さよなら。
わたしは今日髪を切った。
3年前、彼に言われた
『髪、長い方が可愛いよ』
この言葉があったから伸ばしてきた。
その髪を今日切った。
彼の家に遊びにいくと床に落ちている長い髪の毛。
わたしの髪の毛だったり、違う髪の毛だったりもする。
彼の遊び相手の髪の毛たちだ。
わたしもその遊びのうちの一人
わたしの髪の毛はストレートではない。
ストレートの髪の毛をみて、わたしは思う
こんなに綺麗な髪の毛の持ち主はとても可愛いのだろう、と。
その美しい髪をわたしの髪を撫でるのと同じように
撫でているのだろう。
どんな気持ちなんだろうか?
感触が違うのか
そう思っているうちに髪を撫でてくれる回数も減っていった。
だけど、確かに美しい髪はその家に落ちているわけで。
一番になれるはずもないわたしは
少し疲れてしまった。
部屋を眺めて髪の毛を手に取り、
これが彼にとっては
『美しい髪』であり、
わたしにとっては
『憧れでもあり醜い髪の毛』
さよなら。いままでの私
3年間伸ばした髪を切り、新たな私になって。
彼からの卒業
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