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社員旅行の話。2
2日目は地獄めぐり。
OITAの代名詞とも言える定番の観光ルートだろう。
実際自分がひそかに楽しみにしていたのはここだった。
1日目の湯布院散策も本当は楽しみにしていたのだが、ちょっと思ってたんとちゃうかった。
ホテルをチェックアウトして集合写真を撮って(……?)いざ出発。
定番通りに海地獄から順に周っていく。
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なんも見えねえ。
湯気がすごすぎて、真っ青で美しい筈の海地獄は何もわからなかった。
時々風向きが変わって一瞬青色が見えたりもしたが、基本的には湯気の印象しか残らなかった。
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続いて鬼石坊主地獄。
ここは白くて粘度のある温泉からときおり「ボコッ……」と泡が噴出してくるらしい地獄……と思っていたが、実際はもっとサラサラの温泉からボコボコボコボコッと絶え間なく泡が噴出している地獄であった。
ここの泥を抽出して顔にパックしたら肌がツルツルになりそうだなって思った。そういう商品があったら買いたかった。
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次がかまど地獄。
ここは小さい地獄の集合体らしく、色んな特色を持つ地獄が点在していた。
激臭のする地獄から赤茶けた地獄まで。まあ特筆すべき事項はない。
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続いて鬼山地獄。
ここは地獄というよりワニの楽園だった。
久しぶりに大きめのワニを見て大興奮していた。なにせここに展示されているのはイリエワニ(他にも何種類かいたらしいけどじっくり見る暇がなかった)。例外を除けばワニ界の中で最大級の大きさをほこるワニである。そんなワニが現在80頭近く飼育(というか狭い場所に閉じ込められてたと言った方が良いくらい狭そうだった)されている。
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全く動かないワニがいて、瞬き一つしないので死んでるのかと不安になった。多分あのワニの口の中に何か入れたら豹変するのだと思う。
ちなみにこの温泉でワニを育てると長寿になるらしい(情報の出どころがわからなくて申し訳ない)。
ちなみにそもそもイリエワニの平均寿命は70歳なんだとか。すごい長寿な生き物だなあ。
ああ許されるならワニのお腹プニプニしたかった……。
恐竜みたいでかわいいね。かわいいね。
続いて白池地獄へ。
こちらは良い景色だった(小並)
静かに立ち上る湯気と庭園があって、一番落ち着く地獄だったかもしれない。
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そしてこの白池地獄には……なんと……熱帯魚館が・・・あります!!!(歓喜
規模は小さいながらも、川にいるやべえ魚代表のピラニア、古代魚のピラルク、アリゲーターガー等色々な淡水魚が普通に展示されていた。感動した。
ピラルクなんてずっと眺めていられるくらい優雅で不思議な存在感を放っていた。鱗一枚一枚が泳ぐたびに不思議な色に輝いてて、ずっと見てられる……。
ちなみに説明書きによるとピラルクって生きた化石(シーラカンスと同じ扱い)で世界一美味しい魚らしい。へえ。美味しそう。食べてみたい。
この不思議な魚たちの写真も撮りたかったが、携帯を車に忘れてしまって撮れなかった。
ちなみにこの熱帯魚館で魚たちを見てたら皆いつのまにか出て行ってたらしくてはぐれた。団体行動を乱して申し訳ございませんでした。
その後は少し車を走らせて血の池地獄へ。
しかし血の池地獄では取引先へのお土産を買う事で必死になり過ぎて血の池地獄本体を見る事は叶わず、石清水八幡宮事案となってしまった。
竜巻地獄も時間がなかったのでスルー。
やっぱり当初の予定通り1日目に地獄めぐりを設定した方が良かった気がする。結構沢山見どころがあって時間が足りなかったが、とある社員の証言で「地獄めぐりは飽きる」という話だったので、時間配分をおろそかにしてしまったのであった。反省。
最後の2つは巡れずじまいだったが、お昼ご飯に食べた日田焼きそばはとっても美味しかった。大分のB級グルメなんだとか。
熱々の鉄板に焼きそばを焼き付けておこげ風に仕上げた焼きそばはパリパリしてて、またソースと野菜の相性も良くて非常に美味しかった。
が、量も多かったので死にかけた。
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昼食後はそのまま別府駅付近にまで戻ってお土産を買う時間にしていたのだが、血の池地獄で見物時間を犠牲にしたおかげでお土産の確保は出来ていたので、昼食のお店の外で予定より早めの解散になった。
私と夫は夜行フェリーで帰る予定になっていたので、別府駅まで送ってもらい、そこでようやく自由の身になった。
別府駅からフラリフラリとあちこちを散策しつつ、途中マクドで小休憩を挟んだりしながらフェリー乗り場を目指す。
その距離なんと3.1㎞。
ピンとこないと思うが歩くと40分くらいはかかる中々の距離である。
そこを途中寄り道しながら向かったので、2時間くらいはかかった。
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良い感じに過疎ってたのでゆっくりお土産探しが出来た。
開放感の中歩いたので疲れはあまり感じなかったが、海沿いを歩き続けたので寒かった。
この苦行の中で一番楽しかったのがこの帰りのお散歩であった。旅行の終わりにテンションが上がったのは後にも先にもこの一回である。
途中雨に降られたりもしたが、無事にフェリー乗り場へと到着。
着いた途端に物凄い疲労感を覚えたので、追加料金を払ってちょっと良い個室に変更してもらった。これが後で功を為す。
待合室で1.5時間くらい待ち、遂に乗船。
運よく一昨年くらいに竣工したての新しい船(さんふらわあ むらさき)に乗る事が出来た。
船内も綺麗で、設備も中々のもの。
夕食は船内のレストランでちょっとお高いバイキングを食べた。
値段のわりに品揃えが微妙&最後の方は品切れのまま……だったのだが、そこそこ良い席で夜景を見ながら時間を気にせず食べられたので良しとする。
問題は食後部屋に戻ってからだった。
自分達の乗った日は悪天候だったためとにかく揺れた。
自室でシャワーを浴びていたらオットット……とバランスを崩すくらいに揺れたし、船内アナウンスで「すごい揺れてます。酔い止め販売してますので対策してください」とあったくらいなので相当の揺れだったんだと思う。
自分は酔い止めを持っていたので早めに服用しておき、喉まで食べたものがせり上がってはきたものの、おかげで事なきを得た。
夫は全く酔わないので意気揚々と大浴場へ向かったが、脱衣所のロッカーを確保するための待ち列が出来るくらいの混雑具合だったので撤退してきて自室でシャワーを浴びていた。
ちょっと良い部屋に変えておいた事の顛末がこれである。
というわけで天気は悪いし揺れるしケータイは繋がらないしでやることもないので、その日は10時過ぎには就寝した。
途中船に何かがぶつかる様なガコンッて大きな音で何度か目を覚ますも、酔い止めの副作用でふにゃふにゃだったので無事に眠り直す事が出来た。
明け方にはすっかり天候も良くなり、定刻通りに大阪に着く事が出来た。
出た後は電車を乗り継ぎ乗り継ぎ待ち、待ち、待ち……やっとの思いで帰宅。こうして大切な何かを犠牲にした社員旅行は無事閉幕となった。
大分(OITAだけに)かいつまんで書いたが、この間にもいろんなトラブルがあったりして本当にしんどかった。解散した後が一番楽しかった旅行なんてこれが初めてである。もう行きたくない。
最後に手に入れたお土産の一部を紹介。
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入浴剤などの殆どのお土産は自分が慌ただしくしている間に夫に買って貰ったものである。夫がいなければ手ぶらで帰宅するところであった。感謝。
もう行きたくない(大切な事なので2度宣言しておく)。