見出し画像

恋も浮気も。

「もうしないから」なんて言葉を信用するのは、相手の為ではなく。自分の幸せの方へ、賭けているように思えた。

共通認識させるように使っていた言葉の「恋愛」だとか。僕は、その言葉が表していた感情を、周りと変わりないくらいに認識できているのか分からない。違った常識とか、違った価値観とか、色んな要素をまとめた恋愛なんて言葉に。基準と言える例えは存在しないんだろう。

浮気してた彼女の心理に、同情も共感も出来なかったのは。僕の恋愛に対する価値観に、ただ反していたから。付き合っていたはずの彼女と、僕とで、恋愛に対する責任ですら、とても違った感想があったのだと思う。

「浮気したい気持ちがあっても、そういう気持ちには蓋をするのが当然だろう。」

自分は、真面目だから、どんな場面でも浮気しないと決意していたように。恋愛してる中でも、誰かに色目なんかも使うこともなく。そういうキッカケを作ってしまいそうな雰囲気ならば、まずは断るべきだろうって思えてしまうし。欲なんかが湧いてたとしても。そこには罪悪感が湧いてるのが当たり前で、それが普通なんだと思えて。それでも、僕のそうした思想なんて、彼女にすれば理想論のようなものだったのか。

僕が思うそういう当たり前って、人の気持ちを考える上では、当然なルールだと思ってたけど。

それでも、僕と同じように「浮気するのはよくないこと」って常識が、多少なりとも彼女の中にあったとしても。彼女は自分の浮気に関して、少し寛容になってしまっていたところ。そんな常識は、欲に負ける程度のものにしか過ぎなかったものでしかなかったんだろう。「バレなければ」なんてことも、どこかで少しくらい思われていたはずで、そんな彼女の本音が、絶対にあっただろうなと考えられる。

恋愛って、好きだから付き合うものだから、別に誰かを好きになったのなら、気持ちが移り変わってしまうのも当然のことだと思うけど。誰かを傷つける恋愛に対して、僕は良さを感じないから。同じように僕が浮気してたら、彼女は僕を責めなかったのだろうか。浮気するような人は、浮気する相手に理解を示せるのだろうか。

きっとそんなこともなく、理解すらしないだろう。

浮気された事実は。今まで、「好き」だとか言っていた言葉さえ、全て虚言だったかのように思わせれられるほど、裏切られたような気分にさせられる。

それでも彼女が、何を思い残しているのか分からないくらい、やり直したい謝罪を繰り返すのは何故なのだろう。やり直したいほどの気持ちで浮気された意味が分からなくなるが、なんの責任感も感じられない彼女に「なら、始めからするなよ」という感想が込み上げる。こうして、許すか、許さないか、そんな場面で迫られた選択肢で、僕はどうすればいいのかが分からなくなってしまう。

許したって、いずれ同じ事の繰り返しだろうと、頭ごなしにスッポかして終わらせるのも手だが。それでも嫌になるくらい残る彼女に対しての、自分の正直な気持ちにも向き合って。何かと理解なんかできず許せないのに、許してしまいそうな自分もいて。許してしまえば、お人好しすぎる気がするし、こうした優しささえ、また漬け込まれる要素なだけな気がしてやまない。

側から見たら「別れるべき」って意見は多数派だろう。ただ、それは本人と同じような、恋愛的な感情を抱いてないから「別れない」選択肢を簡単に切り捨てられる。他人事だったら、僕もこの場で別れなんてすぐに言えたのだろうけど、結局これが、自分事なのだ。

傷ついた個人としては、全てがどうでもよくなった気持ちになる。なんか信用するのも信用しないのにも呆れと疲れがあるし、なんか必要とされているのとかもどうでもいい。今の状態の僕が、ただ気が楽になれて、虚しささえ消しされる選択肢ってなんなのだろうかと模索するように。

仕返しする気持ちさえ湧かないから、浮気なんて選択肢もない。そういうことを考えてたら、「恋愛」って一言で言っても普通なんてものはないのだろうという事と。彼女を幸せにしたいとか、そうした気持ちもなく。

彼女の事を思って許すよりも。僕自身が、ただ幸せになれるだけの選択肢が欲しかった。

いいなと思ったら応援しよう!