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マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ! 感想 サブクエもなかなか粒揃い

『マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!』クリアしました。最後の感想になる今回は、サブクエ、カケラ島、小ネタなどについて書こうと思います。

サブクエって個人的にはゲームのプレイ時間を無駄に増やす要素のように感じていてあまり好きではないんですけど、ブラザーシップのサブクエはなかなか面白いモノが多かったですね。
 

「ストーリー面・演出面の難点」「バトル・RPG部分」「グラフィック・UI・BGM・キャラクターなど全般」についての感想は前回までの記事で書いたので、よろしければそちらもどうぞ。

 
マリオ&ルイージRPGシリーズの過去作は『マリオ&ルイージRPG3!!!』(2009/DS)のみプレイ済です。

また、関連作として『スーパーペーパーマリオ』(2007/Wii)、『ペーパーマリオRPG (Switch版)』(2024/Switch)もプレイ済です。
 

今回もネタバレ全開の感想になるので、未クリアの場合はご注意ください。批判ばかりというわけじゃないですが今回も例によって賛否両論の感想になります。

また、今回も10000字あまりの長めの記事になります。お時間のある時にどうぞ。


サブクエについて

ゲーム内での正式名称は「サブエピソード」。公式でしっかりサブと言ってしまうのがシステマチックでちょっと面白い。
 

サブクエは全56個。おそらく基本的には1個10分程度でクリアできるように設計されていると思うので、すべてコンプリートするとなると10時間くらいはかかるんでしょうか。

ボス討伐クエストは他と比べてべらぼうに時間かかったりするモノも存在しますが。

自分はサブクエをほぼコンプリートした上で約50時間でゲームクリアしたので、となるとブラザーシップをやってた時間の5分の1はサブクエをやってた事になるのかも。そう考えると結構比重の大きい要素です。

最初は億劫に感じていたサブクエだけど、やってみると意外にシナリオの面白いサブクエも多かったので、特に面白いと思ったモノについて書いていきます。
 

「ブツの運び屋」

サブクエ「ブツの運び屋」は、依頼主非公開・品物不明の「ブツ」を目的地まで運搬するという内容。今大流行の闇バイト。

ブツの内容はウルーサの等身大の彫刻で、要はおばちゃんがモデルの熟女エロフィギュアを運搬させられていたというオチ。

胸を強調してる造形もポーズもおかしいンだわ!

下ネタなんだけど、それに留まらないドン引き斜め上のノリがペーパーマリオにありそうな要素にも似てて面白い。思えばブツ運搬系のサブクエは『ペーパーマリオRPG』にもあったし、ささやかなオマージュネタなのかも。
 

「甘くてゴージャスなケーキ」

サブクエ「甘くてゴージャスなケーキ」は、サビレッタ島にいる姉弟の要望に応えてゼニアレバー島の高級ケーキを届けるが、泣きじゃくっていた幼い弟くんがケーキを口にするや否や突如グルメレポーターみたいになり、怒涛のコメントを披露してくれるというモノ。

「倒置法使い」か、お前も…

このギャグオチはシンプルだけど意外で面白かった。しかもこのサブクエをこなしておくと、ボッチアーニ復活後の船島にこの時の姉弟2人が駆けつけてくれるという小ネタもあり。

サブクエをこなしていた事へのサービスが嬉しい。

そりゃあ忘れないもんな。印象の権化を。
 

「漂流島からの手紙」

これはたしか、船島で釣りをしているとシナリオ開始のキーとなる小瓶が釣れるという導入のクエスト。これで該当のカケラ島に行けるようになる流れ。

「孤独」は「自由」という言い換えもできる

シナリオ内容は、無人島に流れ着いていた依頼主の弟だけど、現地ではなんやかんや無人島生活を楽しんでいたというモノ。

中盤以降に解禁されるクエストだったけど、メインストーリーのテーマに反して珍しく「孤独」をソフトに肯定する内容だったのが印象に残りました。
 

「釣れたのはコイ?」

サブクエ「釣れたのはコイ?」も、船島で釣り上げた小瓶から始まるクエスト。

キニオン海域のストーリーでツイス島とカンダーン島が再び漂流島になった時に離ればなれになってしまった2人の男女を探し出し、再会させてあげるというシナリオ。

しかしこのカップルの男のほうは、まさかの住所不定無職のなんちゃってダンサー。しかもカップルの女の子のほうは、そんな彼氏を無職でもいいから自分の稼ぎで養いたいというアイス売りの健気な少女。

ヒモカップルが……爆誕しちゃってるんですが……。あと女の子のほうはビジュアルデザインがミントアイスっぽくて可愛い。まあ、本人たちが幸せそうなら、横からどうこう言うコトはないよな……。

というちょっとブラックなネタでした。こういうちょっと正道から外れた内容をサブクエにネジ込んでくるのがまさに外伝マリオっぽいノリで好感触。

しかもこのクエストにも続きがあって、ボッチアーニ復活後に2人の元を訪れてみると、ボッチアーニフラワーに快楽物質を頭へ注入されながらも「彼女を養う事ができて嬉しい」と呟いているヒモ男の姿が。

お前……一応働く気はあったのか……!
 

「クッパのおみまいに」

クラゲ島の後、船島にギミルダエンジンを取り付けるためドグマグマ島のクッパ城を再度訪問した時に発生するサブクエ。

『RPG3』のストーリーでクッパと仲良くなったイエロースターと一緒に、ゾケット要塞での戦いで負傷したクッパをお見舞いに行くという内容。

唐突に発生した、完全にRPG3の既プレイヤーを狙い撃ちにした内容で不意を突かれました。RPG3未プレイだと意味がわからないかもしれないけど、イエロースターことチッピーとクッパのやり取りが、完全にRPG3の時のソレ。もしやシナリオライターも同じ?

お見舞いの品の「ピリカラチキン」はRPG3の時のクッパの回復アイテムだし(チキンの存在には今作のストーリー内でも言及していた)、クッパが立ち去る時の足音の効果音もRPG3でクッパを操作していた時のモノを思い出します。

『マリオ&ルイージRPG3!!!』(2009/DS)より

そして何より、大魔王クッパに対してめちゃくちゃ強気な姿勢のイエロースター。

ぶっちゃけ今作はイエロースターがキャラとして続投している割には、以前のような存在感やセリフのキレがまるで無かったけど、このサブクエの間は往年のキャラ性を取り戻していたように思います。それだけでちょっと感動した。

開発元のアルファドリームが倒産してシリーズ自体消滅していたと思ってたのに、こういう過去作の内容を想起させる手の込んだファンサービスは非常にありがたいですね。

過去作の設定が今も生きていて、シリーズの看板だけでなくキャラの記憶もちゃんと繋がっている、と確認できた事自体も嬉しかった。
 

これだけでも買って良かった……とまでは言えないけど、15年越しのとても温かみのあるプレゼントでした。

お前はクッパの彼女かっっっ!!!

なお、このサブクエの報酬の「クッパスパイク」も非常に強力なグラブ装備で、なんやかんやでゲームクリアまで愛用していた。自分とRPG3のキズナのチカラ。
 

という感じでした。前の記事で書いた通り、メインストーリーの内容や思想については非常に不満なんですが、サブクエのシナリオではそういう事をひと時でも忘れて楽しむ事が出来ました。

ぶっちゃけ今作はメインストーリーよりサブクエのほうが面白いと思ってます。

あと、前の記事で触れてますがボス討伐系のサブクエも面白かったです。「モンスターマニア」系と「ゼツエン大灯台島ボス」系。どれもアイデアが凝らされたボス戦でバトルとして楽しかった。
 

サブクエの時限化はクソ

ただ、サブクエがストーリー進行に伴って消滅していくという時限システムの存在は本当にクソですね。まさかこんなストレスかかる要素を実装してくるとは思わなかった。
 

これやられるとストーリー進行を中断してサブクエを消化するか、サブクエの存在を放棄するかを選ばないといけなくなるのが最悪すぎる。

ゾケット要塞(2回目)突入直前とか、一気に15個もサブクエが時限化したからその消化のために丸一日足止め食らいました。これから決戦! という流れなのにシステム面で腰を折るのは無い。

は?
 

面倒に感じるならサブクエなんて無視すれば良かったかもしれないけど、上述したみたいな面白いシナリオのサブクエも今作にはあったし……。ていうかそんな非情な選択をプレイヤーに突きつけるな。

いつやっても良いし、やってもやらなくても良いっていうのがゲームにおけるサブクエの長所では。なのに半強制的にサブクエをやらせる今作のシステムはどうなのか?

サブクエのシナリオ内容的にメインストーリーの進行次第では成立しなくなるという都合があるにせよ、その都合をプレイヤーのゲーム進行の阻害という形で帳尻合わせしてくるのは理不尽すぎる。とんだクソシステムじゃねぇか。
 

あとサブクエが消滅間際になるとアイコンが青から赤に変わるのはユーザーフレンドリーなんですが、この消滅間際のお知らせタイミングが本当に直前すぎる。

ドグマグマ城でクッパを倒した直後キノピオのサブクエ3つのアイコンが赤くなって、そこから船島に戻って広場でストーリーを1会話進めたらもうそのサブクエ消滅、なんて超スピードもありました。クエスト消化したいなら広場が実質立ち入り禁止。

序盤にメリーゴ島(漂流島)かニマム島(カケラ島)かの攻略の分岐ストーリーの時も、メリーゴ島を先に選んだせいでニマム島のサブクエは容赦なく消滅。

そのせいで全56個中55個しかサブクエクリアできてなくて、ちゃんとやり込んだのにコンプリート逃してます。

序盤だしいくら何でも出現してすぐマッハで消えるとは思わないじゃん…

 
こういうのはシナリオの時系列の都合が原因としてあるにしても、過去にそのサブクエのシナリオをこなしたという体で内容を回想する、みたいな時系列表現の解決の仕方もあるんじゃないですかね。

あと時限化しないサブクエってたぶん無いですよね。おそらく最後にはすべてのサブクエが時限化する。

ストーリーをクリアしたらそれまでよ、でクリア後の世界という概念がないタイプのゲームなので当然の処置ではありますが。とはいえこれもストーリーの都合。
 

ゲームとして面白くなるわけでもないのに、むやみに取り返しのつかない要素をゲームに入れるのは本当にやめてほしい。

カケラ島について

サブクエだけでなく、海流やカケラ島もちゃんとコンプリートしました。いやサブクエは55個しかやれてないだろって? うるさいですね……。

カケラ島の名前の「小さい」に関係するボキャブラリーの豊富さはなかなか凄かった。
 

内容の一つ一つはサブクエ以上に短くて印象に残るものはあまり多くなかったけど、アッサム海域にある「コンパク島」の氷のパズル3問はなかなか面白くて良かったです。

いわゆる倉庫番系ってヤツ。ポケモンのかいりきパズルみたいな。

手順良くやれば一度ですべての木箱を破壊できるのだろうか?

パズルの内側に入って、氷のブロックを外に弾いていけると上手く行くんですかね。あるいはそんな事しなくてもスマートにクリアできる手順があるのか?

序盤のカララフル海域までの全体の印象が良くなかったのもあって、このコンパク島はめちゃくちゃ楽しかったです。
 

逆に終盤間際になって行けるようになる「シズーク島」のシャワーウオ×3戦や、「センチー島」のゾケット兵軍団の連戦のやつはちょっと……。

シャワーウオは1体だけでも演出長いのに、3体もいると待機時間があまりにも長すぎる。ゾケット兵軍団戦はただ単調なバトルの3連戦の上に、これも敵の数が最終的に10体とかになって攻撃の演出を全員分やるのは多すぎる。

準ボス戦として強めの調整なのは良いが、プレイヤーが何もしない待機時間が長すぎるのが本当にダメ。

小ネタについて

ゲームの中に仕込まれてる小ネタやファンサービス要素などについて、自分の気付いた範囲で触れていきます。

タイトル画面

今作はゲーム進行にしたがって、ゲーム起動時のタイトル画面も変わっていく仕様。

スリープ使って電源切らない派だとタイトル画面は最初しか見ないかもしれないけど、自分は毎日電源切る派なのでタイトル画面が頻繁に変わってて楽しかったです。

ゾケット要塞のバリアがあるか無いかみたいな細かい違いも更新される
 

岩礁

ゲーム全体の中で占める割合は小さい要素だけど、そのぶん発見やコンプリートは簡単だし、「ウチュウキノコ岩礁」(ゲドンコ星人/RPG2)、「ブロック・ロック岩礁」(ブリロック/RPG3)みたいな過去作要素が嬉しかった。『RPG1』や『RPG4』のネタもあるのかな?
 

マメ

 

『RPG3』にもあった、ドラクエでいう「ちからのたね」みたいなステータス底上げアイテム。

まあマメ集めるより1レベル上げたほうがステータスの上昇幅は圧倒的に大きいけど、マメ自体はRPG3にも出てたゲラコビッツのモチーフだったり『RPG1』由来のシリーズ要素だと思うので、今作でもシリーズの個性といえるアイテムが続投してるのが嬉しいですね。
 

ヨッシーやキャサリン

マリオ作品のシリーズキャラも、ストーリー本筋には関わらないながらゲスト的にゲーム中に登場。

基本的にストーリーに出てくるのはオリキャラだけというのは別にいいんだけど、シリーズキャラの出番もあるのはそれはそれで嬉しいです。
 

コネッタによる小ネタ解説

船島でコネッタに話しかけると、ストーリー進行にしたがって世界観の裏設定みたいな小ネタを教えてくれるのが楽しい。

あとコネッタは元のコネクタルランドの町や村を知ってるから「島」をつけて地名を呼ばなかったりするのが細かい。コネッタによる小ネタ……ふふっ
 

ドクマグサイダーとピリカラチキン

同じく世界観設定の話。サイダーとチキン、つまりコーラとハンバーガー的なアレか。何でドクマグマ島でサイダーなのかと思ったけど、サイダーといえばシードル、つまり果物を原料に使った飲料で、ドクマグマ島で採れるハンドータイがフルーツである事に引っ掛けてるのかな? 想像が膨らむ。
 

船島の回復施設

 「休憩スペース」という名前の施設のシンボルマークが「♡」で、全体的にピンク色なのは……ねぇ……?
 

タップー

クッパの部屋のそばに倉庫作るな! っていうツッコミは的確で面白かった。

あとタップーお前イエロースターと何よろしくやろうとしとるんじゃい!

 

パパミール

大灯台島では毎回ゾケット一味に関するメモを残してくれていた、センサミールの父であるパパミール。

後半には直接会う機会があるのかと思ってたら、そんな事はなくキニオン海域大灯台島でのメモを最後にストーリーからはフェードアウト。

まさか……ラストダンジョンの番兵として改造されて出てくるのか……? とか思ってたら、別にそんな事もなくゲームクリア。

でもエンディングのスタッフロール中でちゃんとセンサミールと再会した姿が描かれてて良かった。いや出てくるのが遅い!

 

ペーパーマリオっぽいネタ

オンノフ島における「98303150コイン」の懸賞額ネタ。つまりは「クッパさまサイコー」(一つ目の0は「まる」、二つ目の0はアルファベットの「オー」からか)の語呂合わせと思われる。ちょっと強引だけど……。

数字の語呂合わせネタはペーパーマリオシリーズにおける毎作の定番要素でもあったので、それをマリオ&ルイージRPGでやってくれるのかと嬉しくなりました。

また、同じくオンノフ島の牢屋での「ペラペラになって~」は、まさにペーパーマリオでよくある、マリオの体のペラペラさを活用して細い隙間や牢屋をすり抜けるギミックへの言及。

牢屋なんか『スーパーペーパーマリオ』だったらキエマースでペラペラになって余裕ですり抜け出来るやん! と思ってたら、まさにその直後まったく同じ事をゲーム中で指摘されてさすがに驚いた。

ペーパーマリオとマリオ&ルイージRPGは事実上の兄弟作という以上に、『ペーパーマリオMIX』(2015/3DS)で公式にコラボした事もあるし、そういうお互いのシリーズを意識してる要素が良いですね。

デンキュー島の赤と緑のガードマン兄弟。「赤が兄で、緑が弟」というのも外伝マリオっぽい小ネタ。

『ペーパーマリオRPG』のクリスチーヌなら「ミドリ色の服… ってことは きっとコッチが弟ね」とか言いそう。

また、これも別にペーパーマリオ固有の要素ではないけど、『ペーパーマリオRPG』にも共通していた特徴として、ストーリー進行にしたがって色んなモブのストーリーが進展していく要素があるのも良い所でした。

カンダーン島クリア以降船島に現れるモブ。その後エピローグまで2人の様子が描かれ続ける

 
今年発売のSwitch版ペーパーマリオRPGについては先月感想も書いたので、よろしければどうぞ。

 
あと、今作のストーリーは「マリオ達が異世界に飛ばされる」「ピーチ姫も味方キャラ」「クッパも比較的味方寄り」「現地で登場するキャラのほとんどは今作のオリキャラ」「絆/愛がテーマのストーリー」と、かなり『スーパーペーパーマリオ』のストーリーとの共通項が多いなと感じました。

スーパーペーパーマリオといえば「マリオである必要性が薄い」として、ペーパーマリオシリーズにオリキャラ禁止令が下されるキッカケになった作品でもありますが……。自分は大好きなんですけど。

シリーズは違えど、同じマリオ外伝作品で、スーパーペーパーマリオとほぼ同じような内容をやれるようになった事には任天堂の姿勢の軟化を感じます。

一方で、最近のペーパーマリオ作品のほうは『オリガミキング』(2020/Switch)で現実の文房具をそのままボスキャラにしたり、オリキャラ禁止令の影響がかなり過剰な域にまで達してるように思っています。

なので、ブラザーシップからの流れでペーパーマリオのほうも縛りが緩和されて、『ペーパーマリオRPG』みたいにオリキャラの仲間たちや敵が活躍する往年のペーパーマリオにそろそろ戻ってくれると嬉しいな、と考えていますね。

マリオ&ルイージRPGシリーズのほうも開発会社の倒産という死の淵にいたけど、そんな苦難から今作で見事蘇ったんでね。まあ今作の内容自体についてはここまで色々書いてきた通り個人的に賛否両論ありますが。

その他の要素について

いよいよ長かった50時間ぶんの感想もラストスパート。最後はこれまでのカテゴリには属さなかったかなと思う感想について触れていきます。あとストーリー感想の余談みたいなモノも。

カブじいの残り数、場所を教えてくれる

これはリターン土管同様、地味だけどあるか無いかで大きく変わる要素だったので、あって非常に良かったです。

Switch以降のポケモン作品はこれが無いせいで収集要素のコンプリートが非常にしんどかった。もし反面教師になってるのならありがたい。

カブじいは全部で18体らしいけど、自分はシャダーンツリーまで結局取りこぼしは無かったです。というか最後のシャダーンツリーだけで全体の半数の9体もいるのがヤケクソ過ぎて笑った。実質10ヶ所しかおらんやん。
 

エクストラ音ゲーが難しい

ストーリー終盤のディオードとエミットのシナリオが終わった後に挑戦できるエクストラチャレンジの音ゲーだけど、クリア必須要素じゃないんだからいいよね? とでも言わんばかりに、これが凄まじく難しかったです。

その所要時間、なんと30秒。30秒間超集中してワンミスもしないのは至難の業すぎる。普通にクリアしようとして10回は失敗して、さすがに精根尽き果てました。

結局、音ゲーの譜面をSwitchの録画機能で撮影して、譜面をすべてテキストに書き出した上で、それを見ながら再度何回か挑んで、やっとクリアしました。意地でも難度の低下を使わずクリアした。執念……。

↓件のエクストラ音ゲーの譜面
A B ABXAB
Y A YBA
X BAYY
Y YXABY
Y X Y
ABYXYBAYX
 

オリキャラがラスボス

自分は『RPG4』(2012/3DS)はやってないんですが、RPG4のストーリーではオリキャラの黒幕がクッパの前座にされて、クッパがラスボスに君臨するという展開になってて、それが低評価の一因になってるらしいです。

RPG4やった事ない以上自分はそれ自体に意見はしないんですけど、個人的には外伝マリオでまでクッパがラスボスというのはちょっとどうかと思いますね。どうせ2Dマリオや3Dマリオ本編では毎回クッパがラスボスなんだから。

外伝でくらい本編とは違う展開をやってほしい。実際、自分が見てきたマリオ外伝作品『ペーパーマリオRPG』『スーパーペーパーマリオ』『マリオ&ルイージRPG3!!!』はどれもオリキャラがラスボスだったし。
 

そういう意味では、今作ブラザーシップはしっかりオリキャラがラスボスを張ってる事自体は良かったです。

逆にそれでクッパの扱いがぞんざいになったり、完全に味方化したりという事もなく、今作は第三勢力として登場しマリオ達ともストーリー上で対決、最終決戦では一時的に共闘、というなかなかキャラの立ったおいしいポジションを用意されていて非常に良かった。

マリオ作品である以上、マリオ作品キャラの扱いも重要だけど、やっぱり外伝作品なんだからラスボスを務めるのはオリキャラの黒幕であってほしい、と思ってますね。
 

クリア後の世界が無いタイプ

『RPG3』もそうだったので、最終的にすべてのサブクエが時限化した事を考えても、今作は「クリア後の世界が無い」タイプのゲームなんじゃないかなと終盤の段階で思ってたらやっぱりそうでした。

クリアデータをロードしてもラスボス戦直前のままだったり、そもそもラスボス戦突入後のセーブの機会がないゲーム。今作は厳密な分類では後者ですね。

もちろん、クリア後の世界を遊べる形式のゲームだったらずっと遊び続けられて一番良いんですけど。ペーパーマリオシリーズは基本的にそれだと思います。
 

だけど今作は、クリア後の世界が無い形式でも、クリア前まででゲームのすべての要素が完結してたので個人的には割と納得できる作りでした。

一番嫌なのは、ラスボスを打倒してから解禁されるクリア後の要素があるのに、ロードしたクリアデータではまだラスボスを倒してない事になってるパターンのゲームですね。最近HD-2D版の出た『ドラクエ3』のスーパーファミコン版(1996)以降のリメイクなんかはこれ。

一方ブラザーシップはそういう事はなく、クリア後の世界は無いが、ラスボスを倒したらゲームとしてすべての要素が終わり。ラスボス以上の格の存在がまだいるという事もない。

これはゲームとしてスッキリしてて好感触でした。
 

まあもっとやり込み要素が欲しい、という意見もあるのかもしれませんが。でも自分としてはボス討伐系サブクエの存在くらいで十分満足かな。

それにまだやり込み要素があると言われたとしても、後半登場のブラザーアタックの演出が長すぎてこれ以上遊ぶのは正直ちょっと……。

あと、ラスボスを倒したらもうセーブは出来ないけど、オートセーブの枠にはエピローグ開始直後のデータが残る。これはささやかだけど、クリア後の世界が無いという不満に対するちょっとした配慮に思えましたね。
 

コロナアフターのメッセージ

最後は、前の感想のディオードの項目でも少し触れた、現実のコロナの時期に関する今作のストーリーのテーマ性について。

まー、ゲームのストーリーを深読みしていちいち現実の出来事に絡めるとかシケた事してんなよ、とは思うんですけど。自分が他人の感想読んだら絶対思いますけど。

実際に担当したスタッフがどういう考えなのかは知りませんが、あくまで個人の感想という事で。
 

今作ブラザーシップのストーリーのテーマは「人と人が繋がる事の大切さ」だったと思うんですけど、それは現実で2020年以降にコロナのパンデミックの影響でステイホームとかがあった故のテーマなんじゃないかな、と自分は思いました。

ステイホームの時期はまさに、人と人の繋がりが絶たれた時期だったじゃないですか。それで改めて人と関わる事の大切さを感じた人は多かったのではないでしょうか。

ゲームのテーマにするにしても、コロナは現在の日本人全員の共通経験だから説得力もある。

それに外出自粛といってもインターネットはずっと繋がってて、そのネット上でディオードみたいな明るい人たちが世の中を盛り上げてくれてたから、内に閉じ過ぎずに済んだのではないかと。

それがもしかしたら、今作のキャラ描写にも反映されてるのではないでしょうか。
 

今作のボッチアーニ復活後の鬱屈した世界観は、そんなコロナ中の閉塞した世界の様子を映し出していたんじゃないかな、とも感じました。

快楽物質フラワーの大量発生もコロナ流行の暗喩っぽい。まあただの深読みかもしれませんが。

でも、特にエピローグ中のこのセリフは、かなり直接的にコロナアフターの事を指してるんじゃ? と思いましたね。

上の「昔みたいに好きな所へ自由に行って、いっぱいおいしいモノを食べたい」というセリフも、これも今思えばコロナ中は自由に出来なかったコトではないかと。
 

今作のストーリーをエンディングまでやって、「人と人が繋がる事の大切さ」というテーマの背景には、そういうコロナアフターまでを経験した人間のメッセージがあるんじゃないかな、と思いました。

他にも、少子高齢化による地方の過疎化などの社会問題や、昔に比べて近所付き合いが希薄化している事への警鐘みたいな意図もあったりするのかもしれません。

まあだからといって、対比として「孤独」を徹底的にあげつらって否定する描写と思想には自分はノーを突きつけますが。

終わりに

という感じでした。これにてブラザーシップ50時間ぶんの感想終わり! あまりにも、長すぎた……。ブラザーシップクリア後の4日間はずっとこの感想記事書いてました。

調べたら現時点で4記事の合計文字数は41000文字くらいになってます。何これ小説? これで1円にもならないんだから人の生き方って面白いな~!(ヤケクソ)

まあこれが50時間、13日間付き合ったゲームの密度という事でもありますね。はあ、もーちょっと良い内容のゲームだったら感想も肯定的に書けたんだけどなー。
 

ぶっちゃけ、自分のブラザーシップへの感想としては、最初の「ストーリー面・演出面の難点」の記事で書いた内容がほぼすべてです。あそこで結論として書いた事が自分のブラザーシップへの評価です。

もちろんそれ以外にも良かった所や悪かった所はあったけど、それらを覆い隠すほどに重大な欠点が致命的すぎた。それが最終結論でした。

分岐要素多かったし2周目もやれ? そんなものやるわけないだろ……。
 

もし『ブラザーシップ2』『マリオ&ルイージRPG7』が発表されたら? どうでしょうねぇ。演出面はともかく、ストーリーの出来なんて改善しようとして出来るのか怪しいですが。

ストーリーがつまらなかった『FE覚醒』の後に、もっとストーリーがクソだった『FEif』を出した今のインテリジェントシステムズ(ペーパーマリオの開発会社)みたいになりそう。この2つはプレイ済みです。

まあマリオ&ルイージRPGの次の新作はあるとしても数年後だと思うし、その時には自分の意見もコロッと変わってるかもしれないので、その時のコトはその時に考えるとします。

それでも確かなのは、プレイ直後の今はこういう感想だ、という事です。
 

もしここまで感想にお付き合いしてくれた方がいらっしゃったら、本当にありがとうございました。こんなクソ長文感想に1日の時間の何十パーセントを割いてもらったのか知れない。

この感想記事は、あくまでブラザーシップに対する自分という個人の一意見でしかないのですが、もし記事に対してポジティブな感想があれば、少しでもコメントに書き残していってもらえると嬉しいです。
 

それでは、改めて読んでくださってありがとうございました。ブラザーシップのプレイ中も記事は一切書いてなかったんだけど、今回文章書きすぎたのでしばらくはまた冬眠する事にします。

あとは、この思いの丈を少しでも11月25日締め切りの任天堂公式アンケートに今からぶつけてくるとします。ああ、また文章書かないと……。

2024年11月24日 助六

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