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ハンググライダーの大会をチェック! 国内の8大会をピックアップ!

「ハンググライダーにも大会ってあるの?」
「ライセンス取り立てでも挑戦可能?」
この記事は、そんなあなたに向けて書いています。

今回は、日本で行われているハンググライダー競技会のご紹介です。

ハンググライダーなど、スカイスポーツの大会の情報って、正直ニュースとかでもやってませんし、あんまり聞かないもの。

大会は大事なステップアップの機会。
大会にむけて練習することで、技術がますますみがかれます。
また、見に行くだけでも、うまい人の飛び方はとっても参考になるんです。

この記事では、初心者でも気軽に参加できる大会から、ベテラン勢が競う有名な大会まで紹介しています。
ライセンスを取った次のステップとして、大会を見に行ったり参加することを考えてみましょう。
あなたのスキルアップにつながりますように。

大会はクロスカントリータイプ、パイロンレースタイプの2つが主流

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ハンググライダー。
山間とかで見かけたことがあるかたも多いのでは。
あの、三角形のたこのようなものを使って飛ぶスポーツです。
似たようなスポーツに“パラグライダー”がありますが、ハンググライダーはたこ、パラグライダーはパラシュート、といったかんじ。
上昇気流をつかまえてふわふわ飛ぶパラグライダー、風をとらえてぐんぐん飛ぶハンググライダー、とイメージしてもらえば大丈夫です。

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なお、パラグライダーのほうの大会については、次回記事「パラグライダーで大会に挑!国内のおすすめ大会をチェック!」をご覧ください。

さて今回はハンググライダー。
国内で主流となっている大会形式は“クロスカントリー”と“パイロンレース”です。
(クロスカントリー”と“パイロンレース”については次章でくわしく説明しますね)

出場資格はどちらもXC証(クロスカントリーライセンス)を持っていること。
ハンググライダー、パラグライダーのライセンスは、A級 → B級 → C級 → P(パイロット)証 → XC証です。
つまり、どちらかというと大会はベテラン向き、というものが多いです。

ただし、学生カップや草レースなど、B級、C級、P証でも参加できる大会はいくつもあります。
そして、スクールが練習しているところはだいたい大会会場としても使われているところです。
なので、草レースで経験を積んで将来は名のある大会へ、と考えているかたは、ぜひスクールに相談してみましょう。

今回ご紹介するのは、草レースではなく、ちょっと大きめの8大会です。
「今はまだ参加できそうにないな…」
というかたは、まずは先輩についていく、またはお手伝いを引き受けるなどして大会を見、選手たちの技術を間近で見て目でぬすんでいきましょう。
そうすれば、次の年にはあなたが選手としてスタート地点に立っている可能性だってあるんです。

どれだけ遠くまで飛べたか!? で勝負! クロスカントリー大会

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クロスカントリー大会は、スタート地点から直線距離で、どれだけ遠くまで飛べたかを競う大会です。
時間のほうは気にせず行われるため、大会自体は丸一日かけて行われるのが特徴です。
日本国内の最長記録は、2005年に出た213km。
なんと6時間にもおよぶロングフライトで、飛び立ったスタート地点は岡山県大佐山、ゴールで着地したのははんと滋賀県の琵琶湖でした。
参考サイト:https://jhf.hangpara.or.jp/kokunaikiroku_jhf/kokunaikiroku_jhf.html

ちなみに世界最長記録は、2012年にアメリカ人の選手が出した764km。
参考サイト:https://www.fai.org/record/16577
飛行時間までは書かれていませんが、別のサイトの考察によると、11時間以上はかかるようです。
参考サイト:https://www.livescience.com/55117-hang-glider-attempts-record-breaking-flight.html

飛んでる間、飲食はどうしていたのか気になるところ。
実はハンググライダーの操縦は自転車ににていて、片手運転くらいなら問題なし。
安定した風の中の飛行なら、数秒くらいなら両手を離しててもまぁ大丈夫なんです。
なので、片手運転で、ポケットからカロリーメイトのようなエナジーバーをとりだしてかじったり、背中にせおったウォーターパックからチューブで水を飲んだりしながら飛びつづけるというわけです。

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引用元:https://www.amazon.co.jp/Platypus-%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%91%E3%82%B9-%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%89%E3%82%A2-%E3%80%90%E6%97%A5%E6%9C%AC%E6%AD%A3%E8%A6%8F%E5%93%81%E3%80%91-25008/dp/B07MDL7SDM/ref=asc_df_B07MDL7SDM/?tag=jpgo-22&linkCode=df0&hvadid=280372941043&hvpos=&hvnetw=g&hvrand=6343068012198830278&hvpone=&hvptwo=&hvqmt=&hvdev=c&hvdvcmdl=&hvlocint=&hvlocphy=1009339&hvtargid=pla-669163516743&psc=1&th=1&psc=1

ただ、さすがにトイレには行けませんので、そこをみこした水分摂取と間食をするといったかんじですね。

ではさっそく国内のクロスカントリー大会を見ていきましょう。

茨城県 どじからす足尾山「飛んでけ~」大会

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(※写真はイメージです)

基本情報
開催期日:毎年4月半ば 2日間 (2020年度はコロナ禍のため中止)
開催場所:茨城県 足尾山フライトエリア
参加費 nasaエリア会員: 6,000円/学生3,000円
ビジター: 10,000円/学生 5,000円
参加資格:XC証ライセンス
大会概要:http://wela.g2.xrea.com/dojikarasu/2020tondeke/2020tondekeIofo.html

「飛んでけ~」は毎年4月に開催されている大会です。
足尾山にあるハンググライダーとパラグライダーのスクールを運営するnasaが主催。
「飛んでけ~」で優勝圏内をめざすには、120km以上をめざしましょう。


徳島県 吉野川クロカンチャレンジ

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引用元:https://khpf.web.fc2.com/mikamoXC/

基本情報
開催期日:毎年5月下旬 2日間(2020年度はコロナ禍のため中止)
開催場所:徳島県東みよし町三三エリア(三加茂エリア)
参加費:5,000円
参加資格:P証ライセンス
大会概要:https://khpf.web.fc2.com/mikamoXC/

吉野川クロカンチャレンジ大会はP証ライセンスから出場可能なうれしい大会です。
場所は徳島県東みよし町にある吉野川。
大会の楽しい様子はこちらのサイトで見ることができますよ。
http://kensakumohri.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-4d5a6c.html

スピード競技! パイロンレース

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パイロンレースは、ゴールまでのタイムを競う競技。
といってもまっすぐ一直線にゴールをめざすんではなく、スタンプラリーのように途中いくつか寄らなきゃいけないポイントをつくり、決められたコースをちゃんと通ってもらって誰が一番速かったかを競うレースとなのです。

ただ、風向きは気まぐれ。
場合によっては、大会の開催中に急に風が強まったり、風向きが変わったりするということもありえます。
風が悪くてもし誰もゴールまでたどりつけなかったなんて場合は、一番ゴールから近いところに着地した人が優勝です。

選手がちゃんと決められたポイントを通過しているかどうかは、GPSが内蔵されているバリオと呼ばれる高度計で確認します。
バリオをつんで飛んでもらい、バリオがドライブレコーダーのように選手のフライトについて記録します。

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引用元:https://www.aerotact.co.jp/products/vario/vario-skybean/skydrop.html

フライト後、バリオの記録をパソコンで計算し、得点をだして順位を決めるといった感じです。
では、大会を5つほどご紹介します。

静岡県 西富士ジャパンクラシック

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引用元:http://blog.livedoor.jp/bev/archives/52450162.html

基本情報
開催期日:毎年1月中旬 3日間
開催場所:静岡県富士宮市猪之頭朝霧高原 西富士友の会エリア
参加費:2万円 
参加資格:XC証ライセンス
大会概要:https://jhf.hangpara.or.jp/hgc/18compe/2020/2020NishifujiJC/2020NishifujiJC.pdf

かなり上級者向けの大会で、2日間にわたりみっちり行います。
会場は東海地方のスカイスポーツのメッカとして知られる、富士山麓(さんろく)の朝霧高原。
1年中安定してフライトできる風向きで有名です。
遠方からの参加者むけに、宿泊施設も手配されているのがありがたいですね。

ただ、ベテラン向けとあってかなりレベルの高いむずかしいコースを設定されます。
大会に参加した経験がすくない人が参加するには、自分が通ってたスクールに推薦状を書いてもらわなければならないなど、ちょっとハードルが高めの大会でもあるのです。

とはいえ参加者には女性も多数。
大会の優勝者のブログがありましたので、興味があるかたはご覧になってください。
http://blog.livedoor.jp/bev/archives/52450162.html

和歌山県 ハンググライデイング紀の川スカイグランプリ

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(※写真はイメージです)

基本情報
開催期日:毎年2月下旬 4日間
開催場所:和歌山県紀の川市 紀の川フライトパーク 参加費:21,000円 (学生 16,000円)
参加資格:XC証 ライセンス
大会概要:https://jhf.hangpara.or.jp/hgc/18compe/2020/2020KinokawaSG/2020KinokawaSG.pdf

ハンググライダーとパラグライダーとで4日間にわたって開かれる大会です。
場所は和歌山県紀の川市。
遠方からの参加者のために、宿泊場所も提供してくれます。
楽しい大会の様子はこちらから。
https://twitter.com/i/events/1095121684518977537

山口県 周防大島スカイカップ 

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(※写真はイメージです)

基本情報
開催期日:毎年5月下旬 2日間 (2020年度はコロナ化禍のため中止)
開催場所:山口県大島郡周防大島町 嵩山フライトエリア、橘ウインドパーク
参加費:5,000円 (学生 3,000円)
参加資格:C級 以上のライセンス
大会概要:http://www.yamaguchi-hangpara.org/wp/wp-content/uploads/2019/06/skycup2019taikaiyoko.pdf

周防大島スカイカップは、山口県と周防大島町が町おこしをかねてバックアップしている大会。
少なくとも、なんと30年以上の歴史がある大会です。
ちなみに、周防大島町、は島なんです。

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参考:Google マップ

島の魅力のアピールと、交流により人口の定住をめざしたイベントでもあるのです。
ハンググライダーのほか、パラグライダーの部もあり、なんとC級ライセンスから参加できるのがうれしいですね。

大会の様子はこちらのサイトでご覧ください。
http://blog.livedoor.jp/bev/archives/52054946.html

岐阜県 池田山カップ

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(※写真はイメージです)

基本情報
開催期日:毎年8月中旬 4日間
開催場所:岐阜県揖斐郡池田町 池田山フライトエリア 
参加費:23,000円 (学生 13,000円)
参加資格:XC証ライセンス
大会概要:https://jhf.hangpara.or.jp/hgc/18compe/2019/2019IkedayamaCup/2019IkedayamaCup.pdf

岐阜県の池田山で開かれるハンググライダーの大会です。
池田山カップは地元企業がたくさん協賛しているおかげで、賞金がすこしごうか。
ただしXC証ライセンス保持者のみが参加できる、ちょっと上級者向けの大会でもあります。
大会の様子はこちらの鳥取大のブログがくわしいですよ。
http://blog.livedoor.jp/flydom/archives/52084371.html
また、一般の部で2位準優勝したかたのブログもありましたので、参考にしてください。
https://takashi427.exblog.jp/23471452/

鳥取県 霊石山フライトフェスティバル

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引用元:https://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1098201380093/index.html

基本情報
開催期日:毎年10月下旬 2日間
開催場所:鳥取県 霊石山フライトエリア  
参加費:10,000円 
参加資格:B級 以上のライセンス
大会概要:http://www.reiseki.site/

中国地方のスカイスポーツのメッカ、鳥取県鳥取市の霊石山で行われる、ハンググライダーとパラグライダーの大会です。
B級から参加できる大会としても有名で、参加者も大学生がいたりと比較的若い顔ぶれなのが特徴です。
ただし、B級とC級ライセンスのかたは、インストラクターなどに引率をたのみましょう。

大会後は鳥取ぽかぽか温泉で、入浴つきのレセプション(飲み会)もあります。
大会の様子は、以下の鳥取市のホームページからもご覧になれますので、ご覧ください。
https://www.city.tottori.lg.jp/www/contents/1098201380093/index.html

ハンググライダーは自然が相手! せっかく行っても飛べないことも

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ハンググライダーやパラグライダーなどのスカイスポーツは、とにかく自然が相手。
大会では、ライバルは他の選手というより、むしろ風です。
風の強さや風向きは、一日中ずっと変わらない、ということはむしろめずらしく、日が高くなるにつれて徐々に変わっていってしまうことがよくあります。
風は気まぐれなため、スタートする順番によって、好成績が出たりでなかったり、ということもあるのです。

なので、自分の番がきたときにあまりに風の状態がひどい、たとえば風が弱すぎて大した記録が出せなかった、という場合は、翌日などに振り替えられるようになっています。
大会日程が2~4日にわたって設定されているのはこのためです。

とはいえ、大会の全日程がオールダメで結局1回も飛べずに終わるということも実はよくあります。
それでも、大会の日の夜はウェルカムパーティーやレセプションという名のパーティが。
スカイスポーツの人口はそもそもが少ないので、自分とおなじスクールの出身者と再会できたり、いくつもの大会に出ているうちにすっかり顔なじみになった選手たちと積もる話でもりあがったり。
また、多くの大会会場は温泉地や観光地でもあるので、せっかくですし、ゆっくり温泉につかったりおいしいものを食べたりして帰るといいですよ。

まとめ

今回は、まだまだマイナーなスカイスポーツのうち、ハンググライダーに焦点を当ててどんな大会があるのかの紹介をしました。
●大会はクロスカントリータイプ、パイロンレースタイプの2つが主流
距離を競うのがクロスカントリー、速さを競うのがパイロンレースです。
●どれだけ遠くまで飛べたか!? で勝負! クロスカントリー大会
日本で行われている有名な2大会をご紹介しました。
・茨城県 どじからす足尾山「飛んでけ~」大会
・徳島県 吉野川クロカンチャレンジ

●スピード競技! パイロンレース
日本で行われている有名な5大会をご紹介しました。
・静岡県 西富士ジャパンクラシック
・和歌山県 ハンググライデイング紀の川スカイグランプリ
・山口県 周防大島スカイカップ 
・鳥取県 霊石山フライトフェスティバル
・岐阜県 池田山カップ

●ハンググライダーは自然が相手! せっかく行っても飛べないことも
ほかのスポーツとちがい、かなり天候に左右されるスポーツです。
行っても、風の状況によっては大した成績を上げられなかったり、そもそも中止になることも。
そんなときは大会にはつきもののパーティや、大会会場ちかくの観光地で疲れをいやしましょう。

大会でワクワクするのももちろんなんですが、当日の会場は空いっぱいにカラフルなハンググライダーが何機も舞っていて、とってもフォトジェニックです。
参加するだけでなく、ほかの選手の飛行技術を見学することは、きっとあなたのスキルアップにつながりますよ。

ここまで読んでくださりありがとうございました。
では、また、いつか。

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