地獄旅 7-2 台北~高雄 最果てをおしえて
前回のあらすじはこちら。それじゃ、やっていくわね。
デッデッデー デデドゥーン スドババずんずんちゅーちゅー DAY ・2!
二日目の朝がやってきました。さて…台湾に来て、何をしましょう。
この時点ではまだ目的がなかったし、それでもまだ「調べて対応しよう」という意志がなかったため、ここでなにをしていいのか、なにができるのか、途方にくれています。海外まで来て。まだ2日目なのに。
寺院彫刻が高いガチャガチャとかのヴィネットみたい。
ゆるめのタッチの殺先生。西門が渋谷とか原宿とか、若い人の街ってイメージの強い繁華街。そんで、創客はイノベーターとかクリエーターとか、そういう系統の意味の単語みたい。
台北の街はくすんでてゴミゴミしてる所も多く、日本だったらすこし前にあった風景の感じ、レトロ感に近いものを感じる部分も多いです。しかし、同時かそれ以上に、社会自体の若さのエネルギーも高い気がします。街にオタクっぽい絵が多いのも、若い世代が活気があって、そこに向けてその世代のスタイルを取り入れた告知を積極的にしている、そういうことが出来るという土壌があるのかもしれません。流行りの漫画も翻訳待ってないで日本語で読んじゃう人も多いっぽい。
しかし、人がいない公園が落ち着く…都会、疲れるな。
あれ?この配色とデザイン感覚、日本のレジャラン系列?微妙に素朴な単語選びに味がありますね。
コンセントの位置がツメが甘くて吹く。やっちまったな…デザイナー…
知らないゆるキャラ、饅頭家族のマンジュウさん。なんか、台湾のこの手のバントヒット的な線を狙ったイラストレーション、全体に古の2ちゃんねるのアスキーアートとかの空気感をまとっている気がする。
日本的な眼鏡屋のイメージから大きくかけ離れた店構え。非常に面白くて刺激的…なのだが、なんでそこで眼鏡をかけてなくて手に持ってるの!?これまたツメが甘いというか、緩いというか…眼鏡カウガール、すごい「良い」絵になると思うんだけどな…
このへんで、町じゃなくて、自分に疲れてきてたんだ、って気付く。
なんか、「日本的なものを風景に探す」「その前提の上で、日本と違う的なものを風景に探す」ていう、すごく先入観ベースな風景の見方をしてるのに気付いたのです。
「よくわからなさ」が足りない。
台北古城の承恩門。(いま記事を書くために調べました)龍山寺近くのホステルからぐるりと散歩をして、地下鉄の北門車站(台湾ではこう書く)の辺りに辿り着きました。東京都に例えると、国鉄の台北駅が東京駅で地下鉄の北門駅が大手町駅、っていう距離と位置づけの感覚かな。
安全第一はアジア共通語。
ガチャガチャ類はほぼ全て日本からの輸入品のようです。
ここは台北駅周辺をつなぐ地下通路、なにやら出店のようなものが。繁体中文は読むの大変だな…あっ!これは台湾の駅弁、「台鉄弁当」の販売所!?今回、台湾に行こうと思いたった最大の理由がふたつ。ひとつは、「現地の魯肉飯を食べること」。もう一つが、この「台鉄弁当」を食べることだったのです。
話はさかのぼり、東京は錦糸町の駅前で今も営業中の台湾料理店、「劉の店」。ここの入り口で宣伝されていた看板商品こそが、台鉄弁当の再現メニューだったのです。金属の丸い弁当箱に入ったこの定食。「おお!あれが食べられるのか!」と人に思わせる存在感とはどういうものなのか…これが非常に気になったのです。(リンク先で弁当の写真が見れます。体験として面白いしおいしいので食べてみると良いと思うよ)残念ながらこの屋台は閉まっているようです。それに食べる場所が思いつかないんだよな…この国で何がOKで何がNGなのか、まだ判断がついてない。
とりあえず、つなぎで軽食でも食べようか。
えーと…焼肉玉子餅と、紅茶??餅ファーストフード、面白そう。
頼んでから思い出したけど、胡椒餅とか葱油餅とか、この国の餅って要はクレープとパイ生地の中間みたいなアレのことじゃん。うまい!うまいけど…ふつう!いや、この普通さがありがたいんだけどさ…
しかし、駅構内は飲食ダメだけど、駅弁がある、ってことは電車内はOKってことなのか??
旅行時点では、少なくとも地下鉄は交通系電子マネー化されてるんだけど、国鉄に相当する台湾鉄道…通称台鉄(臺鐵)は相互利用化されておらず切符を買わないと乗れません。
台南にも確か観光地があって、新幹線でも行き来できるらしいので、高雄という街まで行きがてらお弁当食べて、そのまま今日中に帰ってくるのも面白そうですね。乗ってみましょうか。
※この時点で予備知識のなさから大きな判断ミスをしています。台湾が「島」というイメージに引きずられて、すごく短時間で一周できる大きさだと思いこんでいました。冷静に考えたら、本当に台湾が淡路島とか佐渡ヶ島くらいのサイズしかなかったら、そもそも『新幹線が必要になる』はずがないのに…(正解は だいたい九州まるごとと同じくらいの大きさだよ)
さて、切符を買うのがまた一苦労。英語だったら話せないが読める、きっぷ買う程度なら用が足りるだろ、と思ってたのに…英語が読めたところで、「高雄」がどう英語で表記されてるかなんて分かるわけもないのです。固有名詞だもの。発音知らなけりゃ、文脈で読めるわけない。おまけにどうやら全席指定席みたいで…日本でだって指定席の切符ふだん買ってなくて戸惑うくらいなのに!
ふう、やっと買えたよ、乗車券。台湾の南北をつなぐ縦貫線・海岸線ルートの列車「莒光号」の切符です。EXP…エクスプレスだから特急列車ですね。C.KはChu-Kuang Express、英語読みの略称のようです。さて、着いたら昼飯は何を食おうか…ん?
着時間…15:49?台北駅での乗車予定時間…9:25だぞ?
ウワーッ!このEXP…いわゆる「急行」、それも千葉の京成線とかであるような「急行とは銘打ってるけど、実質各駅停車と何が違うのかわからん」みたいなタイプの電車かよ!こういう車両の種別、それぞれの鉄道会社がノリで分類してるだけだから、単語が翻訳できても予備知識なしじゃニュアンスが読み取れるわけがないのだ。やっちまった…
台湾の缶ジュースのなかでもひときわヤバそうだったアスパラガスジュース。野菜ジュースなのか?それともアスパラエースとかみたいな滋養強壮飲料なのか?一口飲んで捨てることになる可能性を考慮し買わなかった。たぶん日本で売ってるの見ても今後も買わない気がする。
あ、これで「リプ・トン」て読むのか。ワハハ面白ー。
りんごサイダー。かなり甘いんだけど、これはうまい…パッケージもかわいく、その後日本でも見かけるとニッコリ~ってなってたまに買っちゃうようになった。
電池デザインのエナドリ。BUFF BLUE精神力だってさ。GABA配合。味なーーーーーーんにも覚えてない。
海外だとレシート一枚すら興味深いわね。
肝心の車両の外観の写真、撮り忘れたな。
出発です。台北周辺は地下駅です。
ここから海ルート。
視界が一気に開けた。ハイウェイと水の景色…いまさら解ったんだけど、台湾、九州と同じくらいの大きさがあるのね…もうここまで来たら、しょうがない。腰を据えていきましょう。指定席に根を生やして。空いてる電車でよかったよ。
結論から言うと、この時の「周囲一切日本語通じないアウェイの状況の6時間鉄道旅」がその後の地獄旅の方向性を決定づけることになりました。
台湾でどこに行った何を食べたって思い出よりも、こうやってぼーっとしてなんでもないけどちょっと気になる風景を見て、ゆっくりものを考えてるのがなんとなく面白かったので…これ以後、ムイムイ旅は鉄道旅の色彩を一気に強めることとなりました。
市内で見た極彩色の寺院も、「すすけて古びた建物、南方の水と緑が延々と続く風景のなか、寺社だけは極彩色で彩られていた」という風景を見ると見ないとでは、そこに込められている記憶や思いの見え方が変わってくる気がするのです。
厳密には、風景から受けた印象が事実なのか勘違いなのか、そういう事実関係は周辺情報を調べてみないとわからないけれど…こういう経験を通じて、背景・風景の持つキャラクター性という視点が育った気がして、なんとなく旅行を経験値に昇華できた。言ってしまえば、もとが取れた、この散財は許された。と言っていいのじゃないでしょうか…だめでしょうか。
※「PUI PUI モルカー」は、都市の景観が非常に練り込まれてたのが素晴らしかった。人と乗用生物が共存する世界の広告のありようとかを掘り下げて演出し、それを明確に伝えていたと思う…都市と人間活動への愛を感じる。あの背景美術と方法論を見ていると、モルカーと暮らす地方都市や農村も容易にイメージできる…優れた創作は存在しない街にも旅にいけるのだ。
しかしでっかい風車だらけだね。
海が見えてきた!
全体的に施設が潮風にやられ放題。
あ、この石垣風のディテール、ペンキ絵だ!
素晴らしい事が起こりました。なんとこの電車…駅弁の販売があったのです!ってことは、やっぱり電車内は食べ物食べてもいいんだな…これ以上ない理想的なシチュエーションで台鉄弁当と遭遇です。
ウワーッぬくい!湿気にやられてフニャフニャペニョンペニョンの紙の箱…さっさと食わないと箱が崩壊しそう。60台湾ドルだから、250円くらいかな。
高菜漬け、漬物少々、茶葉蛋、主役であるでっかいスペアリブの排骨!そして…なんだこの右下の?肉かチーズ…?
うまいうまい。骨の周りガジガジしちゃう。そして四角い謎の練り物は…
…なんだこれ。厚揚げ…???
次第に景色が内陸感を増してきました。
なんか電車のつぎめのとこが鳥居みたい。妙なとこで異国を感じた。
植生が南国感。
ここに映ってるオレンジと肌色っぽいやつが、今乗ってる莒光号と同じの。
外国の働く電車も。ちなみにこのへんの写真、時系列があってるのかどうかよくわかりません。だいぶ前の記録なので…
さて、台南の主要都市である高雄が近づくにつれて、ガラガラだった車内が突然現地の人でめっちゃ混み始めました。となりも人が来て、高まる緊張。発音問題再び…
車内アナウンスはあるものの、地名である「高雄」の発音を理解していないので、まったく意味をなしません。ちゃんと通過駅で駅名標を目視し、いまどこの駅にいて、あと何駅で到着かを把握しないと、目的地で降りることができないのです!
そもそも、「降りたい」と隣の人に意志を伝えるだけでも気が重い。言葉通じないんだぞ!?(「スミマセン!」といいつつ身振りでどうにかしてもらいました。「あ、外国語しゃべってんなこいつ。何か言おうとしてるのか?苦労してるな」って関心持ってもらうだけでも相手が聞く体制になってくれる(こともある)ので、日本語でもいいからしゃべるのが大事だと思った。伝えたい事以外のことから相手が情報を得てることがあるので…)さて、ムイムイは無事高雄駅にたどり着くことはできるのか!
って引っ張るほどドラマがないんだな。電車降りただけだもん(ここの駅に台鉄グッズコーナーがあるんだけど、ここで金属製の台鉄弁当箱を買わなかったことだけが心残り…!)
だいぶ長くなったので、高雄についたとこで次回へ続く。
次回は渡し船に乗って奇怪なトマトと戦います。
***特報*** 大人気のムイムイ&モイモイ ウールロイド、にょほ@羊毛卿の魔法のフェルト針でさいきょうパワーアップ!今後の地獄旅には…「ニッコリ~」フェイスのムイムイが登場するぞ!!(近日再誕予定)
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合言葉はHELL!
全国の地獄メイツが描いてくれたムイムイアートを紹介するぜ!
歴戦の旅人感だ!ウワーッカッコイイー!
フレッシュ・ムイムイ!ウワーッカワイイ!!
ウワーッモイモイアート!モイモイ大喜び!かっこいい棒は勇者だけが持つ事を許されており、手に持ったりするとなにかとちょうどいいんだ!英語ではナイススティック!
ウワーッ!ミニチュア・フロッグ!ムイムイコミックは特に理由もなくカエルが大量に出てくるんだ!
君もムイムイのファンアートを描いて庭から石油を噴出させよう!