バナナボートは難破船
調理用バナナ。売っていたので、買いました。120円。
今までアメ横とか、ベトナム人やインド人がやってるようなエスニック食材店では扱いがあるのを見てきたんだけど、値段がないのと房が巨大なので手が出なかったのよね。手頃だったので。
…どうしよう。
※そもそも加熱用バナナを使った料理を食べたこともありません
この断面…本当に、バナナなのか?
普通のバナナと感覚が違い、皮が非常に剥きにくい。
剥けなくもないけど、途中途中でボキリと折れる。
割ってみた。あからさまな硬そう感。種が黒っぽいようにも見えるから、未熟なバナナってわけでもなくて、こういうしょくぶつ、なのかな…
結局、包丁で皮を剥くというか削ぎ切りというか、そんな感じに。
青いとこ残ってて食えるのかな?興味本位で端っこを口に入れてみる。
…渋い!慌てて吐き出す。
そういえば、ヤムイモだっけ?火を通さないと毒になる食品ってよくあるよな、じゃがいももそうか…急に怖くなってくる。
なるべく緑のところが残らないよう、皮を削いでいく。
バナナのべたべたとは違う謎の強力なべたつきがある。
例えるならハヤトウリの汁とかのような…シュウ酸なのか何なのか、不健康そうなアクとかアレルゲンになりそうなやつ。
衝動的に軽くアク抜きをしようと思い立ち、酒を入れた水に放り込む。
包丁にじゃがいものデンプンよりも強烈な謎のザラつきが付着。
なんだこれは。
怖い。
バター。
そういえば、プランテーンバナナの調理法として揚げバナナってよく聞く気がするな。なるほど、揚げ調理は山菜と同じ発想なのかも知れない。
苦味をうまく消してくれる感じ…いまのとこ、バナナだか山うどだか分からん。
バターだけではちょっと不安になってきたので太白ごま油を足し前。
弱〜中火で火を入れてみる。
焼きナスか?でも硬いぞ?
いままでで一二を争う調理が不安だらけの素材。
スマホがべとべとで調理法の検索がし辛い。指紋認証が通らない…
そして、ナス以上に一瞬で油分を吸い込んでいく青バナナ。
やばい。
焦げる。
衝動的にラム酒をフライパンに注ぐ。
これは…火が通っているのか?
透明感が出たら火が通っている…というのだが、よくわからない。
シナモンシュガーをサラサラ…と入れる。
キッチンに立ち込める、柔らかなお菓子の香り…
が直後に漢方薬屋の店先の匂いに変容。
やべえ!よけい焦げそう!!
…衝動的に、差し水…
差した水分も一瞬で消えてしまった…モウ限界ダ!火を止める!!
恐る恐る、出来上がったそれを口に運ぶ…
あれ?思ったより優しい味に仕上がってる、ような…?
でも食感は謎です。謎のシャキシャキ感がある。ハスイモとか長芋みたい。
こういうものなのか?
火が通りきっていないのか?
でもまあ、うまいような気も、する…?
怪訝な顔のまま、バナナを口に運ぶ夜。
というわけで。ドミニカ共和国のおやつ、”Plátanos al Caldero”…のようなもの、完成です。
画像検索したら見た目まったく違うじゃねーか!(おわり)
※あとから調べた結果…
・火が通ったら水を入れる、自体は合ってた。
ラム酒は仕上げの直前に入れる。そりゃそうだな。
香り飛んじゃうよな。たぶん。
・調理用バナナは少し待って黄色っぽくなってから使ったほうが甘みが出る
そういうものなのか…