地獄旅live!1-4(完) 青森~秋田 ゴーゴー五能線!
朝。なんとか起きられたようだ。
今回の地獄旅では、未踏の道北ゾーンを渡ることとは別にもう一つ考えていることがありました。以前秋田を巡っていた時に見かけた辺境感あふれる路線、五能線ゾーンを進んでみること。
きのうの旅程で北海道足止めになるか、内地の土を踏めているかでのルート分岐。思ったよりも距離を移動してしまったことから、五能線ルートでの帰宅が確定しました。
しかし、ここで問題発生。
「なんか青森の海っぺりをぐるりと回る不便そうな鉄道路線」程度しか事前情報を仕入れないままここに来たため、そもそも五能線がどこから出ていてどう乗るのか、どれぐらい本数があるのか全く把握していない。
あまり詳しく調べると、実際の行動が確認作業になってしまう気がして、あまり調べたり予定を立てるのが好きではないのだ。
とにかく、18きっぷで車両に乗ってしまえばどうにかなるだろう。もし特急に乗ることになっても精算はどこでもできる。とにかく、スタンプを押してしまいましょう。
自販機が全てブランド別のりんごジュース。
青森県のイメージ通りの青森を演じようとしている自意識を感じる。
トキ!トキ!トキ!
どいつもこいつもトキ!
路線図を見て、ナビであいまいに検索をして。
乗換案内、行き先も経路も決まってないときに調べる手段が分からない。何を調べたいのか教えて欲しいと言われても、AIも困ってしまうのだろう。
時刻表を見ればいいのかもしれない。
とにかく、川辺駅か五所川原駅ってところが分岐点っぽいから、ここが始発なんだろう。目指そう。
こういう旅をするようになってから、みどりの窓口に備え付けの時刻表があると地図を見ることが増えた。
何を見るかというと、地図を見るのだ。そもそも、「たぶんここは列車で行けるだろう」という思考そのものがあいまいなので、線路が繋がってるかどうかを確認するのだ。
危なかった。
なんとなくこれかな、と思っていた路線は「津軽中里駅」という謎の町で終点となりぷっつり途切れていた。というか、これは私鉄なのかしら?
東北のほうは、もともとJRだけど第3セクター化しました!とかいろいろあって、よくわからない事が多い。
そもそも、分岐点が始発、っていう発想自体が思い込みだったらしい。
主要な駅から出た電車がルート分岐していくような感じなのかな。
確かに総武線と横須賀線と内房線と…とか、普段の行動圏がどこからどういうふうにスタートしてるのかよく知らない。途中で同じ電車でも路線名が変わったりしているようだし。
今日は家まで帰らなくてはいけない。あとの旅程を考えると、思い切って特急電車に乗っちゃってもいいだろう。別に青春18きっぷのシーズンでもないし、所持金以外にルールがあるわけでもない。リゾートしらかみって名前なのね。
とにかく、よく知らない所を移動しつづけられればいいんだ。強いていえば、海が見たい。
これは図書館の返却ポストか。心が汚れていた。
はとぷえぷっぷ はとぷっぷ。
適度に栄えている感じ。駅弁屋さんがある。
もうとことん贅沢することにしてしまおうか。朝ごはんを買っちゃおう。
なんとなく、朝昼兼の食事になる予感はある。
特急に乗ることを決めてしまった関係で、もう少しだけ時間がある。
記念撮影タイムかな。
…巨大キャッツ!
超巨大アップル!
ほどよいアップルもありました。超巨大なひめりんご。
口調だけ丁寧なため、本気で怒りを抑えている感じが伝わる。
等も。
背景の建物との兼ね合いでなんか巨人に見える。
またなんか謎の遺跡みたいなものがあるな…
うろうろ、うろうろ、思ったより時間あるな
おそばやさんがあった。弁当はお昼にまわして、朝ごはんとしよう。
大好物の天玉そばを…
なんだこれ?なんか奇妙な天ぷらが出てきた。
普通のかき揚げのイメージと違うような…奇妙な触り心地。具なし?
食べ始めると…ほどける、つゆでほどけていく…これは、天かす??
しばらくすると、すごい勢いで…膨張していく!
気がつくと、山盛り天かすを載せたたぬきそばのような謎のめんが完成しました。ナニコレ?
なんか、塩気があるような…味があるような、そうでもないような…
見た目以上にしっかり満腹したけれど、謎が強く心に残ります。
このへんの地方の天玉って、みんなこうなのか?この店の名物なのか?
よく見たら、ひっそりと別の駅のようなものがありました。
たぶん、これも乗らなくていいやつだと思うんだけれど、そもそもこんな所に駅があるなんて今の今まで知らなかった。雰囲気いいけど、今日これにのったら、家にはたどり着けない気がする。
田んぼアートって聞いたことあったけど、ここだったんだ。
それにしても奇妙な駅名。そもそも駅じゃないのかも。
ちょっとおもしろい駅スタンプをぺったん。
絵もさる事ながら、文字がすごく同人誌っぽい。手書き文字の味わい。
ファンシー顔出し看板!
イェーッ!
いよいよ改札を抜けて、ホームにやってきました。
時間が迫ってきた…というほどでもないけれど。
完全に、駅前ですることがなくなってしまったのです。
きたきた。
全席指定…
リゾートしらかみ!ロゴのドット絵だ。
…ん?なんか妙にゴージャスな内装…
あっ、これ観光電車なんだ!
何も知らないで乗る決断をしたけれど、少しテンション上がってきた。
ひたすらこんな風景を見ている気がする。
いい季節に来たな。
いつもの、なにもない風景。
ねぷたの町だ。
漢字ではこう書くんだ。
おもったよりとんでもない規模なのかもしれない。
オンシーズンだとこのへんは人がすごい多いんだろうな。
お隣の席がまだ空いてるうちに、車内の写真でも…と写真を取っていたら、車内放送が始まった。停車駅か名所の案内かな…と思ったら「いまから3号車にて津軽三味線の生演奏を行いますので、皆様どうぞ3号車までお越しください…」と謎のガイダンスが。
なにこれ…車内でライブが開催されとる…これがイベント列車か…すごい
津軽三味線、音に迫力あってめっちゃかっこいいな。
車内に貼られた謎の塗り絵。ワハハ ブナロボットだぞ!
さすがに各駅停車に乗って途中下車する人や生活に使ってる人は少なそうな路線に感じる。車で来る人は多いんだろうけれど。
へー、乗車証明書、記念品かな?と思ったら、連動した割引とかがあるみたい。
通り過ぎるだけではなくて、この途中の駅に旅の目的地がある人もけっこういるのかも。ちょこちょこ乗り降りする人がいる。
鰺ヶ沢。ストリートファイターシリーズのレインボーミカの所属団体として設定された「鰯ヶ浜日本女子プロレス」って、この地名がモチーフなんじゃないかな、と感じさせるものがある。
なんとなくインパクトがある地名だったのでナビでどういう路線があるのか、どうつながっているのかを調べるときの仮目的地にこの駅名を使っていた。
よく考えると、その駅が特急停車駅かどうかでも想定時間とかルートとか、経路案内の結果が変わってしまいそうだ。
やっぱり、時刻表というか路線図、あるいは地図を一枚持って歩くようにしたほうがいいのかな…検索で出てくる路線図、なんか妙に見づらい。
紙の「全体像を把握しながら一部にも同時にフォーカスできる特性」と検索の「名前さえ分かっていればなんでも瞬時に情報の山から掘り出せる特性」は、2つ対になったときに最大の力を発揮する気がする。
猛烈に視界が開けてきた。
岩に波が砕けて、白と青のコントラストが映える。
鉄道旅、こういうときに足を止めて寄り道できないのは弱点だな。
一期一会の風景。
特に今回はフリーきっぷじゃないから、途中下車は前途無効。
ダイヤ的にも、次の列車が来るのはいつのことやら。
木陰も何もない駅前で、じっと待ち続ける時間…拷問だろうな。
なんかでっかい昆布かなんかの海藻が流れてる。
千畳敷の駅。しばらくこの駅に列車は停車するらしい。
すれ違い待ちの時間かな、と思ったら…
えっ!?お散歩タイムなの!?
設定された停車時間の間、自由に浜まで降りていいという事らしい。
観光列車、恐るべし…通る列車の総本数が少ないのを逆手に取っている。
あの手この手で、うまく予算を抑えながらエンタメを作り出そうとしている創意工夫を感じてしまった。こういうちょっと豪華な観光列車の旅って、はとバスみたいな感じなんだな。知らなかった。
なにごとも、一度はやってみないと分からないな。
(ちなみに、過去に参加したはとバスツアーは「新東名高速道路の建設中区間に行って工事現場の発破の音を聞いたり宮ヶ瀬ダム観光放水を見学しにいく」という内容でした)
みんなハイテンション。
奇岩!奇岩!
磨崖仏!
潮溜まりに降りていきます。
鉄道移動中に自然観察できるとはね。
海藻、海藻。
アオミドロすら綺麗に見える。いやそうでもないな。普通に汚い感じ。
もうちょっと水の多いエリアまで歩く時間ありそう。
海藻が揺らぐ。
めちゃめちゃ水が綺麗。
ってやってたら靴に海水がかかっちゃった。靴下が…
カサガイかなんかかと思ったけどイソギンチャクかも。
リゾートしらかみの汽笛がなった。そろそろ戻れ、の合図だって言ってたな。銀河鉄道999の途中停車駅って感じだ。
鉄郎、だいたいこういう時間の間にパス盗まれたりするんだよな。
夏よさらば。
民宿の前に自販機があったのが地味にありがたい。
コーヒーを切らしていたのだ。
綺麗、綺麗、ひたすら綺麗。
いつ、何回シャッターを切っても絵葉書みたいな風景になってしまう。
いままで乗ったことのある鉄道のなかでもぶっちぎりの景色のよさかもしれない。水が以上に澄んでるのが列車からでも分かる。
強いて言えば、この海の魚を食べられないのが心残りだ。
たまには滞在型の旅もいいんだろうな…
岩手青森秋田のちょっとアクセスの悪いエリア、
どこ行ってもたいてい凄く良い感じだな。
今度はすれ違い待ちの駅みたい。
ここは深浦の町だぜ。どこかよくわかりません。
となりにいる派手派手ーな外観の列車も、同じくリゾートしらかみ号。
3種類の列車があるらしい。
両雄揃い踏み。あっちのほうが、さらにハデな雰囲気。
草深くなってきた。
海辺ルートも一段落したのかな。
日差しのなか、海辺の岩場を歩いた疲れが少し出てきた。
靴下を履き替えたい…最終日、靴下の予備がないな…
ここらで弁当をつかうか…
城ロボプロジェクト!超城神タメノブーンV(ファイブ)!!
…そんなプロジェクトあるんだ。
お弁当の汁気が染み出しちゃった。びちょびちょになってなかったら、この紙を旅の記憶としてスタンプ帳に貼っといてもよかったかもしれない。
チャラいようで、けっこう郷土色強し。
めはり寿司のような感じで若いこんぶが巻かれたおにぎり。
…若く柔らかいとはいえ昆布なので、頑丈でなかなか噛み切れない。
そして、ものすごい量の粘液が口の中に満ちてくる。
変わったものを食べている…という実感の強い謎の食品だった。これ、この弁当用に開発したのかしら?ご当地で普通に食べてるものなのかしら?
なんか、今日に入ってから、奇妙なものばかり食べている。
書くことなくなってきた。
眠い…
なんか、閉園中のテーマパークのようなものがある駅。
ここの乗り物が最高に素晴らしいデザインの塊だった。
じっくり写真撮りたかったな。
うつらうつら…
東能代。前回男鹿半島に来た時は、ここから秋田内陸に向かい、真っ暗闇のなか秋田内陸縦貫鉄道に乗って家を目指した記憶がある。ここで「五能線」の存在を初めて知り、地図を見て「こんな列車乗ったらとてもじゃないけど家に帰り着くのは不可能だ!」って震え上がったような記憶がある。
毎回似たような旅をしているな。
未知のエリアがなくなってしまったら、旅の動機を失ってしまうのかな。
実際には、細かく掘っていけば、この世は知らないことだらけなんだけど…
観光列車としてのメインイベントは、ここまでで一段落したみたい。
八郎潟。どこが八郎潟なのかいつもよくわからない。
となりの駅は、井川さくら。
めっちゃ人名っぽくて、変に脳にひっかかる響きの駅名だ。
うまく駅名の写ってる写真でも取れないかな。
シャッターをぱたぱた押してみる。
ぜんぜん撮れてませんでした。
外気温も高かったしカメラをさんざん使ってたから、スマホの温度が上がってしまって性能が下がっています。
ま、しょうがないね。また今度来た時にでも挑戦しましょう。
井川さくら…幻の乙女。
突然ですが、もうリゾートしらかみ号を降りています。
疲れて寝ちゃってた…
「こういう絵柄のエッチな絵ってなんかいいよね」っていう第一印象を受けてしまった。心が汚れている。
というわけで秋田駅に着きました。
秋田犬のリアビューです。
脱肛!
スタンプを押していきましょう。
…季節ごとに限定スタンプ設置!そういう手もあるのか!
コンプするのは正直難しそうだけど、スタンプに時系列の概念を持ち込むのはすこし面白いアイデアだと感じた。
もう今回の旅は目的達成と言っていいでしょう。
無理をしてもしょうがない状況なので、ここからはさくっと新幹線を使うことにしました。もう、今回は贅沢をする回。仙台以北は新幹線の本数も決して多い訳じゃないから、余裕を見積もってるくらいでちょうどいい。
ゆるりと駅前でも歩いてみようか。いつも深夜に宿探ししたり真夜中だったり乗り継ぎだったりで、リラックスして秋田駅前を歩くのも初めてかもしれない。
来るたび撮ってる気がするネイガー自販機。
なまはげちゃん。
駅前にゲーセンあるっぽい。グルーブコースターあったら、「秋田勢」だっけ?県別称号でも取っていこうかな…
あっ ない なにもない!?
もう一軒キッズゲームコーナーっぽいのがありました。
里山最強!
宇宙人VS妖怪みたいな、異様に濃い類似ゲームもあった。
なんとなく1クレジット入れたら取れちゃった、謎の奇怪なにゅるにゅる。
余談ですが、このにゅるにゅるをポケットに入れたことを完全に忘れてしまい、ポケットに手を突っ込むたびに「ヒイッなにコレ変なものがポケットに入ってる⁉」と驚く体験をこのあと数回することになりました。
スーパーに寄ってお買い物…これが地獄旅ガチ勢の観光地の買い物だ!
そろそろ駅に戻ろう。それにしても、
秋田駅の駅そば屋、妙にそそるメニューが多いな。
どれもこれもうまそうじゃ。
めっちゃお蕎麦屋さんの写真とってる。
帰りの新幹線の時間がやってきた。
って、散歩しすぎてギリギリの時間になっちゃった。怖い、怖い…
秋田駅の駅ビルで買ったおやつを食べます。
この「粉なます」が不思議な存在だった。
糊のような、非常にゆるい溶けたもちのようなものに、酢と砂糖で甘酸っぱい味がつけてあります。洋風スイーツ的なさわやか感がありつつ、鼻に抜ける匂いは明確にお酢の味。これは売ってるのに気づいてよかったな。おいしくて奇妙でいいおやつ。木苺寒天は文句なしのうまさ。
新幹線なんだけど、ローカル線の線路をそのまま走ってる感じで奇妙な気分になる。一回りちっこいミニ新幹線なんだっけ。
新幹線なのに単線の線路を走っていく。
ホームが複数ある駅ですれ違い待ちの停車時間が発生したり、
新幹線が踏切を通過していったり。なごむ。
オツカレサマドスエ。
盛岡あたりからは、高架のいわゆる新幹線らしい新幹線に線路も変貌。いままでののんびり感が嘘のように普通に超加速していくのでした。
体力や時間に余裕のある状況でこの新幹線に乗ったこと、いままでなかったのかもな。
あとはただ帰るだけなので、今回のログはここでおしまい…
エピローグ。
北海道まで行ったのだから、サーモン大好きなZEEG君とサーモン・スシの記念写真取ってよ、というリクエストがカリフォルニアにお住まいのGabe君からありましたので、最後の最後に、なぜか上野駅の「はなの舞」でサーモンドンブリを食べました。ミーミーは氏のキャラクターのウールロイド、火星猫の「ZEEG」とロボットの「Mortimer-12」のふたりを旅仲間として連れていき、ときどき記念写真を送っているのです。国際的友情ですね。まだ会ったことないけど。
…オゲーッ!この「はなの舞」のお会計、北海道で食べた焼肉屋よりも高くついちゃった!都会コワイ!!(おしまい)