多様性の国フランスが生み出した共生の音楽
2024.8.25 #123
フランスという国の多様性と共生が生み出した音楽
みっちゃんセレクト
シリル・エイミ 『It's A Good Day』
フランスのジャズシンガーである「シリル・エイミ」は、フランス人の父と、中米ドミニカ人の母、というバックグラウンドを持つシンガーです。幼少期に、フランスの「サモア」という街で育ち、ジプシー・ジャズ音楽の祭典の多大な影響を受けました。
シリル・エイミは囁くようなボーカルでありながら、ドミニカ特有のリズミカルさと、はっきりとした英語での歌唱は、まさに「フランスと中南米の文化の融合」といえるジャズです!
※「ジプシー」=定住せずヨーロッパ各地を転々としながら働き、踊り歌う、というライフスタイルを持つ民族
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ジャンゴ・ラインハルト『I'll See You in My Dreams』
ジプシー・ジャズの巨匠「ジャンゴ・ラインハルト」の曲です。
ベルギー生まれで、父母ともに旅芸人の音楽家&ダンサーという、ジプシーの家庭で育ったことが、ジャンゴの音楽に「ユニークさ」を与えています。
ある日、彼は旅をしてる中で火事を消そうとして大やけどを負ってしまい、左手の薬指と小指に障害が残ってしまいます。もう2度とギター演奏無理と言われたけれど、練習により独自の演奏スタイルを確立し、ハンディキャップを克服しました。
ジプシーであることや、ハンディキャップなど、あらゆるものを乗り越え、融合し、独自の音楽を形成したジャンゴラインハルトは、多くのアーティストに影響を与えました。日本では、ゴンチチなどが有名です。
ミスターセレクト
キザイア・ジョーンズ『Million Miles From Home』
フランスのパリは「音楽の街」と言われていて、路上ミュージシャンが通りや地下鉄のあちらこちらで演奏していて、人々も寛容的に受け入れていて、それがフランスの日常の風景なんです。
1990年代に、アフリカのナイジェリアからギター片手にやってきた1人の若者が、パリの地下鉄で演奏していたところ、レコード会社の目にとまりデビューします。彼はブルースにファンクの要素を取り入れ、故郷のリズム、アフロビートを融合させ、世界的な大ヒットに繋がります。今でこそギターを打楽器のように演奏するスタイルは珍しくないですが、初めて聞いたときは新鮮で衝撃だったのを覚えています!
パーカッシブなギター演奏にも注目してお聴きください!
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ジャスティスvsシミアン『We Are Your Friends』
フランスは「みんなのための結婚法」という法律が成立して、同性婚が保障されるなど、LGBTQの人たちの権利への意識が高い国です。
これには「ダンス・ミュージック」が果たした役割も大きいのかなと思うんです。
パリを中心に、1980年代からレズビアンやゲイの人たちが多く参加するディスコやクラブがいくつか存在していて、LGBTQの人たちの社交場でもあり、シスジェンダー(心と体の性別が一致している)の人たちも多く参加していて「セクシャリティの多様性」に寛容な考え方がフランスには根付いているのかなと思います。
今や一大ジャンルになった「フレンチハウスミュージック」の2006年の世界的大ヒットナンバーです。当時、人種も宗教も性別も超えて、ダンスフロアが一つになっていました。
「私達はあなたの友達だ」というシンプルなメッセージがダンスフロアで胸に刺さりました!
エンディングは
イブラヒム・マーロフ & デ・ラ・ソウル『Quiet Culture』
メッセージ紹介
振り返って
次回の Music Forceの放送は、9/22(日)午前8時から!
何がテーマになるか、皆様お楽しみに〜!
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【聴取方法】
■狛江市内はFM 85.7 MHz
■ネット配信:サイマルラジオ・コマラジ
■スマホ・タブレットからは
アプリ「Redimo(レディモ)」より
関東「コマラジ」を選局
公式Xはこちら
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セットリスト
「It’s a Good Day」 シリル•エイミ
「Million miles from home」 キザイア•ジョーンズ
「I’ll see you in my dreams」ジャンゴ•ラインハルト
「We are your friends 」 ジャスティスvs シミアン
「Quiet culture 」 Ibrahim Maalouf featuring Pos of De La Soul