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マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ! 感想 UI、BGM、キャラなど

『マリオ&ルイージRPG ブラザーシップ!』クリアしました。今回はグラフィック、UI、BGM、キャラクターなど全般について感想を書こうと思います。

ゲームを通して結構好きなキャラクターができたのは良かった。ツクローサ、イワガール、ディオードあたりが特に好き。
 

他の記事では「ストーリー面・演出面の難点」「バトル・RPG部分」「サブクエ・カケラ島・小ネタなど」についても感想を書いたので、よろしければそちらもどうぞ。主要な感想は最初の2つにほぼ入ってます。

 
マリオ&ルイージRPGシリーズの過去作は『マリオ&ルイージRPG3!!!』(2009/DS)のみプレイ済です。

また、関連作として『スーパーペーパーマリオ』(2007/Wii)、『ペーパーマリオRPG (Switch版)』(2024/Switch)もプレイ済です。
 

今回もネタバレ全開の感想になるので、未クリアの場合はご注意ください。批判ばかりというわけじゃないですが今回も例によって賛否両論の感想になります。

また、今回も9500字程度の長めの記事になります。


グラフィックについて

自分はゲームにおいてグラフィックが好みのデザインかどうかは重視するほうですが、ブラザーシップのビジュアルデザインは特別好みってわけではないけど、全体的に綺麗な3Dグラフィックで結構良かったです。

マリオやルイージたち既存キャラも、コネクタルランド住民たちオリジナルキャラも、小物も背景も、一様に綺麗なグラフィックで描かれていると思います。

少なくとも、ゲームをやっていてグラフィック面で「う~ん……ここが物足りないな……ダサいな……」とか感じる事はなかった。
 

マリオ&ルイージRPGシリーズってGBAやDSはおろか、実は3DSの時代でもドット絵でグラフィックを制作していたらしくて、今作(シリーズ8作目・初のSwitch作品)が初めての3Dグラフィック化らしいです。

まあ自分は3DSのマリオ&ルイージRPGはやった事ないので、よくは知らないんですが。

とはいえ個人的には、3Dグラフィックよりはドット絵のゲームのほうが好きなんですけどね。フル3Dモデルのゲームは目が疲れるというか。今作も例に漏れず。色んな意味でおっちゃんですよ。

『Refind Self』の感想の時の「画面いっぱいの3Dモデルって何か情報量多い」という言及で、具体的にイメージしてたのは実はブラザーシップのPVの映像でした。

まあ大作ゲームでドット絵とか、任天堂がもう許さないんでしょう。仕方ない。それに今はもうドット職人集めるより3Dモデルクリエイター集めるほうが安上がりでしょうしね。
 

という個人の好みはあれど、客観的に見て、今作は良質な3Dグラフィックのゲームだとは思いました。

別に、すっごい映像が綺麗なのが特徴!! ってほどではないのですが。

でもこの映像とか綺麗で好き

UI・操作について

ユーザーインターフェースや操作感というのは縁の下の力持ちなので、まったく気にならないくらいがイチバンなのかもしれませんけど、良かった点・気になった点を少し。
 

まず、「UFOスピン」「ファイア&アイス」などのブラザーアクション中にも、ジャンプなどの通常の操作も出来る点が良かったです。

地味な要素だけどかなり快適だった。これが毎回通常状態に戻らないとジャンプが出来ないとかだったら、かなり快適性を損ねてたと思う。

カブじいまで引っ張れるのはさすがに予想外だったけど……。
 

あと、このゲームはダッシュ機能が無いのかと思ってたら、実は「ブラザーボール」に追加されるダッシュがそれを担ってるようです。これも良かった。後半は船島でも探索でもこのダッシュをかなり多用してました。

小回りは利かないから敵に衝突する事も多いけど、単純に歩くしかないよりはずっと良い。船島の大砲までの道にはサービスでトランポリンフラワーが置いてあるけど、それを使うよりも転がりダッシュのほうが速くて良かったです。

それと「リターン土管」の存在も嬉しかった。ファストトラベルなんで今のゲームならあって当然かもしれないけど、無かったらと思うとさすがにゾッとするので。
 

一方、これは発売初日レベルから感想で言われてるコトだと思うんですけど、バトル中におけるルイージの行動決定がBボタンじゃなくてAボタンなのが、本当に不自然。

ルイージの行動はBに決まってるじゃないですかーーーーーっ!!!!!!

真剣にこの仕様のせいでルイージの攻撃アクションを失敗する事もあった。過去作の操作がどうだったかとか知ったこっちゃないですよ。『RPG3』やったのなんて15年前だからそんなのおぼえてない。

そうじゃなくて、ブラザーシップ単体の操作感として「ルイージに割り当てられたボタンはBなんだから、バトル中の行動決定もBであるべき」と感じました。

ルイージのハンマー行動の決定でAを押す」→「ルイージのハンマーアクションでBを押す」→「マリオのハンマーアクションでAを押す」……これが本当に直感的でなくて、自然な流れに反してて不自然極まりない。

マリオの行動決定はA、ルイージの行動決定はB、バトル中もそう統一するべきでしょう。

ゲームの最初から最後までずっとバトルの際は、ルイージの決定もA、ルイージの決定もA、と頭の中で唱えてました。でないとたやすく間違える。右手用の取手をずっと左手で使い続けさせられるような違和感。
 

あとキャラの会話中に、B長押しでモーションを早送りできるのは良かったけど、セリフ送りまでは早送りにならないのが惜しかった。B長押し状態の時はどんどん次のセリフに移行するようにしてほしかった。

それか、デフォルトの文字送り速度をもっと速くするか。基本的にブラザーシップのセリフの文字送り速度は遅く感じました。

BGMについて

次はBGMについての感想です。まずは何も情報を仕入れてない状態の初日にBGMを聴いた印象として、「マリオ&ルイージRPGっぽいBGMじゃないな」と思いました。

それなりにブラザーシップの発売を期待して、直前に『RPG3』のBGMを聴き直して感想とか書いてたせいもあるとは思うんですけどね。これ下村陽子の作曲じゃないな、とすぐに気付いた。実際今作は新しい作曲家の人が担当してるようです。

だからそういう先入観の存在は否定できないんですけど、それでも今作のBGMは、全体的に印象に残らなかった。メロディが耳に残る曲は少なかった。そういう感想になりました。
 

まあ、無意識に「マリオ&ルイージRPGっぽいBGM」を求めてるフシはあると思うんですよ。

それは仕方ない。過去作の評価の積み重ねあるシリーズの看板を使ってゲーム売ってるわけだし。これまでの作曲家を使わないという判断をしたスタッフ首脳陣の責任であって、今作の作曲家の責任ではないし。

だけど、それでもやっぱり今作のBGMはゲーム音楽として印象が薄い。聴いた瞬間このメロディに気を取られた、この曲を聴くとゲームのあの場面を思い出す、という体験が目立たない。

なんかぼんやりしてるなあ、というのが正直な思いです。BGMが特徴の一つのシリーズでもあるのに、形はどうあれ、その期待には応えてくれなかった。
 

特に通常戦闘曲が全然印象に残ってないのはRPGとしてあまり評価できない。バトル曲、それもバトル1とか、RPGの花形なのに。

直接は関係ないけど、今年5月に発売した『ペーパーマリオRPG (Switch版)』は通常戦闘曲が数も質も意味不明なくらい充実してたのも、比較として劣ってしまった。あれはリマスター作品だから特別手をかけられる余裕があった、というのは理解してますが。

『ペーパーマリオRPG (Switch版)』のステージ6・7の通常戦闘曲2曲は特に神懸かってた


でも今作のバトル曲って、通常戦闘曲、中ボス曲、大ボス曲、ラスボス曲の4つだけ? 50時間も遊べるRPGとしてそりゃあちょっと少ないでしょう。

通常戦闘曲は序盤のバトル1、中盤のバトル2、終盤のバトル3くらいまでは用意してほしかった。
 

ただ、全体的な感想はそういう感じなんですけど、あくまでもその上で、ツイス島のフィールドBGMや、サブクエ「ステップがスランプ?」とかで使われてたディオードのダンス曲、オンノフ島のフィールドBGM、クラゲ島の屋内BGMといった個々のBGMには結構良いと思うのも多かったです。

ディオードの曲とかクラゲ島ディスコBGMみたいな、クラブ系BGMが特に良かった

あとグラゴン戦前や、クッパ軍団に支配されてるカケラ島とかで流れてたシリアスなBGMもメロディが特徴的でムーディーで良かった。同じくゾケット要塞のBGMでシリアスで好き。

ゲーム進行に合わせたBGM要素としては、偽キノコ王国でBGMにハウリングが混じる演出はホラーでなかなか良かったですね。
 

ゲーム中は全然印象に残らなかったんですけど、大ボス曲と中ボス曲もクリア後に改めて聴き直したら、結構良い曲だと感じ始めてきました。

特に大ボス曲はどことなくマリオ&ルイージRPG感あるというか。ただ、ボス戦の気合い入った感じというよりかは、どちらかというと通常戦闘曲にするほうが合ってる曲っぽくも思います。

作曲の事とか何も知らないのに講釈垂れてすいません。

好きなキャラクターについて

ストーリー全体には低評価つけたんですけど、好きなキャラクターは結構生まれたのは印象として良かったです。

コネッタ

勇ましくも愛らしいメインヒロイン

まず発売前から注目してたメインヒロインのコネッタは良かった。ビジュアルデザインも可愛いし、素朴で穏和な性格や、使命感のある所も良い。

青と黄色の主人公配色もキマってますねー。マリオが赤でルイージが緑だから、という対比でしょうか。

帽子のプラグの接続部を金髪に見立ててるのもやたらハイセンス。造形が良いから船島で歩いてるのもいちいち可愛い。

昔ツイスで慣れないダンスをして足をグキったとか、ゼツエンシバレル父の口にハンドータイと水を流し込んだとか、そういうお茶目なエピソードがあったり、ストーリー外で話しかけるとたまにトボけた事言うのもチャームポイント。

こんな感じってなんだ、こんな感じって

ただ、次の項目で触れますけど、メインヒロインとしてもうちょっとストーリーで活躍をする扱いに出来なかったのか、とも思いますね。
 

ツクローサ

気を取られがちだけど、読み仮ルビ名に。かなり多い、倒置法リバースオーダーも。

今作最萌えキャラのツクローサキターーー!!!! 口調が特徴的で面白くて最高。ラッパーなのか厨二病なのか倒置法マニアなのか。

おとなしくて落ち着いた性格のマイペースな妹キャラなのに、喋り方にはめちゃくちゃ個性あるポエマーなのがツボ。

セリフを見るのが毎回楽しみなキャラ、というのもゲームのキャラとしてポイント高い。なので工房のサブクエは毎回積極的にやりました。終盤にまたストーリーに関わってきてくれたのも嬉しかった。

兄のデキータが熱血で赤担当だからなのか、ツクローサはクールで青担当なのも良い。デカいゴーグルも可愛い。使ってるの見たことないけど。

何言ってるのかわからないのは兄公認

でも、最序盤にたまたまツイス島を先に見つけて向かったからツクローサを船島に迎えられたんだけど、ジャン・グール島へ先に行ってたら工房にいるのはデキータになってたらしいですね。

その分岐はさすがに重大すぎてどうなのか……。ツクローサの有無でゲームの評価が1割は分かれてたレベルの分岐なまである。

ボッチアーニ復活直後は怯えてるの可愛いすぎんか…
ポエムだけじゃなくて歌も好き
エピローグではこういう事言ってくれるのも愛しいフォーリンラブ
 

イワガール

ダイヤモンドカットな岩のキャスケット帽が可愛い

あまりセリフは多くはないけど、岩礁要素担当のイワガールも勝気な性格で可愛くて良かったです。

ツクローサ同様、序盤からずっといたキャラだからという愛着もありますね。イワガール主役のサブクエとかあっても良かったんとちゃうかー?

「イワガール」は本名ではないらしい。最後まで本名不詳

作中最強アイテムの「シュンソククラウンDX」を隠し持ってる天使でもある。ムフ!?

まあ、レプリカ岩礁の解説テキストはあまり面白くなかったけど……。
 

ディオード

いつでもサタデーナイトフィーバー🕺

ツイス島で初めて出会った時はそこまで印象に残るキャラではなかったけど、中盤のカンダーン島やクラゲ島でも再登場して、実は序盤からひっそり出てるタイプの重要キャラだったんか!? と驚きました。

更に、世界がおかしくなっていった終盤のストーリーでも序盤から変わらず陽キャっぷりを貫徹してて、そういう姿を見てストーリー全体を通じてだんだん好きになっていったキャラクターですね。

これは次の記事でちょっと触れる予定の内容なんですけど、世の中が暗い時に現実でもこういう明るい人たちがいてくれるからこそ、世相が暗くなりすぎずに済んでるとも思いますね。

前述した専用曲のダンス曲も好きです。やたらマスターの後釜を虎視眈々と狙ってるキャラの弟子のエミットも良い。
 

ゾケット

ボッチアーニが不快すぎた逆張りもあるんですけど、ボルドルド隊のノリが初登場からふざけまくってた一方、一貫して冷徹なボスだったゾケットのキャラは嫌いじゃなかった。

こういうクールな悪役が敵の首領をやってくれてると個人的に非常に落ち着きますね。マリオ達の事なんて歯牙にもかけてない強者らしい余裕のたたずまいが好み。

でもクールすぎるとキャラとして面白みがないからか、人の名前をおぼえないおじいちゃんみたいな可愛い個性付けもされてて、それ自体はセオリー通りのキャラ設計だとは思うんですけど、名前の間違え方が時々ダイナミックすぎるのが面白かった。

もはや誰の事だよ!
 

キャラクター描写の不満点

ストーリー面の難点にも重なる部分があるんですけど、キャラにまつわる不満点も割とありました。

マリオとルイージがホモ臭くてキツい

「マーリオ♡」「ルイジ♡」だけでほぼ会話するオープニングムービーを筆頭に、シリーズ初の3D化の弊害なのか、マリオとルイージの兄弟愛描写がホモ臭くてキツく感じたのはかなり難点でした。

漂流島クリア時のムービーの最後にマリオとルイージ2人で手を繋いで喜ぶのも描写として過剰だし、「ブラザースピン」の選択時に2人で社交ダンスみたいなポーズを取るのも正直気持ち悪い。

あとルイージ単体でも、バトル中のコマンド選択前にルイージが口に指を当ててる待機モーションがキモい。ぶりっ子すぎてイライラが募る。

こういうの本当に要る? 少なくとも『RPG3』の時ってこんなだったっけ?

BL好きな女性ならまだしも、男としてはこういうのちょっとね……。まあ自分も美少女キャラ2人がイチャイチャしてる描写なら何も言わないんだけどね。
 

ルイージの不自然な持ち上げ描写

ちょっと臆病だったり間抜けだったりの描写なら個性として良いんだけど…

今作はルイージセンスの存在を筆頭に、やたらとルイージに特別な役割を持たせようとする設計がかなり過剰で、不自然な要素に感じました。

自然に存在するギミックを毎回毎回決まり切ったノルマのようにルイージが解決していく流れは不自然すぎる。シナリオによるルイージ介護かと。天の手による贔屓が露骨すぎるだろと。お前はなろうの主人公かよ。

DS・Wiiの頃のマリオ外伝作品の特徴といえばかなり過激な負の方面のルイージいじりで、自分はそれが好きだったんですけど、外伝マリオも年を経てそういう特定のキャラいじりが憚られるようになったからか、負ではなく正の方面でルイージの個性を演出しようとした結果がコレなんじゃないかな、と勝手に思ってます。

こんなお利口さんで無理やり感のあるルイージ持ち上げなら無いほうがマシですけど。
 

ボス戦のルイージセンス要素は良かったです。無理やり感があるのは変わらないけど、大ボス戦とそれ以外をハッキリ区別するための特別ギミックがバトル中に存在するのは、なかなか飽きなくて楽しくて良かった。

『ポケモンSV』のレッツゴーみたいにルイージが勝手に木箱やカブを処理してくれるのは単純に便利なので、ルイージが主人公の一人からNPC化してるとか、そんな事は別に思わないですが。
 

ストーリーにおけるコネッタの扱い

発売前からマリオとルイージについてくるのはタップーじゃなくてコネッタが良いとすら思ってたんですけど、いざ大灯台島でコネッタがついてきてくれた時、ついてくるだけで何もしないというのはどうかと思いました。

え? 本当についてくるだけ? いや戦闘はマリオさんたちにお任せします、やあらへんねん。お前も何かせいよ。

大灯台島ではバトル中に手助けしてくれるとか。あるいは大灯台島は回復ブロックがほぼ無いから、回復ポイント代わりをやってくれるとかさ……。
 

そもそもストーリーからして無関係のマリオたちがコネッタとコネクタルランドのために頑張るという内容なんだけど、敵地ですらコネッタは何もしないなら、もはやマリオたちはただの都合のいい戦闘員じゃん。

これメインヒロインのボディーガードをやるのが目的のストーリー? 守られるだけのヒロインに感情移入は難しい。本編マリオ作品の、最初と最後にしか出てこないピーチ姫くらい割り切った存在でもないし。

ジョウロ振ってるだけじゃなくて、何かシステム的にも貢献してくれませんか。でないと、とても仲間という関係とは思えない。助けられてばかりなのに助け合いがどうこうとかどの口で言うのか。

せめてコネッタを操作して何かやるパートとか、そういう少しでもヒロインにキャラクターとして共感できる要素はないのか……。
 

しかし、最終盤までこの関係が改善される事はなかった。その集大成が、ラスボス戦後の満身創痍のボッチアーニに対するコネッタの説教。

いやお前、ほとんど何もやってへんやん……。セリフ喋らないマリオとルイージの代弁キャラなのはわかるけどさ。後から来て説教だけして帰られても。

説教の内容もそれらしい正論を上からぶつけてるだけでコネッタ自身のストーリーによる裏付けに乏しい。誰かがラスボスに説教するシナリオなのは既定路線としても、それをやるキャラと内容に説得力がなさすぎる。

コネッタ自身のデザインやキャラ性は好き。だけど、実質的なブラザーシップのストーリーの主人公を張るには、あまりにもシステム的な貢献やストーリーによる説得力が足りないと感じました。
 

ゾケット=コトゼットという設定の納得感の薄さ

もしかしたらゾケットの正体はコトゼットなんじゃ? という事がパパミールのメモとかで徐々に明かされていくキニオン海域終盤のシナリオの流れ自体は良かった。

だけど、洗脳が解けて元に戻った後のコトゼットのキャラと、ゾケットだった時の言動にまるで共通点が無い。

ストーリー上の重要な真相なのに、本当に同一人物だったのか? と後々設定を疑うほどの納得感の薄さはかなり引っ掛かりました。
 

口調はもちろん、主張や選びがちな行動などの特徴にも重なる要素がまったく無い。コトゼットにもあった心の弱い部分を増福させられた、みたいな描写も別に無い。

ただ洗脳という便利なワードで表面的な理由付けをしてるだけ。

回想に出てきてたコネッタの師匠が実はゾケットの正体だった! という驚きのストーリー展開がやりたいのはわかる。しかしその展開を裏付けるための設定の説得力に乏しすぎる。

やりたい展開ばかりが先行しててキャラクターの個性をまったく無視している、詰めの甘い脚本としか言えません。
 

コトゼットも回想の中で、コネッタの名前を盛大に間違えまくってるキャラとかだったらちょっと面白かったかも。

 

モブデザインのバリエーションの少なさ

まさか50時間ずっとこれ含む基本デザイン3種類で戦い続けるとは…

これはキャラクター面というよりは演出面の問題かもしれないけど、コネクタルランド住民の見た目のバリエーションは少なすぎると思います。
 

用水路の側溝のフタを思わせる線目・ヤシの木スタイルのデザイン自体は可愛くて良い。

だけど、「ヒョロ」「デブ」「普通」の3種類しかモブの基本デザインにバリエーションがなくない……?

新しい街行っても、新しい島行っても、新しい海域行っても、必ずこの3種類のどれか。カラーや細部のマイナーチェンジはあるけど、基本デザインはずっと一緒。
 

この現象にはアッサム海域のあたりから早くも飽き始めてきてました。そしてオンノフ島やクラゲ島ではもうすっかりモブデザインに対して興味が失せてた。そうなると背景の岩や海と変わらん。

『ペーパーマリオ スーパーシール』(2012/3DS)も、モブがどこ行ってもキノピオばかりとかで批判されてたんじゃなかったのか……? ザコ戦の演出の長さといい、なぜ昔からのあやまちをまた繰り返すのか……。
 

その他、細かい不満点

センサミール こいつ要る? 初登場時以外、最後までまるで存在感がなかったような……。ゲームシステム的な役割もないし。ゼツエンシバレル父を元に戻すサブクエで、マリオたちがセンサミールの性格を勇気があるとか急に語り出したのも違和感あった。そんな風に感じる描写あった?

タップー 存在が地味すぎて気付かなかったけど、今作の同行キャラなのに全然印象に残らなかった。よくやるツッコミも作劇上の必要があって言わされてる感。単純にギャグとしてつまらないのもあるけど。『RPG3』の同行キャラだったイエロースターはクッパとの丁々発止であんなにキャラ立ってたのに……。

ゼツエンクッパ 洗脳されて敵対はあまりにもありがち過ぎない? ゾケット要塞1回目でのこの展開はあまりにも予想つきすぎて溜息出た。カービィのデデデやメタナイトもだけど、洗脳敵対をやりすぎると強さ描写が軽くなって株落ちる。

オムスビさま このゲームはギャグ要素多すぎて滑ってる回数もかなり多いけど、オムスビさまは急に関西弁になるのが伏線に乏しくて不自然なだけの要素に感じた。『RPG3』にも関西弁キャラはいたけども。コナモンがどうこうも記号的すぎる。最初から関西弁口調のキャラとして登場したほうが自然で良かったのでは?

カブじい 特に序盤のキャラに多く感じた、狙いすぎな個性付けは元々そこまで好きではないが、シャダーンツリーのカブじいの間はちょうどいい小休止になって良かった。

ただ「ボルドルド隊は全員家事が得意なんだってー!」「知ってる奴の意外な一面は楽しいよな」は完全にメタ視点の発言すぎて冷めた。キャラメイクの常道だとしてもそれをゲーム内のキャラに言わせんな。わかってるならそれはキャラ描写で表現するべき。シナリオライターの自我が出すぎ。
 

今回は以上です。ストーリー関連になると文句が多くなってすいません。上のほうで書いた通り、ちゃんと好きなキャラクターもいるんですが。

というわけで、今回はグラフィック、UI、BGM、キャラクターなど全般について書きました。そろそろ感想の在庫も尽きてきたので、次が最後の感想になるかと思います。

次は、サブクエ、カケラ島、ファンサービス要素の小ネタなどについて触れる予定です。
 

追記: 最後の記事できました。

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