19-2✦変化するということ
本日FC町田ゼルビアのサポーターミーティングが開催されました。
ミーティング全編の動画はこちら ※リンク切れになったらすみません。
少し長いので、ミーティングの内容を要約するとこちら
初めにひとつお伝えしたいのが、今回の件、クラブの判断もサポーターの気持ちもどちらも分かるので、どちらかを支持するという立場でないということを踏まえて読んでいただけたらと思います。
FC町田ゼルビアのクラブ名変更
ことの発端は、SNSで挙がった「商標登録」のリークでした。
クラブのオーナーでもある藤田晋氏が代表を務めるサイバーエージェント名義で新しいクラブ名「FC町田トウキョウ」とエンブレム、マスコットらしきキャラクターの商標登録出願があったことがリークされて、サポーターが騒ぎ、ことが大きくなったというもの。
FC町田ゼルビアといえば、市民クラブから誕生し、昨シーズンはJ1昇格プレーオフでもあと一歩の成績を収めたクラブです。
しかし、昨シーズンは肝心なJ1クラブライセンスの取得がなく、残念ながら今シーズンもJ2で戦っています。
その今シーズン、鹿児島と共にJ1クラブライセンスの承認が下りたのですが、成績面で振るわず下位に低迷しています。
個人的にゆかりのある選手も所属していたりで、好きなクラブのひとつなのですが、今回のミーティングを見て、いろんなことを考えさせられました。
愛情の大きさ
今回いちばん感じたことは、「ゼルビア」というクラブがすごく愛されているということ。
もちろん、企業クラブからスタートを切ったわけではないので、市民とともに成長していったプロセスを考えると、市民から愛されてるのは当然でしょう。
質疑応答でも1人の参加者が言っていましたが、「自分たちの街にJクラブのある幸せを感じている」という言葉は、数年前にプロクラブが誕生した地方都市・鹿児島に住む僕も全く同感です。
今までは、応援したくても地元にプロクラブがないので、遠方まで高いお金を払ってプロの試合を見に通っていた立場の人間なので(今でも等々力まで通ってますが)、念願のプロクラブが地元に誕生した喜びはとても大きいものです。
その愛着のあるクラブ名や誇りを持っているエンブレムが、事前に相談もなく、急に「来年から変えます。決定しました。」と言われたら、ずっと支え続けてきたサポーターが「裏切られた」という気持ちになったり納得行かないのも当然です。
もし僕も同じ立場だったら簡単には納得できないと思います。
藤田晋社長のプレゼンから感じたこと
藤田社長がクラブ名やエンブレムの決定、申請に至るまで、「サポーターの声を反映させなかった、リリースが後手になってしまったのは流石にミスだった」と述べていた通りだと思います。
「ゼルビア」が言いにくいとか、V・ファーレン長崎に対しても大変失礼な発言もありましたが、クラブ名の決定方法はどうであれ、ミーティングを見てもうひとつ感じたことは、経営する立場での説明としては腑に落ちない部分があるにしろ、概ね理解できるものだったのかな・・・とも感じました。
世界をも相手にする上場企業のトップだけあって、「TOKYO」というブランドのインフルエンスもしっかりと理解し、世界にも通用するクラブに発展させたいというビジョンは個人的には納得できるものだったのかなと。
サポーターも、プライドはあれど、愛するクラブが大きく、強く、愛され、世界に通用するクラブへと成長していく姿は必ず応援したくなるのではないでしょうか。
こういうサポーターミーティングでも説明の場を設け、多少顔がひきつっていた場面もありましたが感情論に持ち込まず、参加者の反応次第で即日リリース予定だった「クラブ名ならびにエンブレム・マスコット変更のおしらせ」という議題をペンディングにした藤田社長の対応は立派だったとも感じました。
変化するということ
僕自身も含め多くの人は、様々な「変化を受け入れる」反面、「変化を恐れる」一面も持っています。
時代の流れと共に、変化はつきもの。
そう分かってはいても、なかなか容易に受け入れられないことも多々。
議題に対しても賛否は分かれますし、ハレーションするのも当たり前です。
しかし大事なことは、「どちらが正しい、どちらが間違い」といったことではなく、変化しながらもその変化に柔軟に対応し、双方歩み寄って「いい方向」へとシフトしていくこと。
そうやって変わっていった結果、「歴史や伝統」として引き継がれていきます。
リリースは一旦保留になりましたが、今後ゼルビアがどのように変わっていくのか、注目していきたいと思います。
そして今週末、そのFC町田ゼルビア(19位)と、鹿児島ユナイテッドFC(20位)が町田で対戦します。
台風19号の影響で開催すら危ぶまれますが、とにかく両チームの選手、サポーター、関係者に被害が出ないことを願いたいです。
町田はもちろん鹿児島も、せっかく掴んだ夢舞台に来シーズンも残るためにも、ひとつでも上の順位を目指してほしいと思います。
最後に
こういうサポーターミーティングのような熱い気持ちを持って本音をぶつけられる人たちがたくさん集まる機会は本当に素晴らしいと思います。
お互いにしっかり相手のことも考え、地位や立場、老若男女関係なく本音を言える雰囲気は、見ていてすごくいいものでした。
だからこそ、昨日書いたような暴力事件の愚かさに対して残念な気持ちでいっぱいです。
これも同じサッカーというスポーツの現場で起こっていることだと考えると・・・怒