おそらく日本一ためにならない国家公務員採用総合職試験対策

へぇい。

突然ですが、みなさんは、国家公務員採用総合職試験をご存じですか? 以前は国家Ⅰ種と呼ばれており、いわゆるキャリア組、官僚になるための試験です。

わたしはそんな試験に2回受験して2回とも受かる奇妙な経験を持っています。そこで、今回は、そんなわたしの国家公務員採用総合職試験対策をお教えします!


そもそも、国家公務員採用総合職試験とは

人事院が毎年開催している試験のことです。国家公務員というものは、国家公務員の採用候補者名簿に名前が上がっている人の中から選ばなければなりません。そして、採用候補者は、試験により決めることが国家公務員法により決められています。それを決める試験のうち、総合職を決める試験を国家公務員採用総合職試験といいます。国家公務員の職種には一般職や専門職(自衛官・航空管制官など)などいくつかあります。

総合職試験と一口に言っても学歴的な話をすると大卒程度試験と院卒者試験の2種類があります。前者は4年制大学卒の新卒扱いとされる年齢(入省時22歳〜30歳(確か)となる年齢)なら学歴に関係なく受験できます。学歴不問ですから、大卒「程度」と呼ぶのですね。後者は院卒見込みや院卒者でなければ受験資格がありません(身分詐称すればおそらく面接まで受験できますが、在学証明書が必要になるため合格できませんので不正はやめましょう)。昔(国家Ⅰ種と呼ばれていた時代)は学歴区分がありませんでしたが、○種という呼び方から総合職、一般職などに呼び方が変わったときに学歴区分が生じるようになりました。

時期的な話をすると春試験と秋試験があります。春試験が一般的な試験で、ほとんどがこちらです(今回お話する試験対策もこちらです)。秋試験は、一般教養をゴリゴリ聞かれる大卒程度試験と、司法クラスタしか受験できない院卒者試験しかないのであまり受験されませんが、大卒程度の秋試験は翌々年度の卒業見込みで受験できるので、大学3年生で受験できるメリットがあります。就活が本格化する前に採用候補者になれるのは、もう内定を得たも同然です。

受験したきっかけ

これはもう簡単で、大学で受けろと言われたからです。非常に受動的ですね。しかし、非常に難しい試験と聞いていたので、受けろと言われない限りは受けていませんでしたね。受けなければ見えない世界がありました。

高2でセンター試験対策講座を受講した際(高3が対象でしたが、追加料金を必要としない講座だったことと有名講師を呼んでのことだったのでせっかくだから受けなよと言われ受講しました)、先生があれはすごく難しいという話をしていたので雲の上の存在だと思っていましたが、まさか、自らが受験するとは思いませんでしたね、それも2回も。

試験の内容

試験内容を軽く説明します。ちなみに、大卒程度試験と院卒者試験の2種類がありますが、構成が少し違うだけで同じ問題が出ると考えて差し支えありません。詳しくは人事院HPをご覧ください。得点的には、院卒者試験のほうが専門科目が占める割合が大きくなります。

試験は1次試験と2次試験の2段階構成です。1次試験はマーク式、2次試験は記述式や面接等です。2次試験は1次試験の合格者のみが受験できます。

専門試験(1次試験)

専門科目のマーク式試験です。大学で習うことが出てきます。マークだからなんとかなるだろうと思っていると、これが意外と難しくてなんとかなりません。専門試験は1次試験、2次試験ともに大卒程度も院卒も同じ問題が出題されます。

専門科目は、出願時に荒めな解像度(法律、経済、数学、工学、といった形)で選択します。この選択によっては専門試験でたくさんの選択問題が出され、その中からいくつかの問題を選ぶようになっています。

基礎能力試験(1次試験)

こちらは専門試験とは打って変わって高校生までの知識で満点が取れる試験となっています。内容としましては、それらが半分、残り半分はパズルゲームです。

院卒者試験は大卒程度試験の問題から高校生までの知識が問われる問題が減るかなくなるかして(受験していないので覚えていません)、パズルゲームの比重が大きくなります。

専門試験(2次試験)

1次試験同様、大学で習う内容が出てきます。1次試験は難しいのですが、2次試験になると選択する科目数が減ることと問題の難易度も割と下がってくるので(分野にもよるかもしれません)、意外とスラスラ解けます。

政策論文試験(2次試験)(大卒程度のみ)

お題に沿って2時間かけて2,000字弱の小論文をカリカリ書いていきます。大して難しくないです。

政策討議試験(2次試験)(院卒者のみ)

ディスカッションかディベートをするはずです。院卒者となると一人でゴリゴリ研究していてコミュニケーションスキル不足な人が一定数いるはずですので、コミュニケーションスキルを見られているのではないかとわたしは勝手に思っています(憶測)。

人物試験(2次試験)

要は面接です。人物試験は2次試験のうちに含まれますが、筆記試験や政策論文試験とは別日に行われ、受験者により試験日が違ってきます(院卒者の場合を知らないのでそちらを受験する人は各々で調べてください)。人物試験に先立ち、筆記試験と同じ日に性格診断が行われます。マークシートで質問50問ぐらいに対し2択でどんどん選ぶだけです。これ自体は合否に影響しないと思いました確か。

普通の面接と違うのは、試験官の差別や偏見などを防ぐために大学名や出身地などを(間接的に特定できるようなことも含め)明かしてはならないことになっています。人事院からインターネット上で配布される所定の面接シートを事前に記入して用意し、それを3人の試験官が見ながら面接を行います。試験時間は20分ぐらいです。自分の番が終われば帰れますので、拘束時間が人によりまちまちとなります。

2次試験まで合格すると試験は合格です。しかし、これだけでは内定が得られたことにはなりません。これとは別に官庁訪問が必要になります。

試験対策

一応、どの試験にも一発不合格となる基準点が存在します。苦手な試験があるとしても、最低限そこだけはクリアしなければなりませんので、気をつけてください。

基礎能力試験

パズルゲームはともかく、試験範囲が高校までの学習指導要領全体ぐらい広い(それも文系理系関係なく出てくる)ので、高得点(粗点の8割)を目指すならかなりの勉強量が必要になると思います。ちなみに、時事問題も1問出てきますが、間違い選択肢はどれもだいたいこれを正解にすると本物の戦争が起こるだろ、みたいなものもあります(たとえば習近平が独裁政治をしている、みたいな選択肢)し、1問しか出ないのでそこまで勉強する必要ないです。

ちなみに、わたしは基礎能力試験対策したことがありませんので(大学で過去問を少し眺めさせてもらったぐらい)、おすすめの参考書はありません、というか知りません。過去問を眺めさせてもらったときにこれは勉強せず高得点取れると確信したので、勉強しませんでした(多忙でやってる余裕もありませんでした)。

専門試験

これはたくさん勉強しましょう。配点割合が高いですし、大学で勉強したこと、要はみなさんの人生の中で比較的最近勉強した事柄が問われるのですから、勉強しやすいです。わたしは、参考書を数冊買って1次試験までに2周と苦手な問題を少しだけ重点的に対策しました。3週間でなんとかなりました(2年目は2週間)。2次試験直前は本当に時間がなかったので、前日に8時間みっちりダラダラやっただけです。もちろん出来栄えは残念なことになりました。しかし、合格は合格ですから、結果オーライ(席次を気にしなくていいのでこれでいい)。

なお、専門試験は、1次試験も2次試験も大卒程度と院卒者でまったく同じ問題が出されます。

政策論文試験

普段から論理的な文章展開ができれば大丈夫です。基本的に、ほとんどの人が10点満点中6点(粗点の話)ですので、差が付きません。しかし、ここで高得点を取ると換算点で大きな差となるので、対策する価値はあるかもです。政策論文で差をつけろ。

人物試験

八方美人になれば高得点取れるでしょう、知らんけど。面接対策せずとも問題なくパスできるとの話があります(友人が対策せずに乗り込んだらしい)。ということは、人間ならなんとかなります。人物試験も政策論文試験と同様に、ほとんどの人が同じ点数となりますが、ここで高得点を取ると換算点で大きな差となります。対策して高得点取れると嬉しいですが、対策して高得点取れないと損した気分になります。

人物試験で一発不合格となる受験生もいるのですが、twitter(現:X)で様子を見ていると、いずれの人も人間失格の烙印を押されるような印象を持つようでかなり傷ついている様子が見て取れます。人物試験では数年に1人しか一発不合格にならないとの噂を聞いていますが、twitter(現:X)で調べると毎年数人はいると思います(逆に、その数人にならなければ試験的には大丈夫です)。

試験の難易度

もうおわかりだと思います。簡単ですね。多忙な中でも3週間の勉強でなんとかなる試験ですから。わたしが高2のときには雲の上の存在だった試験ですが、実際に受験するとアッサリ受かります。簡単とは言いますが、勉強せずに受かった人は聞いたことないですので(弊学の首席は勉強せず受験したらしく、1次試験で落ちました)、舐めプならいいですがノー勉特攻は非推奨です。

わたし調べによると、倍率は文系のほうが高いですが、合格最低点は理系のほうが高い傾向にあります。各試験で粗点を算出してから偏差値を算出するための式に似たような計算式で換算点を算出するため、偏差値の合計みたいな感じで得点が決まります。

わたしの勉強期間は3週間ですが、今の所、合格者で3週間の勉強は聞いたことがありません。わたしの勉強期間が短くて済んだのは基礎能力試験の勉強が不要だったからです。なぜ基礎能力試験対策が不要だったかというと、幼少期から好き好んでパズルゲームばっかりやっていたからですね。そう、自分が幼少期に好きだったことが結果として試験対策になっていたわけです。その代わり、専門試験は誰よりも苦手としていたので、かなり苦戦しました。大学で勉強したことがここまで身についていないのか、と愕然とした記憶しかありません。わたしはなんのために大学に入ったんだろう? とまで思いましたね。

試験にかかったお金

参考書代が延べ1万円ぐらいです。それと試験会場までの交通費。人によってはここに前泊するための宿泊費がかかってきますが、わたしはたまたまかかりませんでした。

受験料はかかりません。採用試験ですからね。採用するのに受験料かかるなんて、そんなことはあり得ませんからご安心を。

(最後に)いかがだったでしょうか?

試験対策と銘打っておきながら試験対策しませんでしたと言ってすまんかった。ではでは。

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