「数分間のエールを」という映画
今この記事を読んでいるそこのあなた!きっと数分間のエールをという映画が気になって仕方がないでしょう!じゃなきゃこんなの読まないでしょうし。
この記事では「まだ数エールを見ていないよ!」という方向けの所謂布教のためのものになります。なかなか映画というものは一歩を踏み出すのに戸惑ってしまいますからね……言ってしまえば、レンタルにしろ映画館にしろ映画にはそれなりにお金がかかります。数エールは短い方とはいえ、時間も一時間くらい。普通に考えてずっとその映像作品に拘束されるわけですから、あまり手軽にというわけにもいきません。
ですから、私はここで皆様の背中を突き飛ばしたいと思います。特に創作者の方々を。ここでいう創作者は何もたっくさん見てくれる人がいる方や、長い間ずっと続けているという方だけではありません。一度筆を折った方、少ししかやっていないよという方。そして、これから始めようと考えている方。そのすべてが私は創作者だという風に考えていますし、そのような創作者の皆様はきっとこの映画を気に入ると思います。
自ら創り出したものを評価され、他人に受け取られる。そしてそれをいつしか自分自身で乗り越えていく。その繰り返しをするんだと決めた皆様は、この映画を見て何を思うのか。ぜひともその感想を聞いてみたいものです。
映画の概要
まずこの数エールという映画は何なのか。そこからお話しましょう。端的に言ってしまえば完全オリジナルのアニメ映画になります。……って、そんなことは多分皆様とうの昔にご存知かと思います。それか、そういうのを聞きたいわけじゃないんだよなと画面の前で考えていると思うのでもう少し詳しく。
高校生でMVを創っている朝屋彼方。彼が主人公として展開され、他のキャラクターは同級生で絵を描いている外崎大輔。バンド活動をしている中川萌美。そして、英語教師の織重夕が登場します。彼らの共通点は"創作者"であるという点です。さて、皆様疑問に思った事でしょう。いや待ちなさいと。英語教師が創作者……?そう、何を隠そう織重夕は筆を折った創作者なのです。
ストーリーは雨の日に路上ライブをしていた織重夕を、次の日学校で見つけた朝屋彼方がMVを創らせて欲しいと頼み込むところから始まります。いやまぁ、厳密にいえばもう少し前に色々あるんですけれど……これは見てからのお楽しみです。あくまで概要ですから。
短い映画ですのでストーリーについてあんまり語ってしまうとネタバレになってしまいますから、ここらへんで。あとはそうですね……概要、というわけですからこの映画の簡単な紹介といきましょうか。
この映画はまず、タイトルにある通りエールです。すべての創作者に向けての。何かを生み出すという苦しみを味わい、苦悩し、楽しんでいる創作者の背中を押したり蹴飛ばしたりするのがこの映画です。それは数分間のMVなのかもしれない。はたまた楽曲かもしれない。演奏であったり、イラストであったり。漫画や小説、そして詩なのかもしれない。どういう形であれ、何かを創るというのは途方もない道を歩み続けることです。そんな時にこの映画はきっとあなたが進むための力となり、もう逃げだすことのできない呪いともなるかもしれません。それはきっと、あなたの受け取り方次第でしょう。
エールとは祝福で、そして呪いです。それが一時間かけて丁寧に描かれています。ぜひ、ご覧になってください。
この映画をおすすめしたい理由
私が一番語りたいものです。はい。なんでこの映画をおすすめしたいのか。それはまずもって創作者の皆様のエールとなるから、ということになります。何かを生み出し続けるというのは並大抵の事ではありません。文章であってもイラストであっても、漫画でも音楽でも。何かを創るというのは自分の中で様々なものに名前をつけたり色を付けたり、色んな手段で形にしていくというものだと私は考えています。それを発信して、そのうえで色んな事を経験すると思います。評価されたりされなかったり。納得が行かなかったり、時には他人と比べて落ち込むこともあるかもしれません。それは創作をするうえで避けられないものなのです。
この映画はそういった創作のいわば暗い部分を見てきたであろう創作者に色んなメッセージを伝えるものだと思います。なのでおすすめしたいのです。
そして、もう一つの理由が私と同じ苦しみを味わって欲しいと思っているからです。この映画は決してただのエールではありません。概要で言ったようにエールとは呪いです。数エールという呪いは未だに私の中に残り続けていますし、これからそれは変わることはないと思います。ずうっと私を呪い続け、創作に対して向き合わせてくるはずです。
なので、皆様にもそうなって欲しいんです。この映画のエールという呪いを受け取って、改めて創作に向き合って欲しい。それが、二つ目の理由です。
おわりに
数分間のエールを、という映画を簡単にではありますが語らせていただきました。見ていない方向けですのでネタバレも何もできずむず痒かったですので、皆様が見終わったらぜひとも声をかけてください。駆け付けます。一緒に語り合いましょう。
数分間のエールをという、創作者に向けた呪いについて。では、皆様がエールを受け取ってくれるのを心待ちにしています。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。また会いましょう。