初心者向け独学タロット 1日目
こんにちは、一応プロ占い師をしているなつです。
この記事シリーズでは、タロットカードを買ってみた、興味がある、だけどどこで習えばいいかわからないし独学も不安……という方に向けた、タロット占いの習得法をお伝えしていきます。
最初の準備は78枚のカード
さて、前提としてこれからの記事では、みなさんの扱うタロットカードが22枚の大アルカナ(絵札)だけでなく、56枚の小アルカナ(数札)も含んだ合計78枚のデッキだということで話を進めていきます。
一応大アルカナだけでも占いをすることはできますし、初心者的には大アルカナだけで占ったほうが覚えることが少なくて楽そうに見えるかもしれません。
しかし、実はタロットは小アルカナもあったほうが占い師側としては簡単になるのです。
どうして、勉強することが増えたほうが簡単になるのでしょう?
わかりやすくカレーのレシピにたとえてみます。
大アルカナだけのレシピは、「じゃがいも、玉ねぎ、にんじん、牛肉、米を用意。切って混ぜて熱すれば完成」と、間違ってはいないけれど大雑把過ぎて結局意味がわからないレシピです。
ここに小アルカナを混ぜると、「煮る時間は何分で~」「にんじんはいちょう切りにして~」など、より具体的な情報があって、読み手にわかりやすいレシピに変わります。
誰かに向けて占いをするなら、相手にきちんと結果の意味を伝えないといけないですよね。でも、肝心のカードを読む自分が大雑把な意味しか読み取れないのであれば、相手も曖昧にしか結果を受け取れず、満足できません。
つまり、小アルカナを使っていくことで、覚えることは増えますが、最終的にわかりやすい占い結果を見られるのは自分自身、という仕組みです。
タロットの本を買おう、それも紙で
さて、タロットを勉強するならまずはカードの意味を覚えなくてはいけません。
今どきはネットでいくらでも調べられますが、練習の最中に「あれ、このカードの意味なんだっけ?」とど忘れしたときなどにすぐ調べるための紙の本は買っておいたほうが絶対にいいです。
というよりも、失礼ですがこのページを見ている人のほとんどは、まだカード1枚1枚の意味まで覚えてはいないと思います。ならなおさら、カードの意味はすぐ調べたいですよね。
最低でも、ネットに載っているカードの意味の一覧表を印刷するくらいはしましょう。
カードの枚数は逆位置までカウントすると156枚あるようなもの。しかも1枚1枚に複数の意味があり、一度の占いでそれを3枚から10枚程度は場に並べます。膨大な意味はすぐに参照できるように、手元に字引を置いておきたいものです。
もしかしたら紙の本をめくるより検索したほうが早いよ! という現代っ子な方もいるかもしれませんが……。そこまで言うならこれ以上は止めません。
必要な本は2冊だけ!
タロットカードに関する書籍はたくさん出ており、どれを買えばいいのか目移りして迷う人も多いでしょう。
しかし、カードの意味というのはどの本でもある程度共通しています。違う部分があったとしても単語の言い換えレベルです。
値段や、立ち読みなどしたときのわかりやすさ(Amazonの電子書籍には立ち読み機能がありますよね)、ネットのレビューなどで自分に合っていると思えた教本を買ってください。
個人的に買えばいいとおすすめできるのは、次の2種類です。
◎1枚1枚の意味が単語の羅列で書いてある初心者向けの教本
・占いの種類(恋愛、仕事、健康など)に応じて相性のいい単語を選んで意味を当てはめられる
・カード一式がセットになっていたり、スプレッド(カードの並べ方)の種類や意味を一緒に解説している本が多い
◎カードの意味が抽象的に書いてある上級者向けの教本
・タロットが楽しくなってきて、もっと本格的にやりたい! と思い始めてから買えば良い
・初心者向けの本では説明しきれない部分まで理解できるようになる
初心者向けの教本と上級者向けの教本での、大アルカナ0枚目・愚者の説明はこのように違います。
初心者向けの教本
「自由奔放、大胆、好奇心。逆位置では不注意や無責任」
上級者向けの教本
「彼が後ろに携えているバッグは「経験」です。彼はそれを放棄するのでも、考慮しないわけでもありません。しばしば記憶やトラウマがわたしたちの人生を支配しているのと同じように、彼がそれによって支配されていないだけなのです。」
(レイチェル・ポラック「タロットの書」より一部を引用)
これって、上級者向けの教本はいらないんじゃない? と思った人もいるかもしれません。確かにこの文章をいきなり提示されても、占いの結果と結びつけるのは難しいでしょう。
なので、上級者の本は慣れるまで買う必要はありません。やさしい、わかりやすい本で基礎を勉強しましょう。今はそれで十分な力になります。
イマジネーションと直感が最大の武器
さあ、あなたが占いを続けていれば、初心者向けの本に羅列されている「単語」だけでは説明できない、意味を組み合わせられない結果と向き合う日が、必ずやって来ます。
そのときに、抽象的な意味、イメージが役に立つのです。
個人のイマジネーションに依存するところも僅かにありますが、抽象的な説明というものは無限の引き出しを持っています。
例えば健康運を占っているときに、愚者のカードが出たとします。初心者向けの知識しかなかったら、自由奔放で好奇心に溢れた健康、という結果になってしまいますね。これは意味不明です。
ここで抽象的な引き出しを開けてみると、「経験に支配されない。つまりこの前怪我してしまったところが治っていくのかな?」や「精神的なプレッシャーから逃れられそうだな、心の健康につながりそう」など想像できます。
強引なつなげかたに見えますか? 確かにそうかもしれません。
ですが、「占いが繊細でなければならない」とは誰が決めたことなのでしょう?
占いで一番大事なのは「直感」だと私は思っています。
「愚者のカードにはこういうイメージ、ストーリーがある。今の占いに一番当てはまるのはストーリーのこの部分だ!」と、あなたがひらめいた結果が、あなたの占いの本質です。
それは、ほかでもないあなただけの武器です。
直感に自信がなくても、何度も占いを練習していれば意外と慣れていきますし、それこそ上でも述べたように、はじめのうちは「単語の羅列からふさわしい意味を引っ張ってくる」占いでOKなのですから、怖がることはありません。
具体的すぎる意味の羅列では満足できない、説明できない。
その壁にぶつかるほどタロットに慣れてきた頃には、あなたのイマジネーションと直感力は十二分に鍛えられているはずですよ。
まとめみたいなもの
最初にあなたがするべきことは、簡単な教本1冊と小アルカナも入ったタロットを買うこと。それだけです。
何事も最初は初心者で、そしてはじめの一歩は小さいもので構わない。普通のことですが、これはタロットでも言えること。
覚えることが多くてパンクしそうなら少し休みも入れて、無理せず焦らず、タロットの世界を楽しみましょう!
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