクトレスのカードばかりですので問題ないでしょう。
私のサークルは以下のSquareターミナルを導入していますがレシートプリンターとSquareリーダーを買うならこっちの方がお得だよねというイメージ。
中身は低スペックAndroidなのでUIの操作に限って言えばiPhoneとSquareリーダーの方が快適です多分。完全に決済だけに徹する等いろいろやりたいならアリ。
また、無線LANで同じネットワーク内にスマートフォンがあれば、サクサクのiOSのUIで商品を選択して決済だけターミナルといういわゆるカスタマーディスプレイとして使うことも可能。まぁちょっとリッチなSquare リーダーなわけで勿体ないですが、私のサークルではこのモードをメインに使っています。
常時USB PDで給電する環境が（おそらく）必要ですが、対応したiPadがあれば、Squareスタンドもアリでしょう。この第2世代はカードリーダー機能が一体化したため非常にスッキリしました。iOSの場合、UIがサクサクなので良いですね。
USB-C版とLightning版がありますので間違えないように･･･。
AirPAY
リクルートが提供する決済サービスです。電車の広告やお店で水色のAirPAYロゴをみたことがある人も多いでしょう。
当初私も申し込んだ覚えはあるのですが即撃沈。厳しいなと思っていたところなのですが、2021年の冬に申し込んだらすんなりと通りました。
一部サークル向けでは使える決済方法が限られてしまうものの、決済端末が無料＆振込手数料無料はありがたいです。
Airレジアプリと組み合わせて使うと良いでしょう。
決済端末としてiOS端末が必須になります。
決済アプリは1端末に限定されます（機種変更はサポートに連絡後紐付け変更）
カード決済手数料
一律3.24%とちょっと高めのイメージですが振込手数料0なので私のような小規模サークルでもありがたいです。
使えるクレジットカード・電子マネー等（私のサークルで通った）
VISA、Master、UnionPay（銀聯）、JCB、AMEX、Diners、Discover、QUICPay
※クレジットカードのコンタクトレス決済に対応
※AirPAYは移動販売で交通系ICが申し込み不可、iDが即審査落ちになりました。
Squareと同じくTap to Pay（iPhoneのタッチ決済）に対応しましたので、決済端末が無くてもiOS端末がそのまま決済端末になります。AirPAYはTap to PayのAndroidは非対応なので注意しましょう。
決済端末は私の場合、申し込みから1週間で届き、1週間でトレーニングモード解除。だいたい2週間くらいで使えるようになりC99に間に合いました。
紹介キャンペーンは両者3,000円もらえるものがありますが、匿名は不可。
紹介元がフルネームで情報を記入する必要あり。
AirPAY QR
AirPAYのQR決済版。iOS用のアプリからサービスを設定してQRを読み込む方式となります。Squareでは（SquareでPayPayは審査で落ちるため）QR決済系のサービスが使えませんので、PayPayなどを希望される方向けにはこちらのサービスを使っています（…が意外とQR決済の利用率は低い）。
こちらもAirレジアプリと連携できますので、Airレジ側でAirPAYかAirPAY QRか振り分けることができます。もちろん振込手数料無料です。
こちらもiOS端末が必須となりますが、1アカウント1端末の制限はありません。
なお、審査も含め一つ一つの動きがかなり遅いです。直近メール返信から確認しましたの連絡で3週間かかりました。
使えるQRコード決済（私のサークルで通った）
PayPay au PAY、d払い、R Pay、SmartCode、WeChatPay、Alipay+、銀聯QR、COIN+、J-Coin Pay
※PayPayはかなり面倒でしたが通りました
QR決済手数料
3.24%とちょっと高めのイメージですが振込手数料0なので私のような小規模サークルでもありがたいです。使っている人は見かけませんがCOIN+は1.08％です。
サークルペイ
同人誌即売会向けのサービスとなり、方向性としては一番安心できるサービスです。
ただ、現時点でマイナーなJ-Coin Payと銀聯QRしか対応していないところと決済手数料の他に振込手数料無料が220円かかるところは注意が必要です。
サービス自体はC99から使えるようになっていますが、メジャーな決済方法に対応していないところが気になります。
ただ、18禁のコンテンツ等を扱うサークルとしては現状ココに頼らざるを得ないこともあり今後に期待したい。
使えるQRコード決済（私のサークルで通った）
J-Coin Pay 銀聯QR
C104にあわせて、QR経由でクレジットカード決済が使えるよう調整中とアナウンスはありますが、詳細は不明（大丈夫か？？）
https://x.com/circlepay_jp/status/1798997184303821198
その他
（私は試していない）
stera tap
SMBC GMO PAYMENTが提供するsteraブランドのTap to Pay専門のサービス。iOSとAndroidでサービスが別ですのでご注意ください。
スマートフォンを決済端末にするTap to Payを使うため専用端末はありません。VISA、Mastercard、JCB、AMEXに対応しており、小規模事業者（年間2,500万円未満）であればVISAとMastercardは1.98%と他よりも安いところが特徴。JCB、AMEXは2.48%ですが、それでも良い水準。
ただ、振込手数料には注意が必要で三井住友銀行口座であれば0円、それ以外は220円になります。
レシートプリンターなどの拡張には対応しませんが、シンプルで手数料が安くて審査も最短15分ということなので良さそうです。コミケのサークルスペースへチラシが配られていたくらいですので同人誌即売会との相性は良さそうです。
STORES決済（旧Coiney）
VISA、Master、AMEX、JCB、Diners、Discover、交通系IC、WeChatPay（QR）が利用可能。iDやQUICPayには対応しないが、交通系ICの手数料が1.98%という所はかなり強い。最近クレジットカードのコンタクトレス決済にも対応した。AirPAYと同じく決済端末が無料＆振込手数料無料。コミケでも実績あり。
必要になるかもしれないデータ
場合によっては申込時や審査時に必要になるデータがありますので、一例を記載しておきます。
情報は正直に出していきましょう。偽っても良いことはありません。
内観：商品展示場所、商品受渡場所
外観：店舗名とイベントスペース、移動販売車
→外観も内観もサークルだと同じだよなと思いながら…（今度からいろいろな角度で撮ろうかなと）
設営時の写真は撮っておく習慣をつけましょう。
個人事業の開業・廃業等届出書（控）
所得税の青色申告承認申請書
所得税及び復興特別所得税の確定申告書B
→私は同人も含めて白色申告で管理しているので無いっすと答えています。
気を付けたいこと
コミケなど同人誌即売会向けの場合、基本的に固定の住所が無い移動販売扱いで登録しますが、各サービスで「使えるお店」として自分の事務所として登録している住所（＝家）が公開されてしまう可能性があります。
万が一公開されてしまっていた場合はサービスのサポートへ連絡しましょう。
私のサークルの情報（そういえば）
2024の冬コミは2日目 西地区 “い”ブロック－39b(西２ホール)となります。ぜひお越しください。
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