景気後退に強い⁉米国セクター別ETF3選 ~景気後退に強い個別銘柄も調査~
はじめに
依然、米国の景気は底堅く推移しています。しかし、失業率は徐々に上昇してきていることは事実です。今後、景気後退が起こるのか、起こらないかはわかりませんが、歴史を振り返ると景気後退が起こる確率は高いのではないかと考えています。
そのため、今回は景気後退時に強いセクターや個別株が何かを調べてみました。結論は、景気後退期に強いセクターは生活必需品、個別銘柄はウォルマートでした。ハイテク銘柄の比率が高い方は、参考にして下さい。
景気後退に強いセクターはズバリ生活必需品
一般的に景気後退時に強いセクターは、不景気でも需要があまり変わらないと言われる、生活必需品・ヘルスケア・公益事業が挙げられます。もちろん、〇〇ショック時は全ての株が売られます。その中でも下落率が低く、早めに回復するセクターを実際のチャートで確認してみました。
チャートはセクター別ETFで確認しています。今回は、ヴァンガード社のETFを使用しています。
・生活必需品セクターETF (VDC)
・ヘルスケアセクターETF (VHT)
・公益事業セクターETF (VPU)
直近の大きなショックである、コロナショック時とリーマンショック時でチャートを確認してみました。
リーマンショック時
・VDC 約-34% 下落から182日目が底
・VHT 約-36% 下落から210日目が底
・VPU 約-45% 下落から273日目が底
コロナショック時
・VDC 約-23% 下落から34日目が底
・VHT 約-26% 下落から34日目が底
・VPU 約-33% 下落から42日目が底
景気後退に強いセクターとはいえ、どのセクターもそれなりに下落しています。ただ強いて言えば、生活必需品が不景気に一番強そうです。
景気後退に強い米個別企業はウォルマート
景気後退に強いセクターがわかったので、次は景気後退に強い個別企業を調べてみました。生活必需品セクターのETFに組み込まれている企業をみていきます。
①プロクター・アンド・ギャンブル(PG)
コロナショック時:約-20.85% 下落から34日目が底
リーマンショック時:約-38.17% 下落から182日目が底
②コストコホールセール(COST)
コロナショック時:約-14.09% 下落から6日目が底
リーマンショック時:約-47.54% 下落から245日目が底
③ウォルマート(WMT)
コロナショック時:約-11.92% 下落から21日目が底
リーマンショック時:約-25.65% 下落から154日目が底
④コカ・コーラ(KO)
コロナショック時:約-35.94% 下落から27日目が底
リーマンショック時:約-35.51% 下落から294日目が底
⑤ペプシコ(PEP)
コロナショック時:約-28.86% 下落から21日目が底
リーマンショック時:約-36.01% 下落から175日目が底
⑥フィリップ・モリス・インターナショナル(PM)
コロナショック時:約-32.13% 下落から21日目が底
リーマンショック時:約-40.63% 下落から203日目が底
⑦モンデリーズ・インターナショナル(MDLZ)
コロナショック時:約-27.39% 下落から42日目が底
リーマンショック時:約-38.68% 下落から175日目が底
⑧アルトリア・グループ(MO)
コロナショック時:約-35.23% 下落から70日目が底
リーマンショック時:約-39.47% 下落から350日目が底
⑨コルゲート・パルモリーブ(CL)
コロナショック時:約-19.39% 下落から42日目が底
リーマンショック時:約-31.52% 下落から49日目が底
⑩ターゲット(TGT)
コロナショック時:約-21.61% 下落から84日目が底
リーマンショック時:約-55.09% 下落から182日目が底
もちろん個別企業なため、その時の業績やその他の要因も影響しますが、上記のデータを確認すると、それぞれそれなりに株価は下落しますが、中でもウォルマートは下落率が低く、底打ち反転時期も比較的短い事が確認されました。
景気後退期の投資戦略
基本的に景気後退時は、どのような株であれ、売られる傾向があります。そのため、ポートフォリオ内での株の比率を落として、現金や債券で運用し備えることが重要です。
米国では、利下げが開始されました。景気サイクル的には景気後退期に入っていく可能性があります。しかし、このまま景気が底堅く推移出来れば、ソフトランディングを達成という事になります。今後の先行きを予測するのは非常に困難ですが、筆者の想定シナリオは景気後退が訪れることを前提にしています。
よって、筆者は株の保有割合を低くし、いざという時に買えるよう現金やMMFへ資金を移動させています。株を買うなら上記のような、景気後退に強い株を検討しようと考えています。ハイテク株の保有率が高い方は、今回紹介したようなディフェンシブ銘柄の割合を増やすことを検討しても良いかもしれません。一つの投資戦略として参考にしていただければ幸いです。
※積み立て投資中のインデックスは例外です。そのまま積み立てを続けた方が賢明です。
まとめ
以上、景気後退に強いセクター別ETFを紹介しました。景気後退時にも価値を保つ投資対象を見つけることは重要です。また、現金比率、債券比率を高めておくことも有効と考えます。何よりも、景気後退が訪れた時に、こんなはずじゃなかったとリスクをとりすぎないよう、今後の失業率や景況感指数、企業の業績を確認しながら、投資を続けていけたらと思います。次回は、景気後退時の債券ETFの動きを見ていこうと思います。
※投資は自己責任となります。
当ブログで提供するコンテンツは、作成時点までの信頼できると思われる各種情報やデータに基づいて作成されていますが、その正確性、相当性、完全性などに対して情報提供者は責任を負いません。利用者が当該情報などに基づいて被ったとされるいかなる損害についても情報提供者は責任を負いません。