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日帰り太郎 EX6 芝浦 虹の終わる場所


アイルランドには、虹のふもとに金貨をつめた壺を隠す妖精がいると言われています。たくさんの人々が、気まぐれに現れては消える虹を追いかけて旅立ち…ついに帰ってくることはありませんでした。

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それでは、今度は我々が伝説に挑みましょう。

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恐れることはありません。我々には真実を知りたいという探求心と…高度なGPSナビゲーションシステムがあるのです。

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竹芝です。アイルランド人もびっくり。

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とりいそぎ…あ、ちょっと竹芝のターミナル寄っていきましょうか。

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大島等に行きたいときは、この竹芝桟橋がスタート地点です。大島土産の買える売店や軽食コーナーもあります。独特の静かなムードが落ち着くいい場所です…が、今日はここには用はありません。

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高架沿いに道を進んでいくと

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徐々に視界が開けてきます。橋からは東京湾が見張らせて、海辺の気分が盛り上がってきました。

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さらに歩いていくと、そこは日の出桟橋。こちらは東京湾クルーズ船と水上バスの発着ターミナルとなっています。水上バス、楽しいよ。

いまは水上バスも色々大変ですね。でも今日はこちらに用はありません。

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こちらには諸般の事情でポートストアーもあります。港の敷地内ではありますが、乗船客以外も自由に入れるエリア内にありますのでお勧めです。

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きまぐれにしちゃあずいぶんメニューを絞り込むね。

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日の出桟橋を過ぎると、いよいよ繁華街やビジネス街の雰囲気も薄れていき、どこか荒涼とした港の気配が漂ってきます。矢印に従い、海辺のルートへ。

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ここは港区海岸二丁目…港区、港なんですね。当たり前っちゃそうなんだけどさ、実感として。

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退廃的な美しさがある。

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高速高架下にトマソンめいた階段が…下にレール上の構造があるのが見えるでしょうか。これは、東京湾を水が襲ったときのための可動式防潮堤。ここは既に「堤防の外側の世界」、海の領域なのです。もしもの時は階段を越え、高い所へと逃げましょう。

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あ、なんだ、ゆりかもめでここまで来れるんじゃん。芝浦で降りることなかったな。

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天を覆う巨大な橋が突如カーブを描き出したと思うと…

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眼の前に異様な存在感を放つ巨大構造体が出現します。

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はい、そういうわけで、やっていきましょう。

オーバー・ザ・レインボー。歩いてレインボーブリッジを渡ります。

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ここで橋と反対側の景観も鑑賞しておきましょう。たくさんの巨大なカーブを内側から一望できる景観はなかなかの異様な迫力です。

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それにしても、なんだかネオ東京感のある荒んだ空間です。フェンスの中には何か封鎖された施設入り口のようなものも…どうやら、オープン当初は観光スポットとしての運用もあったようなので、その名残りなのでしょう。今も賑わいに満ちた対岸お台場の風景とは対照的です。ちなみにこれから進む先はサイクリストやジョガーにはそれなり程度に知られたルートらしく、ときどきちらほら人影を見かけるのですが…この道、進んでいい場所なの?

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…うん、やってるとは書いてある。けど、この掲示がいまもまだ生きているものなのかもよく判らない。

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というわけでフェンス沿いにしばらく進むと、マンションの駐輪場入り口みたいな場所に到達しました。どうやらここから入れという事みたい。驚いたことに警備の人まで配置されています。テロ対策かしら?

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どうやら、自転車を乗車走行できないようにするための台車の付け外しと監視の業務を行っているようです。目の前にもロードバイクへの取付作業をしているサイクリストがいました。実際、自転車で一気に走りたくなるような道で、なおかつ一度事故が起こればかなり危険な状況になるのが目に浮かぶような場所だったので、この監視も妥当な措置だと思います。

係員の示す方向に従い、進んでいきます。

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ここが…

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入り口、か。

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完成してからかなりの時が経ち、今となっては運営者にも利用者にも半ば忘れられた博物館のような、官営の建物特有のどこか冷たい空気が漂っています。ここからは1キロ前後、あちこち鑑賞しゆったり歩いて30分ほどの行程です。必要そうな人はお手洗いと水分の調達を済ませておきましょう。

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ちなみにこのフロアは、ルート分岐地点にもなっています。自転車を押す人は南ルート固定、こちらはフジテレビやお台場が視界に入るルート。対する北ルートは、先程歩いてきた日の出/竹芝桟橋や都心方面を一望するルートです。今回は北ルートを選択してみましょう。

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なーんか、薄暗いんだよな…幽気があるというか。

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…止まった。

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ここは橋脚番号P22、芝浦アンカレイジです。セーフルームを出て、レインボーロードに降り立ちましょう。

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サイバーパンク空間…!

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レインボーブリッジは上層に高速、下層に一般道とゆりかもめの通過レーンという構成になっており、この下層ルートには実は歩道が併設されていた、というわけです。

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時折ゆりかもめが道路の中央を走り抜けていく姿は独特のムードがあり、非常に楽しいです。都市という巨大な生物の血管を漂う赤血球の気分。

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しかし…いちいちこの通路、開放感があるというか、なんというか…

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こう、橋脚のすきまから高速を走る車が見えたりとかさ…全体的に立体感が強調されるというか…そう!怖い!怖いんだよ!俺高い所だめなんだ!どうしてこんなとこ来ちゃったんだよ!怖いよぉ!

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…こんな表示がエントランスにあったのを思い出しました。手荷物には十分注意してください…橋の上は信号もないため、何かが飛ばされても車道への出入りなどとても出来ない状況と速度です。そして…フェンスがスカスカだからと手をさしのべて無茶な撮影をしようとし、万一スマホ等を取り落した場合は…よくて東京湾にスマホが水没、最悪の場合は落ちた先がまだ道路のあるエリアや通過する船舶を直撃して…本当の大惨事が発生しかねません。いのちだいじに。

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何箇所か、橋脚の上と思しき場所が少し広い展望スペースのようになっている箇所があります。ここはベンチ状の構造もありますので、疲れた人は座って体力回復するといいでしょう。

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…怖いよお!怖いよお!なんで天井開いてるの!なんで立体感がスゲー強調されるような景色が見えるの!なんか揺れてるし!なんか振動音するし!!帰らせて!!帰らせてよお!!!

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スゥー…

お、あのシルエットは…

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ヒミコかエメラルダスか、松本零士デザインの水上バスですね。通常の水上バスと近未来デザインの水上バス両方ありますため、この宇宙船みたいな超カッケー水上バスに乗りたい人は、浅草の昇降場や日の出桟橋で時刻表を確認し、どの便に乗ればいいかを確認しておきましょう。

これらの観光船はこのように屋根部分にも人が乗り込み都市の景観を楽しめるようになっています。絶対に橋からものを落とさないようにしようね。

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それじゃあ、また道路沿いに戻りますか。

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ところどころにすれ違いに使えそうなスペースは一応ありますが、このように基本一本道で信号もないという、ついついスピードを出したくなる条件が揃っています。気をつけましょう。トンネルなみに危険な空間です。

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…なんで「ブ」だけデカいんだ?

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トンネル同様、ところどころに距離表示があります。参考にしましょう。逃げ場がないとわかるだけですが。

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高速船は航跡も迫力がありますね。カモメかウミネコか、海鳥をひきつれていきました。

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中間地点で高さ60m。

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掲示物の鑑賞もしつつ、いよいよ台場アンカレイジへ。

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この空間が…かつては喫茶スペースかなにかに接続していたのでしょうか。

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ここから先はぐっと地面の安定度も上がり、だいぶ水面も近づいてきました。

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かといって油断していると、こういう継ぎ目の空間から下を見てしまいます。俺はなにも見なかった 怖くない 大丈夫 怖くない…アウウ

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おや?分岐点。この先は、ノースルート・サウスルートを再び選択可能。

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せっかくだから、反対側へ…

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プロはすげえなあ。あんな所のはしご、絶対上り下りしたくない。

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メディアでよく見た、あの風景。

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そして地表へ。

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お疲れさまでした。

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超一等地のタワマン住んで、まいばすけっとのメシを食う日々。

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さて、帰りはお台場海浜公園から水上バスで…あれ?工事中??

…オリンピック周辺期間はここの船着き場、完全封鎖中なのか…(水上バスの経営ピンチのもう一つの理由)

もう1km、レインボーブリッジを歩いて、帰る…南ルートを辿って…?

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なんか、一気に疲れたな。ゆりかもめやりんかい線でもいいんだけど、とにかく目の前のバス停からバス乗っちゃおう。もうレインボーブリッジはこりごりだよ…

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あばよ。

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