地獄旅 7-1 台北 たいわんにいきたいわん!
デッデーン デッデデデデーン デデドゥーン ピョロロロロぼわー!
憧れがあり、台湾に行きました。
現地に詳しい友人から話は聞いていますし、中華電信のプリペイドsimもある。どうにかなるでしょう。
…そうでもない気もしています。機内で手渡された一枚の紙…入国審査カードというものを描く必要があるようです。そして、ボールペンが、ない。
幸い機内販売でボールペンが購入できたため事なきを得ましたが、過去の海外旅行は複数人で行ったいわゆるツアー形式…こういった手続き面の記憶が全く残っていないということは、そもそもやったことがない可能性に気が付きました。台湾の知識というより、海外旅行の基本知識がない事にこの時初めて気付いたのです。大丈夫だろうか、この先…
教訓:飛行機に乗る時はボールペンを一本持ち込もう。
あっすごい黒松沙士が主役の自販機!塩入り爽やかルートビア的謎飲料。
事前に「これだけは絶対やれ、これだけやればどうにかなる」と聞いていた儀式。到着後、自販機で発見次第、真っ先に交通系ICカード…悠遊卡(EASYCARD)を買っておくという事です。
とりあえず、地下鉄に乗れる。とりあえず、コンビニ等で会話ゼロでも支払える。そして、駅の券売機では小銭も金額をカウントせずにザラザラ流し込んでチャージしていけるので、慣れてない通貨の勘定間違いがない。(日本の券売機、額面指定しない10円単位チャージのやり方がわからない、もしくはないケースが多いのでここは海外を見習って欲しいと当時思った。2021年現在はコイン投入式キャッシャーを装備したスーパーも増えてきたため便利になりました)
私はこのカードから得た安心感があまりに強かったため、帰国後も数年、お守りとして財布にこのカードを入れたままにしたほどです。これで万一ある日目覚めたら台湾にいても、生きていける…
まあ、そんな事はないとすぐに思い知らされたのだけど。
桃園空港から地下鉄MRTに乗り、市街地に向かいます。駅のプラットフォームのことを「月台」と呼ぶのがなんかロマンチック。ちなみに台湾の地下鉄は飲食厳禁(罰金も数万円いきます)なのはよく知られているけど、改札周囲で手にペットボトルを持っていただけでもちょっとイヤそうな顔になってるおじさんを見かけたのでトラブルにならないよう飲み物はすぐ鞄に仕舞うようにしていました。感覚的には2020年代に電車の普通の席でタバコ吸うのと似た感じのトラブルを起こしそう。
まあ、そういう話は旅行したやつはみんな書いてると思うので、台北駅の地下街でも見ていけ。
「台湾ってこういう感じなんでしょ?」というイメージに近い空間が広がっていた。
中文版だぜ。ちなみに書店とかは翻訳コミックもたくさんあるんだけど、そのまま日本語で売ってる漫画等も多かったように感じる。日本でいうとこの洋書/アメコミコーナーに相当する感じでまとまっている。
ゲームショップとかトイショップとか多くて楽しい空間。食べ物屋さんも多い、東京駅八重洲地下街を規模大きくしたような空間だ。何食べるかなかなか決まらないな…
ひたすら広い地下街を往復している。決まらない…いや、違う、決められないのだ。入れない。気後れして店に入れない!人見知りで人に入れない!
旅に出るといつもより大胆に振る舞うという人もいると思うが、自分は違うようだ。空気感が判らない、注文の手順が判らない、声をかけるタイミングが、支払うタイミングが、全てが判らない。知らん町の、知らんおっさんがカラオケしてる常連しかいないスナックのようなものなのだ。入れない!出る料理も皆目わからない、台式咖哩飯てのがカレーだろうとは推察ついたけど、旅行初日にカレー食べてもな…あれれ?旅開始早々すごい勢いで精神力と体力が消耗し始めましたよ?帰りたくなってきた
ままよ。最終的に、フードコートライクな開放的なしつらえの店舗になんとか入る…メニュー指差したり注文表みたいなので書いて指定する店なら…いける!
生命のラーメン。アキレスそば、てンですかね。なんだろこれ。
知らない国で、なんとかありついた食べ物のなんと温かい事か。急激に押し寄せるリラックス。回復する体力。胃液の出そうな感じが収まり、胸の中の冷たい塊が溶けてきました。気が小さすぎる俺。味はまったく覚えていません。
言葉も通じない国に来て、なんとか入国審査をパスし、衣食住…さしあたり、食べるものを手に入れる事ができる自分を知った。得られた人生の経験値は非常に大きい…のですが、その前にストレスで死にそうです。思った以上に苦行。楽しめるのか?この旅
やったーゲーセンだ!…ビデオゲームないなあ。
「大当たり!ドリーワールドへようこそ!ファンクス。
日本で見たことないエレメカ。実際の水を使ったギミックなのかな…?筐体ががっつり汚い感じでさわるのに躊躇してしまった。お金を入れたらどんな色の水がでてきたんだろう…
日本の夏祭りと浴衣をテーマにした装飾が壁にあった。かわいい。
ディテールも服装も、意図してのアレンジ以外の部分が非常にきちんと描かれてる気がして面白い。
地上へ脱出。蒸す。やっぱり外は落ち着くね。地上まで来るとふつうの都市です。
やっぱりサイングラフィックとかマンホールとかそういうインダストリアル寄りの観光になる。いつもの展開。
台湾の歩行者信号、LEDを使ったドット絵アニメーションなのかわいい。(この動画は自分が撮ったやつではないです。引用したのみ)
渋谷や原宿に相当する感じの繁華街、西門。
キャラクターが彩るメインストリートに現れたその店は…
|義大利料理《イタリアりょうり》・薩莉亞(台湾ではこう書く)!!正直、アニメ絵見るより謎の感動が強いぞ。
ちなみに義式肉醬起司焗烤飯は99台湾ドルだそうです。
制服屋。日本の学園もの、なんの違和感もなく読めそう。
大餛飩麺!
さて、食べ物の次は寝る場所を確保しないといけません。ホステルに到着。
ブッキングコムで日本にいる間に2泊押さえておいたDUCKSTAY HOSTELというホステルに到着。日本でも綺麗めのホステルは何度か泊まったことがありますし、いたれりつくせり日本語の通じる高いホテルに泊まっても経験値にならない、紛争地域とかじゃないし台湾ならきっとどうにかなる…と軽く考えていたのですが、それならなんで事前に海外の宿の利用について調べておかない、自分。ここが台湾到着以来最大のピンチでした。
…建物に入る方法が、わからない。
そうです。この手の小規模かつコストを抑えた宿では、常時フロントに人がいてドアマンがいるホテルと違い、インターホンで人を呼び出したり、チェックイン後はカードキーや暗証番号で玄関をアンロックするのが一般的です。そう、宿に泊まるには、その宿の建物に初めて入るときにどうやって入るのかを知らないといけないし、「私は予約客であり、ここに泊まりに来た。チェックインしたい」という事を伝えなければならないのです。
例によってできないんだなこれが…
ブッキングコム等の予約サイトには、事前に宿に問い合わせや連絡事項を書くインターフェイスがあります。こういう小さい宿を使う場合は、ここでチェックインの流れがどうなるのかを事前に聞いておけば、翻訳サイトも交えて、書き言葉であらかじめ事態を解決しておけたのです…
ここに来るまでに解ってきたのですが、この国、英語も含めて、多言語対応してるインターフェイスや表示が思ったより少ない印象。おまけにこちらは英語は読むのは多少出来ても、話す、書く…要するに組み立てることができない。身振り手振りである程度の意思疎通をしようにも、高度に抽象的な状況では概念を伝えることができないのです。そのうえ、こちらはコミュ障のうえ若干パニックを起こしています。
結局、たまたま他の人が出入りするときにスタッフに気付いてもらえたんだけど、さらにそこで相手が何を要求しているのかが判らない事態が勃発。「こりゃアカン」と判断したスタッフは、近くに住んでいる日本人留学生の男の子を仲立ちとして呼んできてくれたのです…いや、たまたまそういう人がいるときで運がよかった。
外国人は宿泊のチェックインの時にパスポートを掲示する必要があることをその時初めて知りました。そうよね…よくある「ツアコンなし、宿と航空券の手配だけのツアー」って何のためにあるんだろ?と思ってたことがこの時初めて分かりました。みんな知らないところでジョバンニがどうにかしてくれていたのか…(同行した人がどうにかしてくれてたのかもしれない)
激しい精神と肉体の疲労。効きすぎてるくらい強烈なエアコン。下水システムの配管が脆弱ですぐ詰まるため、トイレットペーパーを流すのは禁止で汚物入れに捨てなければならないトイレのシステム。正直、初日の冒頭ですでに限界なのですが、それでも外に行かなくてはいけません。ここに来た目的を果たすために…本場のうまい魯肉飯を食べる為に!
観光地らしいところを歩いています。下調べをしていないので何だかはよくわかりません。
最寄りの地下鉄駅まで歩いていったところにあった、でかい公園が隣にある寺院。たぶん台北龍山寺ってやつ。
こういうお人が祀られている、らしい。
ウワーッ工事看板!観光性が低い写真がどんどんでてくる
タイワンキャッツ!
キャッツはともかく、そのへんをのそのそ犬が歩いてるのは現代の日本ではほぼ見ない感じの風景です。きわめてのんき。犬も人もお互いに構わない。非常に鷹揚な性格にのらいぬが育てる環境と人の気性。佳。
結局、人がいなくてとっちらかっててスカスカな、不完全な空間がいちばん好き。
ここまでの流れで分かるとおり、かなり解像度の荒い感じで台湾にやってきたため、どこにいけばいいのか判らない。「夜市というものがあり、そこでみんな果物を食べて、魯肉飯は台湾料理」くらいの知識しかない。
夜市というのはどれだ?どこだ?これなのか…華西街?なんか寂しいような…この薄暗いのが夜なのか?そもそも、夜市って毎日やってるらしいけど、何時から何時なんだ…夜っていつだ…夜とは…
魯肉飯的故郷!ここか、俺が来ようとしていた場所は。
さて、無事に初めての海外一人食事もすまし、状況にも慣れてきた私は…と来ると思っただろうが、そうはいかない。俺は「状況に慣れる」という概念がかなり弱い生き物なのである…やっぱり怖い、入れない…冷静に考えたらあたりまえなのだ。日本を歩いてて、上野のアメ横ガード下の店だって「なんか不安」って理由で入る勇気がわいた事が一度もない人間が海外で急に知らん店に入れるわけがないのである。
これはストリートビュー。実際にムイムイ来訪時はまだ開いてる店も少なく、たまたまやってた「小王清湯瓜仔肉」という店(たぶん。後から調べた…旅行当時は緊張でそれどころではなかった)が観光客慣れしていると見えて「食べないか」的なやりとりをしようとしているので、これに乗ることにした。とにかう、間違いなく魯肉飯と看板に書いてある!
ところで、小腹が空いてるくらいだから、と茶卵と魯肉飯だけ頼もうとしたのだが、店のオバチャンがなんか「えーっ!?」て感じのリアクションをして、「コレ!コレ食べないの?!これがおすすめだよ!?」というような事を伝えようとしてくる。なんだかわからんが、それも注文。別にボラれもしないでしょ…この雰囲気で。
ウワーッ黒い!
茶葉蛋。中華っぽいかたゆで味玉。まあ、味玉は味玉。色はお茶で付いてるかなんかで、確かめっちゃしょっぱいとかではない。
魯肉飯。ここで食べるまで、ひき肉で作ってるものだと思いこんでいた。こういうぶつ切り状の肉だったのね。
清湯瓜仔肉。あとで知ったところによると、これこそがここの看板料理だったらしい。まっすぐに肉と醤油の味、という印象だった。うまい。あと、この構成だとやっぱり汁物あったほうが充実するな…確かにこれは頼んで正解だった。
よく知らなかったけど、けっこうな老舗であったらしい。
宝物の猫の家。
だいぶ暗くなってきました。この辺りで、台北の市内にはセブンイレブン等の日本で見慣れたコンビニも多く、電子マネー払いなら日本と同じフローで店内のものを購入できるらしいと気がついてきた。最悪、このあとお店に入る元気がでなくなったらコンビニでつないでればどうにかなるな。
それにしても台湾、ヤクルト的なものが巨大だ。そしてこの容器のヤクルト的なものが何種類も、それも大量に売られている。うれしい。コーヒーは特濃X2だって。エナジードリンクの世界だね。
散歩 散歩
ものすごいマスカラもりもりパンダ。下手するとすっぴんはシロクマかも
だいぶ陽が落ちてきた。いいアーケードだな…
完全に満腹していてでっけえ唐揚げ食べるパワーが出ない…軽食、けっこうボリュームあるな。回転寿司感覚でははしごできなさそう。
きょうはアレ食べたい、明日はアレ食べよ、っていうふうに日々を楽しむんだろうな。台湾にリピーターが多い理由もここなのかも。
あっ!ようやく夜市っぽい場所を発見。とりあえず今日はもう満腹だしこころの力も尽きてるから、明日かな…
ワーオ!スーパー・チェンジ・ロボット!
このへんの玩具、商品なのかゲームの景品なのか全くわからん。
コンビニは便利だなあ…しかしパパイヤ牛乳がなんだかクセになってしまった…うまいなあこれ。もともとパパイヤ好きだしな。(帰国後、日本に帰ってからも缶のやつを見かけると時々買ってしまうようになった)
しかし、どっちを向いても人ばっかりでなんだか疲れてきた。市内歩いてるだけじゃなくて、なんか観光的なことでもしようかな…でも何もわかんないぞ…この調子で明日はどうなることやら。