深夜バスの話②まだまだ、のるまえ編
「とにかく、旅行計画は後でいいから、今すぐ深夜バスに乗らねばならない。」その事実そのものは、既にユーには受け入れてもらえたものと考えている。旅はAEDだ。あなたはその意思と関係なく、ひとまずは強制的に生き返らされてしまうのだ。自分が本当に旅に出たかったのかどうかは、生き返ってからゆっくり考えるといい。
ここまでこの文章を読んでくれた人ならもう、旅においては行き先よりも大事なことがたくさんあると分かってくれたことと思う。そこで、今日は深夜バスの選び方について説明するぞ。
1.3 行き先の行き先は行き先より大事
運行本数の多い人気路線など、似たようなバスがたくさん走っていてどれに乗ればいいかわからないこともあるだろう。そういう時に注目すべきは、行き先ではない。「バスの乗り場」だ。
各バス乗り場にはそれぞれ、「アクセスしやすさ」「場所のわかりやすさ」「時間潰し性能」のパラメーターがある。バスの時間は刻々迫るのに、バスターミナルは見つからない。不安だからと早く現地に来てみれば、今度は時間を潰せる場所がない。(コロナ影響下では特にその傾向は強まるだろう)というわけで、バスターミナルの選択は、行き先よりも重要なのだ。
迷ったら「バスタ新宿」発
アクセスしやすさ☆☆★ わかりやすさ☆☆☆ 時間つぶし☆★★
新宿駅新南口にあるばかでけえバスターミナル。圧倒的な発着本数を誇り、駅からも目と鼻の先でよく目立ち、明るく人も多いから夜の時間つぶしの際も身の危険がかなり少ないと思われる。
東京圏初心者の深夜バス旅はここ起点で決まり!というくらいの大定番なのだが、問題点が全くないわけではない。発着本数が多いからこそ、自分の乗るバスがどれだか不安になりやすい事、そして、待ち人数が多いため、椅子の争奪戦が発生しがちな事だ。ターミナル内のコンビニもかなり混むため、飲み物以外の買い物は近隣で済ませたほうがいいかもしれない。
最大の問題は、新宿駅そのものが迷宮だという事…
ここも定番「鍛冶橋駐車場」発
アクセスしやすさ☆★★ わかりやすさ☆★★ 時間つぶし★★★
東京駅八重洲側、東京駅と有楽町駅の中間くらいの位置にある。ここが邪悪なのは、「東京駅八重洲口にはJRバスのバスターミナルもあって勘違いしやすい」所である…なんか変だなと気づいた時には、もうバスの時間はぎりぎり。そして、それなりに歩く羽目になる。
場内は椅子が少ないし充電コンセントもだいたい専有されている。さらに、コロナ状況下では場内には入場時間規制&ソーシャルディスタンスでソファ半分が使用禁止措置が設定されており、深夜バスの発着時間には有楽町のマクドナルドも閉鎖されている状況だ。荷物に腰掛けたり縁石に持たれたり、所在なさげな人々がたくさんいる。首都高出入り口が近くにあるため、高速道路鑑賞大好きッズにはおすすめかも知れない。
地獄「池袋サンシャインバスターミナル編」
アクセスしやすさ💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀 わかりやすさ💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀💀 時間つぶし★★★
たどりつけねえ。胃液吐きそう。サンシャインのどっかから入る。わかりにくい。巨大建造物あるし建物の中通ってくのでスマホのナビもろくに機能しねえ。わかりにくい。ここからバスに乗るしか選択肢がないスキー&スノボの人向け。地獄地獄地獄地獄地獄地獄地獄 なんなの
ごめんなさい、あとはよく知りません 方向音痴なので
千葉になっちゃうけどディズニーランドのバス乗り場とか実は狙い目かも。深夜バス、ディズニーランドでめいっぱい遊びたい人の最良の選択肢だもんで日本中いろんなとこに行けるバスが出てるんじゃないかな。横浜もよくわかりません
1.4 バスの仕様でバスを選びなさる(あなたにとって快適とは何か)
シートタイプ等についてですが、可能であれば4列シートタイプは避け、3列シートのバスを選びましょう。カーテンもあるといいです。これは移動中及び翌朝の体のラクさの問題も大きいのですが、なにより最大のポイントは「休憩時にサービスエリアに行きたいのに通路側の客に気兼ねしてバスから降りれない」という事態を防ぐためです。あなたが払った追加の代金は、快適さのためではなく、SA/PAというアトラクションの利用料金と心得てください。
トイレ付きバスかどうか。運転手の安全と健康のため昨今の高速バスは休憩回数が十分設定されていますのでトイレ無しでも比較的ピンチには陥らないと思います。急にお腹下したとか等の状況では乗務員にその旨を伝え、最寄りのPA等に寄ってもらうという最終手段もありますが、深夜バス移動直前は鯨飲馬食は控えておいたほうが無難とは思います。たとえバスタ新宿からベルクが近いとしてもね。
ちなみに深夜バスは「USB充電コンセントあり」「Wi-Fiなし」という仕様が多いです。発車直後に消灯となるケースが多いためですね。というわけで、バスターミナルで時間つぶしのために延々いじってたスマホやモバイルブースターをここでチャージしておくのが翌日を考えるとベストです。バスターミナルに来る道中のあいだに、USBケーブルが手元にあることを確認しておきましょう。発着場の近くには100均ないと思うので、途中で買っていかないと高く付きます。スマホの充電が旅先で切れた場合、あなたは宿の手配も時刻表の確認も現在地の確認も不可能になり、SNSが見れなくなり、月曜の出社に間に合わなくなり、ライフラインを寸断され死にます。何も知らない場所にいくというのはそういうことです。あるいは、地方のコンビニでクソ高い充電池を買うことになります。
基本、バス内ではよほど発車時間が早いバス以外はスマホをいじることは出来ないと思ってください。もし冬場であれば、遮光性のある上着を一枚ひざ掛け代わりに手元に出しておけば、プライバシーカーテンとの併用効果で光漏れを抑止し最低限の調べ物くらいはできるかもしれません。でもまあ、他の交通機関と比べて周囲に配慮しないと迷惑かかる率が格段に高いので…とにかく、SA/PAでやろう。深夜のSAの空気最高だからよ…翌日移動中に寝てればいいじゃないですか。変な時間に起きてても大丈夫。
きょうのお話は、これでおしまいです。
あと一回。最後にバスと飲み物についてのお話をして、深夜バスのお話はおしまいです。きょうもまた一つ、旅の理解が深まりましたね。精進しろよ。