日本人男子が語りたい『Dark Blue Kiss』② ~パパとママの愛って偉大~
初めましての方も、引き続き読んでくださっている方も、ありがとうございます。
朝から晩までタイに浸り、タイ語が聞き取れるようになった(気がしているだけの)雑食ライター・アリタケです。
前回に引き続き、『Dark Blue Kiss』を語っていきたいのですが、このドラマって普通に見ればラブストーリー。
メインのPeteKaoがいて、SunMork、RainManowを含めた3組のラブストーリー。
ただ、それだけではなくて、親子の物語でもあるんですよね。Peteと父親、Kaoと母親の関係はストーリーにも大きく影響していて、親との関係も1つの要因となって、2人の関係は近づいたり離れたりしてしまうわけです。
また、PeteKaoの間に入り込むNonも父親の愛情を感じられずにもがいていたり、カフェ店長のSunも父親との確執があったりと、親子関係を描いた社会派ドラマでもあります。
そんな『Dark Blue Kiss』を見ていて、PeteパパとKaoママに何度泣かされたことかっ!!
とてもいいタイミングで、PeteとKaoにステキな言葉をかけてくれるステキなパパ&ママなんですよね。
というわけで、今回はPeteパパとKaoママをプレイバック!!
※ここからはドラマの内容にがんがん触れていくので、「これから見ようと思ってます!」という方はご注意ください。
まずは、PeteとPeteパパの関係から。
……と、その前に、PeteKaoの関係がパパにバレた顛末はご存知でしょうか? 前作『Kiss Me Again』で描かれていたのですが、もし知らないという方は14話の1/5~2/5にかけてをぜひ。
パパはこの時点でPeteのこともKaoのことも気にかけていて、めちゃくちゃやさしいんです。パパが2人の関係を認めつつ、2人を守ろうとする言葉に大号泣でしたよ。
『Dark Blue Kiss』のパパは、息子想いかつ息子の恋人想いなところは変わりません。
5話のPeteKaoとの食事シーン。
パパの「Peteは君と一緒にいるようになって、本当に変わったよ」の言葉。『Kiss Me Again』の先ほどのシーンとリンクしているんですよね。
パパに関係がバレた時、Peteは「Kaoに会ってから俺は変わった。成績も上がったし、ケンカだって滅多にしなくなったじゃないか」と弁明します。そのアンサーが、パパの「本当に変わったよ」なんですよね。
そして、「恋人」と呼ばれることを恥ずかしがるKaoに対しても、とてもやさしい言葉を掛けるんです。Peteがヤキモチを焼くのも頷けるほど、Kaoを本当の息子のように感じているパパは、めちゃくちゃ懐が広い。
この食事の後のプールのシーン。
Peteは自信家に見えて、人からの評価をすごく気にしているんですよね。自分では「Kaoに会って変わった」と言いながらも、パパやKaoに「変わった」と評価されて、ようやく安心できたのだろうと思うと、とても愛おしい。
そして、パパが父親らしい威厳を見せたのが、9話。
隠し事をしていたKaoに怒り心頭のPeteに向けた、この言葉。
きっとPeteも頭ではわかっていたことを、しっかり言葉にしてくれました。この言葉とSandeeの後押しもあって、Peteは動き出すわけです。(その結果どうなるかは、また別の話……)
このシーンも、涙腺崩壊待ったなしだったな。
パパは、おちゃめなところも魅力。
6話のこのシーンは、おちゃめなパパとがさつなPeteだから成り立つハートフルさがいいです。繊細なKaoだったら、こうはなっていないでしょう。
『Kiss Me Again』で既に2人の関係を知っていたパパとPeteの物語が、大きく動くことはありません。『Dark Blue Kiss』で大きな動きを見せたのは、KaoとKaoママの物語。
Kaoは同性愛者であることやPeteとの関係を、なかなかママに打ち明けられません。その心の葛藤こそ、このドラマのテーマの1つ。
まずはご覧ください。
1話の食事シーン。Peteに料理を取り分けてもらうKaoを見つめるママ。
4話の食事シーン。Peteに料理を分けてもらうKaoを見つめるママ。
この視線と表情は、もう気づいてるでしょっっっっっ!!!!!
1話の食事シーンの後、Kaoは食器を洗いながらPeteを叱るのですが、こんなオープンなキッチンじゃ、ママにも筒抜けだよっ!!
さらに、4話の食事の前には、Kaoの部屋でイチャイチャしているところにママがやってきちゃうわけです。
ママ、「誰かの話し声がすると思って」って、この家にはママとKaoしか住んでないんだから、ママじゃなければKaoしかいないでしょ。ママ、絶対Kaoの「まだシャワーも浴びてないのに」も聞こえてたでしょ。
……と、ツッコミはほどほどにして、ママの「誰かの話し声がすると思って」は、やさしさのひと言なんです、きっと。ママはこの後も、Kaoが気持ちを打ち明けやすいようなパスを出し続けます。
5話のテレビを見ているシーン。
Peteがいる前で、Kaoに「(悩みがあったら)友達とかつき合ってる人とかに話すのよ」と声をかけます。さらに、SandeeやJune、Thadaを家に連れてこないことにも言及。
Kaoに覚悟ができていれば、ここで「Peteは友達じゃないんだ」と言えた流れだったでしょう。
Pete大正解!!
ただ、ママに突き放される可能性を考えてしまい、信じきれないKaoの気持ちもわかります。Peteの立場だから、気づけたことです。
9話、Peteに突き放されたKaoが落ち込んで帰ってきた時。何かを察したママは「私に言いたいことがあるんじゃないの?」と、ダイレクトなパスを出しますが、そこでもKaoは言えないんですね。
そして、11話でようやく打ち明けるのです。
問題を起こしたとして非難され落ち込むKaoに、ママから「あなたは男の子が好きなんでしょう?」と、切り出します。
これまでのシーンからも、ママが気づいていることは明白だったわけですが、それでも強く追及せず、息子の気持ちに寄り添ってきたママってステキ。涙腺なんて吹っ飛びますよね!!
12話のこのシーン、Peteに料理を分けてもらったKaoが、嫌がる素振りを見せないんですよね。もうママの視線を気にしなくていいから。
PeteパパとKaoママのステキなところは、息子たちの幸せを自分のことのように喜んでくれるところ。
このスクショを見るだけで、目頭が熱くなってしまう。PeteもKaoもステキな親に恵まれて、幸せ者だなぁ。
『Dark Blue Kiss』の中で、特に深く響いたのが、Peteの言葉でした。
これらの言葉は、既にパパに受け入れてもらっているPeteだから言えることだと思うし、Kaoからしたら、無責任に聞こえるかもしれません。
ただ、PeteとしてはKaoのことを思って、かけた言葉なんですよね。Kaoとママにも自分と父親のような関係を築いてほしくて、でも、Kaoのタイミングで進めてほしいとも思っていて。
そんなやさしさと、パパのまっすぐな愛情を受けて育ったのであろう無垢なところが詰まっていて、Peteの本来の人柄が出ているいいシーンだなぁとしみじみするのです。
同時に、Nonも父親からの愛情をしっかり受け取ることができていれば、あんなに屈折した子にならなかったのではないかと思ってしまいます。
そして、同性愛者であることで苦しんでいる人に、届いてほしいドラマだと感じるのです。
ちょっぴりしんみりしてしまいましたが、とにかく言いたいことは1つ。『Dark Blue Kiss』は、ラブストーリーとして語るだけではもったいないドラマなのです!
ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
最後に1つだけ。
ManowのTシャツ、攻めすぎてるっwwwwww