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「エゴ・サーチ」観劇

「健やかラジオ」パーソナリティでプロデューサーの紀子がお届けするエンタメ日記
私は「エンタテインメントは世界を救う」と本気で信じており、「エンタメの力が人々を元気にする」事を伝える日記です。
「健やかラジオ」のアカウントで続けるのは、根っこは同じだという事。
こちらを読んで、私たちを知り、
「健やかラジオ」にも興味を持ってほしいなぁと思い、
書き綴ることにした。

なにしろ、「書く」のは、noteにしたいのです。


「エゴ・サーチ」 紀伊國屋ホール


この鴻上尚史作品「エゴ・サーチ」は3度目の上演。
12年も前に発表された作品でした。
私は、以前に一回観たことがあるのですが、
その時の印象としては、エゴ・サーチというインターネットの中の世界の怖さより、沖縄の島の世界に気持ちが寄り添い、楽しかったーという印象しかありませんでした。
今回、観終わった直後に思ったこと、
「これ、12年前に描かれていたってことだよね…。
 鴻上さんの頭の中、、、凄い!」
まだ、エゴ・サーチなんて言葉が一般には存在していなかった頃に、エゴ・サーチする世の中や、ネットを信じる人々を想像していたということに今回はただただ、尊敬してしまった。
何が刺さるって、セリフの一つ一つが刺さってくる。
ある人物の名前。彼の履歴は、実際のものとネット上のものとでは、違っている。
誰が何のためにそんなことをしたのか。
その人物はネット上の人物とどう関わっているのか。
そんなサスペンスタッチなストーリーなのに、沖縄の島の話が入ってきたり、
話はあちらこちらに飛んでいく。
テレビじゃない世界。
場面転換って、テレビより舞台の方が難しそうなのに、最近は違う方法論で
そこをどんどんクリアしているところが似ているようで全く違う表現方法だなと改めて思う。

主人公の今江大地さん

今回、娘の友人とともに観劇した。
彼女に声をかけたのは、関西ジャニーズJr.に詳しかったから。
今江くんの名前を言わなくても「エゴ・サーチ」と話しただけで、すぐに「絶対行きたい」と言ってきた。
正直、私は彼をよく知らなかった。
作品の感想を彼女に聞いてみると、
「どんどん引き込まれて面白かった」と、同時に
「これから舞台中心でいくと聞いていた今江くんが、舞台の中で踊っているのを観て、前を向いて踊っているのを観られて嬉しかった。あの笑顔がいいんだよね」と、
ジャニオタらしい感想だった。
私からしてみれば、笑顔の可愛い、純粋そうな青年が、<アイドル>だったことが全く想像つかないけれど、どんな理由にせよ、舞台を観るきっかけになったのは喜ばしい。
「また、来たいな」と、リピートする気満々なのも嬉しかった。

鴻上さんの挨拶

鴻上さんのごあいさつ


鴻上さんの舞台を観にいくと客席には決まってA4一枚の手紙が置いてある。
B5の大学ノートのようなレイアウトの用紙に
「ごあいさつ」と、ごっつい字で手書きされているのは、まさに鴻上さんの手書きメッセージ。
私はこれがとても好きだ。
彼の「言葉」と「思い」が溢れていて、上演前に読み、上演後、ゆっくり再読する。ねえねえ、君はどうなの?という質問が随所に溢れていて、
これを読むために気持ち早く劇場に足を運んでいる。
テーマや想いがわかった上で、半歩先を想像しながら舞台を観ると、集中力が増してくる。
製作者たちの思うツボなのかもしれないが、自分が制作する時でも、やはりそこは、どこまでお客様の半歩先の展開を作れるかに力を注いでいるから。

当たった、違った。予想もしない展開に
なんで思い浮かばなかったんだろう?なんて思いながら、物語の世界にどっぷり浸る2時間強。 

あ〜面白かった。

劇場を出て、外の空気を吸った時に、
私は自分が観る前よりも元気になった気持ちを実感する。
よし、行こう。。。
さらに面白いことを探して、歩き回りたい衝動にかられる。
これがエンタティメントのエネルギー。
非日常を味わって、日常に戻った時、私は自分がさらにエネルギッシュになっていることを自覚する。
やっぱり、エンタメはすごいな。
エゴ・サーチ。
もし、観ていない方がいたら、ぜひ、観て欲しい。
きっと想像を超える世界に連れて行ってくれると思う。


「エゴ・サーチ」
作・演出 鴻上尚史
2022年4月10日(日)〜24日(日)   紀伊國屋ホール(東京)
2022年4月30日(土)〜5月1日(日)  サンケイホールブリーゼ(大阪)

https://egosearch.srptokyo.com/

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