転職の時、会社を知りたければ人事制度を確認しよう
人事制度ほど会社の状況を分かりやすく伝えてくれるものはありません。採用広報の記事では都合いい話しをついついしがちで、それに惑わされて人生の大切な時間を無駄に過ごしてしまうことのないように見極めるコツとして「人事制度/評価制度」を確認することが賢い方法。
会社のフェーズ毎に人事制度は刻々と変わる
実は一般的にはあんまり認知されていないと思いますが、人事制度をずっと変えずにいる会社はほとんどありません。もし、あるとしたらもうずっと成長も衰退もせずいる会社です。いい意味では安定、悪く言えば無難な経営に落ち着いている状況。もし、あなたが「もっと経験を積んで、成長したい」などと大きな意思を持った転職をお考えならしっかり人事制度/評価制度は見たほうが良いです。
安定重視タイプの人事制度
会社もある程度成長してくると優秀な人ばかりが入社してくるわけではありません。処理する物量も増えてきて、役割分担が促進してきます。そうなってくると、営業利益を按分する社員も増えてきて目分量で評価するわけにはいかず一定の基準を設け、社員の納得感を持たせつつ給与が毎年少しづつあがるような設計にどうしてもなります。一気に上がらない代わりに、安定を社員は手に入れるという仕組みです。スキルやアウトプットに紐付けるのではなく、評価対象時期の仕事を様々な観点から評価しそれをABC評価などに置き換えていくのが普通だと思います。
ただ、ある意味成果にコミットする人やもっと仕事も自分も挑戦したい成長したいという人は自己評価と会社評価の乖離は結構でます。
スキルやアウトプット重視タイプの人事制度
優秀な人材を入れて成長していきたいと思っている会社の人事制度は積極的になりやすい傾向です。特にIT企業は年功序列なんて完全廃止していますし、優秀なIT人材がいれば会社が成長するというFactは十分あるので、特にそうしがちです。スキルやアウトプット重視タイプの特徴としては、求めるスキルが明文化されており、且つもとめるアウトプットもある程度はっきりしています。KPIツリーなんかがあり、イシューを立ててグロースしていくということをひたすらこなしていきます。成長期なので社員数も充足していない分、うまく行けば利益率も高くなりますし、うまくいかなければ赤字にすぐなります。アウトプットとPLの相関関係は高いのでアウトプットが低ければ営利貢献も低くなり評価も下がります。
ある程度の経験、スキルを持っていればこういう会社で実務経験を積み人材価値を高めていくのも一つの選択肢です。ただ、先々ずっと高い評価を得られる訳ではないのでそこは注意が必要です。社員数はどうしても成長とともに増えて、スキル密度も希薄化しますので。
面接の時聞くべきポイント
人事制度は表立って出ていませんので採用面接などで以下のポイントを聞いてみてください
1,人事評価者はどなたですか?(ちゃんと部長なども関係しているか)
2,評価する項目を教えてください(複数あるはずなのでなるべく全部聞く)
3,一番評価ウェイトが大きいのはどれですか(ここで会社の人事評価の性格がわかる)
そして、最後に1回の昇給で上限設定があるかどうかを聞きましょう。例えば上限が1万円などキャップがかかっている場合はほぼ安定タイプの会社です。ご自身の転職動機と合わせて考えるのが良いですね。