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空をながめる

小さな頃、いつも下を向いて歩いていました。

「歩道の縁石の線を踏まないようにしよう!!」

下を向いて、ぎこちなく歩きながら、自分との

小さな約束事を守っていました。

ちょうど今頃の時期には道端に咲くアカツメクサを

探して、学校からその蜜を吸いながら帰っていました。

下を向いて歩いているといろんな発見がありました。


「重いアタマとココロ」

大きくなるにつれて、たくさんの悩みを抱えるように

なりました。

どんどんと下を見る機会が増えていきました。

ただ、小さな頃と明らかに違うことがありました。

それは下を見てもワクワクするような新しい発見を

できないことでした。


重くなった頭をなんとか持ち上げようとしました。

でも、なかなかその頭は持ち上がらず、前を見ることさえ

できない自分に知人たちは言います。

「ほら!しっかり」

「いつまでもクヨクヨしないで前を向いて!」

そうか…「下」ではなく、「前」や「上」を向くことが

いいことなんだ、と知りました。


「自分らしさの否定から肯定へ」

一生懸命、一生懸命、前を見ようとしてもできない自分。

「こんな自分はダメなんだ」

と、徐々に思うようになっていきました。

そんな時に心の氷を溶かしたのは

「いいんだよ。それで」

という、ヨガの恩師の言葉でした。

心が解放されました。

その時から「下」を向くことが悪いことでは

なくなりました。

小さな頃とは違いワクワクはないけれど、立ち止まって、

しゃがんで、丸くなって前に進めない自分の感情と

向き合う時間。

時々、そばに一緒にしゃがんで待ってくれている人が

いることにも気づきました。


「空の景色」

そして、いつからか「下」ではなく、「空」を見上げることが

多くなりました。

自分は立ち止まったままなのに、空の景色は変わります。

雲は流れ、常に動き続けています。

「自分は立ち止まったままかもしれないけど、

実は動いているんだ」

そんなことを思えるから空を見上げるのが好きです。


時々、ある時間・どこかの場所で立ち止まって

しまっている子がいます。

その子のそばにいたいと思っています。


いつか爽やかな気持ちで一緒に空をながめよう。

そんな気持ちとともに・・・


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