地獄旅 10-1 遠野/釜石 むいむい号、北へ!
■イントロダクション
こんにちわ、私はスタンプ台です。前置き抜きに、いきなりきましたね。
というわけで、ここは東海PAです。毎度おなじみ、地獄旅。いつもならどっか知らん駅の写真でも貼ってから始まる所なのですが…今回は深夜のパーキングエリアから。そう、仕事上がりの夜ドライブからスタートです!
※むいむい号(三代目)正式名称は「ナインボール号 」ですが、慣例としていま乗っている最中の自動車は全て「むいむい号」と呼称します。
開始早々ですがすでに体力、限界…まあ、仕事上がりだから。
さすがにGW開幕タイミングだけあって、24時間営業のコンビニのあるようなSA/PAはキャンピングカーや車中泊組でほぼ満車。体力の限界が迫る中、なんとか一般用駐車エリアに空きのあるPAを発見して…なんとか寝れた…周囲の山深さを考えると、下道でもビバーク地点を見つけるのはそうとう大変そうだから、ここで仮眠が取れて本当によかった。
初日、いきなり終了!
■高速道路(うどんと私)
アサーッ!二日目です。実質的にこの「湯ノ岳PA」からスタートです。
ここまではひたすら常磐道を北上してきたけれど、仙台に真っ直ぐ突っ込むと渋滞しそうだから東北道にルートを切り替え。
とにかく、なにか温かいものを食べて一息つきたい。
手頃なレストラン施設を求めて150kmほど北上しました。牛タン圏内ですね。
清く正しいドライブイン。旅情メシってかんじのPAでもなかったので、とりあえず朝定食らしいものを頼みます。しかしここの食券システムがカオスに満ちていて、厨房の調理効率優先で順番飛ばしで料理が出てくるの頻発でいつ食事が出てくるのか全くわからない。
目に見えてストレス貯めていく客が多数、自分のうどんもいつ出てくるのか全くわかりません。15分ほど待ったあげくに、「俺の注文、忘れられてない?」ってカウンターに聞きに行ったら…
「えっ、ここ、食券先に渡すシステムなの!?」
特にそれっぽいカウンターも見当たらないし、自動で通知行くのかと思ってた…朝から大赤面。帰りたい。お前はいつだってそうだ。
朝うどん定食って、うどんにメシがついた奴か…そこに納豆…ストイックな朝の立ち上がりだ。
しかし、パーキングは比較的スタンプ設置率が高いと分かったのは収穫だったぞ。
スタンプへたっぴ選手権。すこしづつスタンプ押しのコツはつかめてきた気はする。シャチハタは強く押すと裏写りするとか、インクをまんべんなく付けるために角度変えながら朱肉にポンポンするとか…でも、やっぱり、へたっぴ選手権。
■道の駅とウワーッ
というわけで、東北道から釜石道にルートは分岐、いよいよ遠野が近づいてきました。しかし、この日の釜石道は遠野まであと少しのところで事故のため通行止め。ここまでくれば渋滞もなく、余裕のある状況。すこし手前で高速を降り、道の駅に寄り道しながら進むことにしましょう。ここは「道の駅とうわ」。
道の駅の雰囲気が…暗い!いい意味で!
なんか駐車場が野菜を買いに来た車でギチギチみたいな感じがない…これは…渋いたたずまいだ…!
そしてマンホールのこの味わい…なんだろこれ?何モチーフのキャラなのか今一つ分からない奇妙な感じ なんとよい味わいか…否、
ナント…ウメジャ!
売店で座敷童子課金をしつつ、なにかうまそうなものを購入したら。
怪しいガムが手に入りました。一人一枚…注意んガム!
なんかドラえもんのひみつ道具みたいなネーミングだね。
注意んガム 正体見たり ブラックブラック
龍泉洞珈琲も売ってる!岩手気分が盛り上がってきましたね。
龍泉洞に関しては、「地獄旅」の記念すべき第一話をごらんください。いいところだぜ。
それにしても地元民、えらい飛ばすな。道幅のあるところや待避所があるところで、地元車をパスさせます。こちらはだらだら進みたいからね。
あ、刈草ロール!ってよくみたら縮尺感覚が崩壊するくらい1ロールが巨大だった。(本当に刈り草ロールだったのかよくわからない)
■稲荷穴の怪
一般道を走っていると、妙にあちこちで見かけるこの看板。
一般的な案内標識のようにも見えない。なにかの商業施設か温泉か何か?
まあ、わざわざ寄り道をするほどのこともないけど、通りすがりでそれっぽいものがあったら正体を探ってみるのも…
あった!?めっちゃそれっぽいものあった!?
延々と続く地味な景色のなか、唐突に現れた超鮮やかな鳥居と桜の花。
現在地のガイドマップがありました。看板に書いてあったゆるキャラ的なやつ、宮守わさびのミーくんというらしい。たぶんここが「稲荷穴」で合っている、はず…
源平討魔伝なみに異界の門感をかもしだしている鳥居をくぐります。
しかし、観光地にしては…
人気が…まったく無い…
神社にしてもずいぶん寂しい感じ…一応、大きめの駐車場があって、そこで休憩しているおじさんを見かけたので閉鎖されているわけでもなさそうなんだけど。
稲荷穴名水!手打ちそば!!ムードあるな…
やってるわきゃないね。今日休みなのか、もう営業してないのかも不明。
幽玄。風来のシレンの戦闘のないエリアみたい。
初代風来のシレン、なんか町とか休憩マップの感じが妙にサービスエリアやパーキングエリアの空気感を連想して好きなんですよね。
あ、ここのレストランリニューアルしたんだー、とか、そんな気分で冒険したり…
「杉並の旧街道」から「竹林の村」「山頂の町」とだんだんと寂しくなっていく町、二面地蔵の谷…終盤のテーブルマウンテンに至るより前のエリア群。これらのモチーフが新宿スタートで杉並区を通り甲府方面へ進んでいく甲州街道/中央道ルートなのではないかと個人的に考えています。チュンソフトの会社所在地がまさに甲州街道沿い、ゲームのスタート地点とほぼ同等の位置にあった事も含めて…
…ってあれ、花わさびじゃないかしら。普通にもう雑草状態で生えてるのかしら、このあたり。栽培してるのかな。(※あとで調べたらこのエリア、栽培してるどころか日本有数、東北では最強級のわさびゾーンだったらしい。それでゆるキャラまでわさびだったのか…)
鳥居をくぐってから、本当にまったく人の気配がありません。
なにが稲荷穴だったんだろう…と思い出した頃、目の前に新たな鳥居が現れました。
どうやらここが本当の「稲荷穴」の起点…という事か!
けっこう手入れが行き届いている感じです。
たぶん、今がオフシーズンに相当するから人がいないだけなのでしょう。
開けた場所に出ました。
ふつうにお稲荷さん…みたい。
朽ちた鳥居かなにかの残骸が落ちていました。
鍾乳洞があるんだ。入場料とかかかる観光洞窟でしょうか。
ま、ほとんど人気ないからやってないと思うけど…
なにこれ怖!
見るからに暗く、冷たく、観光どころか人間が入っていい性質のものには見えません。というか、狭くて入れません。
いまこの記事を書くために調べてみたら、稲荷穴について言及されている方を見つけたのですが
ヤダーッ中の想像しただけでコワイ!!!
稲荷穴のすぐ横には水の流れる塩ビ管が。水はすごい綺麗そう。
稲荷穴の背後は、文字通りのけもの道となっています。そういえば、さっき車ですれ違った森林管理の職員さんは絶え間なく熊よけ鈴を鳴らしていました。どこに続くとも知れぬ荒れ果てた道。現地民も通る人はいないのではないでしょうか…
ってウソでしょ!?これ遊歩道なの!?絶対行かない!!!!
地獄遊歩道の脇には、すっかり朽ち果てた古い木製の鳥居の残骸。
ギャーッ!伝奇村!!!
これは…クサソテツ、いわゆるコゴミかな。あちこちに生えてるけど、太古の植物っぽいたたずまいが非常にかっこいい。
安らぎと落ち着かなさの同居した謎の空間、稲荷穴。
夏になればたくさんの人で賑わうのでしょうか。
そういえば、さっき天気予報で岩手の山間部は雪が降るかも、と言っていました。もうゴールデンウィークなのに雪が降るかもなんて、東北はすごいなあ。
少なくとも芋煮シーズンは人がいそうな気がする。
人の気配のまったくない駐車場を後にします。
さらば、稲荷穴。なんだったの一体。
ハデめな木造アーチ橋。公園っぽいものがあったので、トイレ休憩。
「川の駅 重湍渓」だって。
無人駅だね。
森をすすむとほどなく…
目的地、早池峰神社に着きました。
何年もかけ、準備も重ねてようやくやって来た場所ですが…特別な感慨は受けませんでした。時間と天候の都合もあり、長居できなかったこともあるのですが。パワースポット的なものを期待して来たというよりは、座敷童子をめぐる過去の旅や絵の題材を貰った事のお礼をいいに来た、そんな気分をどこかで感じています。
いずれにせよ、下調べしての旅、目的型の旅は、私の旅ではないのでしょう。計画をしっかり立て下調べをしていると、旅に行く前の段階で、未知の体験ではなくなってしまうのですから。
辺りはまだ桜の花がたくさん咲いていて…ちらほら、雨のような雪のようなものが降ってきた気がします。やべえかな。
遠野の町に出れば一息つけると思うけど、完全な観光都市である遠野に泊まったら高く付きそうだなあ。白川郷のときみたいに外人さんがたくさん泊まってる新築の安ホステルがあったらいいんだけど・・・しかし、コロナ流行以来さすがにドミトリースタイルの宿は避けているのです。
あっ道の駅。まだ営業していそうだから寄っていこう。
こういうところにはね、あるものだからね、スタンプが…
ゲェーッ!遠野萌えキャラプロジェクト!!
間伐ブルース!この手のCDは基本買わないのだけど、力強すぎるタイトルに惹かれてつい買ってしまった。「間伐♪間伐♪」というコーラスが味がある…どことなく水曜どうでしょうめいた気分になる休日の午後。
こんな感じ。林業を歌い上げる内容は、正しくブルース。
自分はいけすかない都市のもやしっ子なので、こういう過去の生活や自然を賛美する歌を聞いているとき、心のどこかで「こういった人々の歌い上げる内容が『本当に豊かで幸せな暮らし』と見なされる世界では、僕は力仕事の務まらないデクノボーとしてブルースを歌っているのだろうな」と思っています。
■きょうふのカッパ淵
かっぱっぱ。完全に遠野にやってきた。だいぶ雨が降ってきています。
遠野には以前来たことがあるので、カッパ淵に寄っていくことにしました。
車はカッパ淵の入り口向かいあたりにある、謎の空間に停めておきます。
このせせらぎに沿って歩いていった先。
このあたりは特別許可エリアに設定されており、カッパを釣ったり捕獲したりすることが許可されているのです。ただし、捕獲許可証が必要となりますが。
あったよ!許可証!(道の駅で調達しておいた)
しかしさすがに時間がおそすぎたようで、カッパ釣り用の貸竿には餌となるきゅうりが一つもついていませんでした。もうすでに餌をとられてしまったあとのようです。
けっこう降ってきた。むいむい号に戻ろう。
それにしても、この駐車場と称する謎の空間…
いったいなんなの。
とにかく怖い。
圧倒的に怖い。
ポップな色使いの誘導カッパだけはコミカルっぽさが残ってる…とおもったらね、これね、マスクの後ろに見えてるの、顔じゃなくて、顔面が剥ぎ取られた後なの。それで、頭のお皿っぽく見えるやつね、裏に回ってみたら、剥ぎ取られた顔面の皮を頭巾のように被っているの。後頭部の虚空を見つめるうつろな顔…いつが一番恐ろしかった。気が付かなければよかった
ギャーッ!!!!違う方向に怖い!!!!!!!!
前回来た時は電車だったな…ここは遠野の駅だぜ。
交番までカッパの形をしています。
スタンプ帳を駐車場に忘れてしまったため、観光案内所のスタンプはメモ用紙に押しておいてあとで合流させることにしました。さて、この観光案内所に立ち寄った用事はスタンプのほかにもう一つ…
遠野名物、ジンギスカンがこの時間に食べられる店を確認することです。
以前電車で来た時は食べそびれてしまったのです。なにしろ、歩いてたどり着ける距離ではなさそうだったので…
予約機に電話番号登録しておくと、順番が来た時に電話で教えてくれます。というわけで、車の中で待てるのはラクでいいですね。
マトンうまし かの山
開幕白飯スタート。お酒飲めない旅でも何も問題はないのだ。
■エピローグは唐突に
ここは道の駅 釜石仙人峠。
さて、ここから急に二日目の写真が少なくなります。
予報通り、本当に雪が降りはじめた岩手山中。サマータイヤのむいむい号では、あまり過酷な状況の運転はできません。なんとか日のあるうちに岩手山中を脱出しようと悪戦苦闘…ついに、釜石道を通行中に天気は吹雪といって差し支えないものになってしまったのです。
ホワイトアウトまではいかないものの、かなりの速度で窓を叩く雪また雪。劣悪な視界の中、当然のごとく速度規制がかかる自動車専用道。
そんな道を…あろうことか、地元民は信じられないスピードで飛ばし走り抜けていくのです。この天候も日常なの!?ってか大丈夫!?対面通行の道路だよ!?
今日は…もう疲れたよ…あ、スタンプ!押してこ押してこ
(このあと、ホテルの提携駐車場が満車で車を止められる場所を探し釜石の駅前をぐるぐる巡回する羽目になったのであった)
もう…晩飯を食べにいく気力も時間も…
道中買ったあれこれで今晩はつなぐか…むっ!?
カップ麺を作ってみたいんか、ウサちゃんロボよ!
やれんのか!ウサちゃんロボ!
やりとげた!!ウサちゃんロボ!!