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【賃貸物件で契約前に確認しておくこと】トラブルに合わない為のチェックリスト

どうも、不動産関連の仕事をしている「住まいのコンパス」です。
前回の記事では、忙しくて時間のない方向けに「失敗しない物件選びのコツと具体的なチェックリスト」について解説しました。
今回は物件を決めた後の契約に関する注意事項や知っておくべきことを解説します。
「不動産の契約って難しくて分からないから、不動産会社に任せっきり」の人も多いと思いますが、契約の際にしっかりと内容を確認しないと、入居時や退去時に思わぬトラブルに発展することもあります。

実際、国民生活センターに寄せられる賃貸住宅の相談件数は非常に多く、特に退去時の原状回復費用に関するトラブルが4割も占めるそうです。

賃貸住宅に関する消費生活相談は毎年3万件以上寄せられていますが、そのうち、原状回復に関する相談件数は毎年1万3,000~4,000件程度となっており、賃貸住宅に関する相談のうち約4割を占めています。
 また、原状回復に関する消費生活相談を月別にみると、12月から1月頃は相談が最も少なく、2月から4月にかけて相談が増え、5月以降には減少するという傾向がみられます。

出典元:独立行政法人国民生活センター

不動産関連の仕事をしており、日々不動産に関する情報に触れている私が、トラブルに合わない為の契約書の確認事項を分かりやすく解説します。

この記事を読むことで、
・トラブルに合わない為の契約書の確認方法
・契約時に気を付けるべき点
・賃貸物件に入居する際の費用について

などを理解できると思いますので、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

賃貸物件の契約に不安な方も簡単に失敗しない契約方法が学べるはずです。

それではさっそく賃貸物件を契約する前に、下記項目について確認してみましょう。 

早見表の画像を添付していますので、実際の契約をする際にぜひ活用ください。

#賃貸物件入居時に確認すること
#賃貸物件入居時に確認すること

1.賃貸借契約の種類を理解する

まずは賃貸借契約の種類について、理解することが大切です。賃貸借契約には、主に「普通借家契約」と「定期借家契約」の2種類があります。契約内容やメリット・デメリットが異なりますので、詳しく解説していきます。

・普通借家契約
▶︎基本的には借主が長期間住むことを前提とした契約形態で、一般的には借主有利と言われています。
▶︎契約期間は2年が一般的です(貸主の考えに方により期間が変わることがありますので、最初に確認しましょう)。契約満了時には更新が可能です。

〈特徴〉
▶︎基本的には更新が可能
例えば2年契約の場合、2年間住み続けて契約満了を迎えた後も住み続けたい時は、貸主は正当な理由(正当な理由は基本的には認められないので、あまり心配する必要はありません)が認められない限り契約の更新を拒否できません。これが借主有利と言われる理由です。つまり、よっぽどの理由がなければ、住み続けることが可能ということです。

〈メリット〉
▶︎長期間安心して住み続けることが可能
基本的には更新が可能なため、ライフスタイルに合わせて安心して長期間住むことができます。

〈注意する点〉
▶︎更新時に「更新料」や「更新事務手数料」が発生する場合があります。契約前に更新時に発生する費用について確認しましょう。
▶︎貸主からは原則更新を拒否できない為、後程説明する定期借家契約より賃料が高く設定される場合があります。

・定期借家契約
▶︎契約期間が決められており、その期間が満了すると契約が終了する契約です。
一般的には2年間の期間が設定されます。ただし、契約期間は自由に設定できるので、契約時に確認しましょう。
その為、例えば2年間住んだ後に、更に延長して住みたいという場合にも、貸主が再契約をしてくれないと住み続けることができません。再契約をするかは、貸主が自由に決められる為、前段で説明した、「普通借家契約」と比べて貸主が有利と言われています。
つまり、同じ場所に住みたいと思っても、住み続けられないリスクがあります。

〈メリット〉
▶︎普通借家契約より、借主に不利な為、礼金や家賃が相場よりも安くなるケースがあります。

〈注意する点〉
▶︎契約期間満了後は退去しなければならない為、引越しの手間が増える。次の物件を探さないといけないなど、トータルで見ると費用がかさむ場合もあります。


2.敷金・礼金・仲介手数料など費用の仕組みを理解する

・敷金
借主が貸主(大家)に預ける保証金。退去する時に、原状回復費用や未払い家賃などが差し引かれ、残った分は返金されます。

〈費用〉
▶︎一般的には、家賃の1~2ヶ月分が多いですが、地域差や物件の築年数により様々なので、契約前に確認しましょう。

〈注意する点〉
▶︎原状回復費用
退去時に床、壁、天井などが自然劣化した以上に損傷させたと思われる場合に、それらの修復費用を借主が負担することを言います。賃貸物件でよくトラブルになるのがこの費用を貸主、借主どちらがどれだけ負担するかということです。
退去時に高額な修善費用を請求されることがあるため、契約書をよく確認すること、入居時にカメラで床、壁、天井などの写真を撮り、物件状態を記録しておくことが大切です。
原状回復については、とても奥が深い為、改めて別の記事にまとめていますので、ぜひ確認してみてください。
https://note.com/sumai_compass/n/nfc3a324d10cb

・礼金
借主が貸主(大家)に対して支払う「謝礼金」で敷金と違い返金されません。

〈費用〉
一般的には家賃の1~2ヶ月分の設定が多いです。

〈注意する点〉
最近では空き家も増えて、入居率を高めようと「礼金ゼロ」物件も増えています。「礼金ゼロ」物件の場合は、①相場より家賃が高くないか、②途中退去の際の違約金が高くないか、③退去時の原状回復費用やクリーニング費用等が高額に設定されていないかなどを契約の際にしっかりと確認しましょう。

・仲介手数料
不動産会社が仲介業務の報酬として受け取る費用です。

〈費用〉
一般的には、家賃の0.5~1ヶ月分+消費税となります。

〈注意する点〉
法律上、上限は家賃1ヶ月分までと定められていますが、承諾がないと借主から受領できる報酬は家賃0.5ヵ月分が上限となります。ただし、入居申込書等に借主が1ヵ月分払うと記載されており、その書面に署名をすることで、借主が承諾したという扱いになるので、借主から1ヵ月分の報酬を受領することが一般的です。
納得がいかない場合は契約前なら交渉することも可能ですが、その場合、貸主や不動産会社は別の人に貸せばいいと考え、入居できないリスクもある為、どうしてもその物件に入居したい場合は、注意が必要です。
1ヵ月分の報酬を取られるのが納得いかない人は初めからその旨を不動産会社に伝えた方が、効率的に物件探しができます。
ちなみに、たまに仲介手数料無料の物件もありますが、様々な名目で費用が請求される場合があり、トータルでは費用がかさむ場合もあるので、注意してください。不動産会社の主な収入源である仲介手数料を無料にするということ自体疑ってかかった方が安全です。

・家賃保証会社の利用料
家賃を万が一滞納した場合に貸主への家賃を補填してくれる保証会社の利用料です。借主が費用負担するのは納得がいかないという人もいますが、一般的には入居の条件として貸主が設定しているので、支払う必要があります。

〈費用〉
家賃の0.5〜1ヵ月分が一般的です。賃貸物件の更新時に更新料が発生することも多いです。

・火災保険料
入居時に加入が条件付けられている場合が多いです。貸主としても万が一火災が起きて、借主負担で修復するとなった時に、借主が費用を負担できない状況は避けたい為、保険の加入は義務の場合が殆どです。

〈費用〉
年間1~2万円程度が一般的です。

・鍵交換費用
物件の安全性を確保のために鍵を交換する費用です。万が一、前入居者が鍵を複製していた場合に、住居に侵入するのを防止する為です。

〈費用〉
費用は1~3万円程度が一般的ですが、鍵の種類により異なるので、契約前に確認しましょう。

・クリーニング費用
入居時または退去時に請求されることがあります。本来は貸主が負担するべき費用ですが、契約書の特約等に借主負担と盛り込むことで借主に請求するケースが一般的です。
こちらも交渉次第ですが、最終的にはクリーニング費用を払わないなら、クリーニング費用を払う別の人に貸すということも言われかねない為、バランスを考えつつ交渉するのが良いでしょう。

〈費用〉
費用は間取りにより異なります。あくまで目安ですが、下記に参考情報を記載します。
・1DK/2DK:2万円〜4万円程度
・1LDK〜2LDK:5万円〜8万円程度
・3LDK〜:8万円〜10万円以上


3.退去時、更新時にに発生する費用

・原状回復費用
詳細は記事前半でも解説していますが、退去時に床、壁、天井などが自然劣化した以上に損傷させたと思われる場合に、それらの修復費用を借主が負担することを言います。

・中途解約料
契約期間を満了せずに途中で解約する場合は解約料として賃料1〜2ヵ月分払うことがあります。契約前に解約料について確認しましょう。

・更新料
契約を更新する際に貸主に払う費用です。一般的には家賃の1〜2ヵ月分が相場となります。

・更新事務手数料
更新時の事務手数料を不動産会社に払うことがあります。不動産会社では契約更新に伴い、契約書を作成し直したり、火災保険、家賃保証会社の更新等の事務を行うことがある為、それに対する手数料だと考えてください。こちらは家賃の1ヵ月分が一般的です。


賃貸物件に入居する際には、様々な費用が発生します。これまで紹介したものは一般的に請求される費用の一覧と概要です。地域や物件の条件によって異なる場合がありますので、詳細は契約前に不動産会社にしっかりと確認してください。後でこんな費用がかかるのかと後悔しない為に、物件を探す前に上記内容を簡単に理解するだけで、トラブルを未然に防ぐことができます。

他にも気になる点や詳しく知りたい内容がございましたら、ぜひお知らせください!

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