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設計者はワタシ~U邸家づくりルポ~第10回
●其の10 着工、基礎から建て方、あれよあれよと上棟 の巻
さていよいよ工事が始まります。
今日も大安です。前日かなりの大雨が降り心配でしたが、しっかり持ち直して幸先の良いスタートです。
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青竹、注連縄の準備が終わったところ
U様邸は木造二階建てですが、もちろん基礎は鉄筋コンクリート造です。
良く使われる“RC”とはReinforced(補強された) Concreteの略です。
補強された、とは圧縮には強いが引張られると弱いコンクリートを引っ張りに強く圧縮には弱い鉄筋で補強しているということ。ややこしいですが、お互いうまく補いあって強度を保つようにできています。
さらに、熱による膨張率がとても近い、コンクリートのアルカリ性によって鉄が錆びない、と実にうまくできています。
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「配筋」とは、その鉄筋コンクリートの「鉄筋」を組んでいく作業のこと。「配筋検査」は、コンクリートを流し込んでしまったら二度と見ることができない部分が図面通りにできているかをチェックする大切な検査です。
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その後コンクリートを流しこみ、型枠を外すときれいなベタ基礎が完成。
いよいよ木の軸組みへ進みます!
木造住宅全工事の中で、最も劇的なもの、は間違いなく建て方です。
建て方とは、事前に噛み合わせを加工した材木同士を現場で大工さんや鳶さんが組み立てていく作業です。基礎のコンクリートしかなかった土地にほぼ一日で住宅の骨組みが出現します。壁はなくとも、そこには新しい「場所」ができます。
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上棟した際にワタシがすぐにチェックするのは、窓の大きさと位置。図面や模型で散々考えてきても、やはり1/50スケールの想像でしかありません。ついに1/1で完成したその場に立ち、そこから何が見えるか、周囲からどう見られるかを確認できるようになるので、柱と柱をテープで繋いで窓の位置をチェックしていきます。
周囲の建物が接近しているほど窓の位置は重要になります。少なからず変更は生じるので、施工会社には上棟まで窓の発注をしないようにお願いしています。
設計者の中には、一度決めた図面通りに進めていくタイプの方ももちろんいますが、ワタシは柔らかく変えていく派。木造住宅だから許される現場対応で、それが決して良いとは言えませんが、現場がスタートしても少しでも良くなる所を探しながら監理していきます。
(その10 終わり)
執筆 住まいのナビゲーター/一級建築士 古屋英紀