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夢は「働くすべての人がビジョンドリブンで生きる社会」を実現すること。株式会社Uniboost CEO 岡本希実の「Suki」に迫る。
おとなのSuki100 #3 のゲストは岡本希実さんです!
「おとなのSuki100」は、好きなことを仕事にして生きる大人たちを紹介するコンテンツです。彼らの情熱や挑戦のストーリーを通じて、若者に多様なキャリアの可能性を届けます。
お仕事は何ですか?
株式会社UniboostのCEOとして、ビジョン採用プラットフォーム「UniUni」・組織/採用コンサル事業・ラジオメディア事業を展開する人材スタートアップを経営しています。
お仕事について具体的に教えてください
現在、基本的に全ての事業部を統括する責任者として業務を行っています。例えば弊社で開発しているビジョンプラットフォーム”UniUni”では、要件定義から設計書の作成やデザインの確認、プロジェクトの企画から実行までゼロイチの具現化を行っています。UniUniでは、求職者のキャリアビジョンで成長企業にすぐ採用される「ビジョン採用」のコンセプトを確立しており、売り手市場に伴う求職者視点の採用を設計しています。
一方、採用する側の企業視点で言えば、2030年の採用市場に向けて「選ばれる企業」になる必要が出てくる訳ですが、その前段として組織の団結力向上や事業の方向性の確立、採用戦略の策定で課題を抱えていることがあり、その原点にMVVの未確立が要因として潜在しているケースも多いため、組織設計コンサルティングとしてその支援にも携わっています。
さらに最近では、東京FMのミュージックバードにて若手向けのキャリア形成ラジオ番組もスタートしました。この番組では、さまざまな経営者をゲストに招き、これまでのビジョン変遷やキャリアの選び方について語っていただいています。この内容をラジオだけでなく、収録した動画をSNSに配信することで、クロスメディア展開も進めています。こうした活動を通じて、ビジョンプラットフォームを軸とした複数の事業を展開している状況です。
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今のお仕事をしている理由を教えてください
私は、既存の採用市場に対して強い課題意識を持っています。日本では労働人口が減少し、転職が当たり前となった「売り手市場」の状況が進んでいます。また、求職者の価値観も大きく変化し、新卒での就職においても「企業にビジョンがあるか」を重視する割合が増えています。実際、新卒求職者の8割が企業のビジョンを重視していると言われています。一方で、早期離職者の4割が仕事と、自身のビジョンとのミスマッチによるものだというデータもあり、採用市場には根本的な課題があると感じています。
こうした背景には、企業も求職者もお互いにビジョンを明確にできていないという問題があると考えています。これが日本経済の低迷にもつながっており、一人ひとりが納得できる働き方を選べていない状況にあります。その結果、一人あたりの生産性やGDPが上がらないという問題も生じています。
私は、こうした課題を解決するためには、企業と求職者が「共にビジョンを語り合い、共創する関係性」を築くことが必要だと考えています。共創とは、互いに力を合わせて新しい価値を生み出すことを意味します。採用市場において最も必要なのは、ビジョンを軸にした採用です。その信念から、「ビジョンプラットフォーム」というサービスを展開しています。このプラットフォームは、2003年に採用市場の変化を予測した上で構想を始め、今のサービスとして形にしました。
今最も情熱を注いで取り組んでいることは何ですか
ビジョン採用プラットフォーム“UniUni”のPMF達成に尽きますね。ここで言うPMFというのは、プロダクトマーケットフィット(Product Market Fit)というもので、現在作っているプロダクトが市場にマッチしているかどうかを示す指標です。具体的には、ユーザー数の変動やスカウトの返信率、採用率といったさまざまな数値を確認しながら進めていきます。
会社は現在2期目ですが、2期目が終了する2025年8月までにプロダクトマーケットフィットを達成することが弊社において最大の目標になっています。その目標に向けて、日々プロダクトの改良を重ねています。どうすればもっと良いプロダクトにできるかをチームで議論し、早く皆さんに良いものを届けたいと考えています。
ちなみに、私たちが運営する“UniUni”については、正式リリースを2025年1月に予定しています。現在は無料でキャリア相談を実施しているので、「キャリアビジョンを言語化したい!」「納得できるキャリア選択がしたい」という方は以下の公式LINEから是非キャリア相談を申し込んでみてください!
今のおしごとにたどりつくまでの遍歴を教えてください
こちらに関しては、学生時代に遡ります。ちょうど就職活動が終わったタイミングで、残りの学生時代は過去の後悔を払拭するアクションに全振りしようと決め、全学生生活を振り返りました。その中で、大学受験時代の進路選択を曖昧な理由で決めてしまったことが後悔として残りました。その時期はコロナ渦真っ盛りで今の高校生はより進路選択に悩んでいるだろうという課題意識もあり、高校生向けにキャリア選択を踏まえた進路選択をサポートする学生団体を立ち上げました。
その活動を通じて、人材や教育といった領域に関心を持つようになりました。学生団体の時代には、高校生と大学生をつなげるイベントを主催していましたが、単発の機会提供だけでは価値が十分に伝わらないのではないか、と悩むようになりました。その悩みを深掘りした結果、自分はただきっかけを与えるだけでなく、他者のキャリア選択やその変化に寄り添い、伴走したいという想いが強いことに気づきました。
それを実現するためには何をすべきかを考えた結果、キャリア選択を支援できるプラットフォーマーになること、つまり採用サービスを作ることが答えだと感じました。その構想を約1年半かけて練り上げ、会社を立ち上げるに至りました。それが今に至る経緯です。
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お仕事をするうえで大切にしていることは何ですか
すごく明確にあります。それは、まさにMission(使命)、Vision(ビジョン)、Value(価値観)です。これらをいかに体現し、組織全体に浸透させていくかです。
もちろん、採用市場でのポジショニングや社会的なインパクトを残すといった目標も重要です。ただ、日常的に意識していることは、Mission・Vision・Valueをどのように体現するか、という点に尽きます。
現在、会社では掲げたMissionやVisionを実現するために人材を採用しています。その際、候補者のビジョンが弊社のビジョン実現にどのように寄与するのかを確認しています。これによって、組織の団結力を高めています。
さらに、Valueをもとに行動指針や評価制度を策定し、全員がそれに基づいた行動を取るよう努めています。私自身もその価値観を意識しながら行動し、組織全体にもその意識を浸透させています。
株式会社UniboostのMission・Vision・Valueを教えてください
Mission:働くすべての人がビジョンドリブンな社会へ。
Vision:無数の変化、1つの未来。
Value:挑め、拘れ、拓け。
です。
ちなみにValueを英語にするとChallenge、Commitmennt、Createで全部Cから始まるので「3C」と呼んでいます。弊社ではNotionで日常業務を管理していますが、トップページにMVVを掲げており、常にMission(使命)、Vision(ビジョン)、Value(価値観)を意識した行動ができるよう設計しています。
Mission・Vision・Valueはどのように決めましたか?
弊社では、ミッション・ビジョン・バリュー(Mission、 Vision、 Value)を外部のファシリテーターを招いて進めました。
なぜなら、自社だけで言語化を進めると、どうしてもバイアスがかかりがちだからです。例えば、一般的な読み手にとって分かりやすい表現になっているか、競合他社のミッション・ビジョン・バリューと比較した際に自社のビジョンがどう映るか、といった観点での客観的な評価が難しくなります。そのため、外部からフラットな視点を持つコピーライターのような専門家を招き、意見をもらいながら進めました。
このように中立的な視点を取り入れることで、内容をより明確にさせることができたと思います。最終的には、ワークショップ形式で3〜4回のセッションを重ね、ミッション・ビジョン・バリューを策定しました。
今後の目標を教えてください
本当にこの2期目は勝負の年だと思っています。現在取り組んでいる採用サービスがプロダクトマーケットフィット(PMF)を達成することが直近の目標であり、最大のKPI(重要業績評価指標)となっています。その先については、2023年以降、採用市場においてビジョン採用という概念を当たり前のものにすることが私たちの目標です。
私たちのミッションは、「働くすべての人がビジョンドリブンで生きる社会」を実現することです。それを一定の社会規模で浸透させ、確立することが今後の大きな目標です。そのためには、より大きなマーケットシェアを獲得し、ビジョン採用を広く認知される仕組みにする必要があると考えています。これが、現在私たちが目指している道です。2期目頑張ります!
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若者に伝えたいことを教えてください
自分を変えたい、やりたいことを見つけたいと思うなら、まず環境を変えることが必要です。
私は、やりたいことが見つからない状況について、自責であるべきだと考えています。例えば、「彼氏・彼女が欲しいけど出会いがない」と言う人がいますが、それは自分がそういう環境に足を踏み入れていないから/何かしらのアクションを起こしてないからではないかな〜と。やりたいことは、天から宝物のように突然降ってくるものではありません。自分で環境に飛び込むしかないのです。
過去の登壇や講演などの場でも話してきましたが、自分を変えたい、やりたいことを見つけたいと思うなら、まず環境を変えることが必要です。やりたいことが見つからない環境にずっと居続ければ、それはなかなか見つかりません。変化するのは確かに難しいですが、まずは一歩目のアクションを起こしてみることが大切です。
その一歩目は、ハードルを高くしすぎず、いろいろな環境に飛び込んでみることです。そして、その中で感じた違和感やワクワク感を大切にし、それを軸に自分の興味を深めていけば、自然とやりたいことにたどり着けるはずです。
日本人は挑戦を恐れすぎる傾向があると思います。他人に合わせる文化や、挑戦に対する漠然とした不安を乗り越えることが、キャリアや未来を大きく変える鍵です。この文章を読んでいる皆さんには、変わりたいという思いがあるはずです。だからこそ、まずはアクションを起こしてみてください。
皆さんが変化していくことを楽しみにしています。もし何か相談や報告があれば、ぜひ連絡してください。そうした声を聞けることが、このインタビューを通じて最も嬉しい瞬間です。皆さんの挑戦を心から応援しています。
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ーAbout 岡本希実(おかもと のぞみ)
早稲田大学基幹理工学部2022年卒。受験・就活期での情報量の差を痛感し、よりリアルタイムな大学情報を学生に届けるべく学生団体を始動。その後サービス構想をプレゼンする「ROCKET PITCH NIGHT AUTUMN 2021」にて部門優勝。大規模プロジェクトにおけるプロジェクトの動きや組織マネジメントをリアルに学ぶことを目的に2022年8月よりアクセンチュア株式会社と兼業を始める。2023年9月、若者がキャリアにおいて自由に探求・挑戦・成長できる機会を提供する合同会社Uniboostを設立。2024年3月、若手活躍人材と企業を“ビジョン”で繋ぐ採用プラットフォーム「UniUni」のβ版をリリースし、同年8月に業界初の「求職者による逆求人投稿機能」を開発し正式版をリリース。β版から3ヶ月100社の導入スピードで事業を拡大させている。個人でも過去1000人のキャリアに向き合う。
岡本希実のSNS:
株式会社Uniboost:
取材・撮影・記事作成
ーSuki100代表有賀心咲
「大人のSuki100 」3人目のゲストは岡本希実さんです!私は、のぞみさんとは高校1年生と時に出会い、のぞみさんが代表を務める学生団体で3年間高校統括として共に活動してきました!なのよりも信じたものに向かって突き進む力に長けているずっと大尊敬で大好きな先輩です!たくさんの人にこの記事が届きますように~!