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散財
子供の頃から不満に思っていたことがある。
なぜ大人は働けば金が貰えるのに、子供は勉強を頑張ってもお金が貰えずむしろお金を奪われていくのかと。
昔から浪費家だったもので、欲しいものがたくさんあった。お菓子も欲しい、新しい文房具も欲しい、本が欲しい、服が欲しい、それは今でも変わらない気がする。だがお小遣いというのは有限なもので、だいたい金欠状態だった。当時は子供だったし、欲しいものをひたすら我慢する状況に置かれていた私は、お金が貰えるなら喜んで働くから金を稼がせてくれと考えていた。早く社会人になってお金を稼いで自分が欲しいものを手に入れたかった。そんな自分がなぜわざわざ大学に進学したのか、しかも他の学部より2年も長い薬学部に進学したのかは自分の中でも謎なところではある。あの当時の気持ちに則るのであればどう考えても高校出てさっさと卒業してさっさと働く方が良かったはずなのだが…。
私は所謂オタクなわけではない。アイドルとかのライブには行ったことがないし、ゲームに課金したこともない。一時期無理やりオタクになろうとしてグッズを買っていたこともあるが、昔の話だ。できることならさっさと売り飛ばしたいものである。本物のオタクに怒られそうだけど。
ハリポタも好きだけど、まだスタジオツアー行ったことないし、高額なグッズをポンポン買っているわけではない…はず。
コスメを買い集め始めたのも最近だ。服もそれなりに買うけど、友人の話を聞いていたりすると多分私はそこまで持っている服の数が多いわけではないと思う。
サブスクも契約してない。そろそろ音楽系のサブスク入れようか迷っているところではあるが、基本的にはウォークマンで曲を聴くタイプのアーティストへの不敬罪が問われそうな人間である。
え、じゃあ私のお金何に消えてるんですかって言うと、本だったり旅行だったり、勉強のお供のスタバだったりと要約すると日々の娯楽のために消えているのだと思う。友人とカラオケに行ったり、ご飯を食べに行ったり…、こういうところでも出費は積み重なっている。
一人暮らしを始めて最初に気づいた絶望は、金がないと生きていけないと言うごく当たり前のことなのだが、私はどうも何か予定を立てないとものすごく怠惰な生活を送ってしまうようだ。寝る。食べる。スマホ触る。TVerでドラマ観る。YouTubeでフィギュア観る。Twitter触る。インスタ観る。ゲームする。私が1日お金を何も使わずにひたすら家に閉じこもった生活をしようとするとこうなるのである。最近はここにnoteを書くが追加されただけマシなのかもしれない。図書館に行くとか、散歩するとかでもいいのだが、というかそうして欲しいのだが、私にはどうもできないようである。
と言うわけで私が有意義に1日を過ごすためにはそれなりのお金が必要なのである。勉強しろよと言いたいところなのだがね…。バイトを始めてまだマシになったのかもしれないが、バイトはバイトで仕事内容との相性が良くないのか、この仕事は誰の役に立っているのだろうとか顧客のためになっているのだろうかとかもっと効率のいい方法があるだろうになぜこんな方法取らなければいけないんだとか考えてしまうため精神的な問題がよろしくない。第一バイト中に考えていることが「あと○時間でバイト終わる…!」である。このマインドは中高の部活の時と全く変わらない。基本的にあと何時間とか考えてしまうような時間では大体充実してない。時間と人生をドブに捨てているような感じがする。憂が加速して悲観的思考が収まらなくなる。お金が入っているとしてもこの時間は自分にとっては拷問のような時間だ。バイトだから何も言えないし。ただひたすら心の中で疑問を抱き続けるのは苦しいものである。
このバイト中の憂鬱を発散するために散財に走っている気がする。何のためにバイトしてるんだ…私は。こうなると人生に対してただただ哀しく思えてくる。こうして常に悩み考え事が頭から離れない人間のできあがりだ。
散財をしたいわけじゃない。
金を使うことに束の間の快感を覚えたとしても、後に襲うのは濁流のような後悔と苛立ちだ。
元々金そのものにそこまで興味はない。
欲しいのは金なんかじゃない。
金が副産物になるような、夢中でできる、そんな仕事。労働をしているのではなく、私が生き生きしていられる環境が欲しい。
多分今の私には生きている実感すらも朧げなのだろう。何かをしていないと自分がダメになっていくなら、そのためにと散財し、浪費している気がする。散財はほんの僅かなひと時、私に安らぎを与えてくれるが、理性が戻った途端、またダメ人間になったように思えてしまう。なんてことだ。
勉強をしているだけで生きていける人生ならばこんなに素敵なことはなかったかもしれない。
そう思いながら大学に向かう日々。