おだしキーマとワインはすごく合う
いきなり「なんの話?」と思うかもしれませんが、今日はマリアージュについて書きます。
料理をする人もそうでない人も一読の価値ありです!
まずおだしキーマについて、キーマとはキーマカレーのことで、ベースであるスパイスで味付けをしたミンチに和風だしを合わせた創作料理のこと。
テレビなどで取り上げられていたので、実際食べてみるとかなり面白い味でした。
口に入れた瞬間、優しいおだしの味が広がり、甘味すら感じる、でもそのすぐ後にスパイスの風味が颯爽と追いかけてくる。
ブラックペッパーがホール(丸ごと)入っているので、これを一緒に食べるかどうかでまた味の変化がある。
それだけでも十分美味しかったけど、実はこの料理には赤ワインが合うという事実に衝撃を受けました。
確かにカレーに赤ワインが合うのは、なんとなくイメージできますが、おだしとはどうなの?という印象が正直あって、いざお客様にも食べてもらうとこれがまた大絶賛!
こんな組み合わせがあったなんて!と感動していました。
冷静に分析すると、おだし=日本、スパイス=南アジア、ワイン=ヨーロッパと全く地域が違っているじゃないかと。
どんな異文化交流なんだー!!!
という思いと一緒に、気づいたのが今回の本題へ。
料理のマリアージュは国境を超えるという結果ですね。
何が言いたいかと言うと、真のマリアージュとは味と味とをつなぎ合わせているということ。
お肉には赤ワイン、お魚には白ワインという通説ではなく、「このお肉料理に合う味のワインはどれか?」という視点で捉えることの重要性です。
プロの料理人は当然このことを理解しているが、私のような一般人は普段の生活でそこまで意識してはいません。
だから本質的なことを理解せず、常識や習慣に囚われてしまう。
ここから抜け出すには、固定概念を捨てるのはもちろん、その性質にまで着目する必要があることに気付かされました。
そしてこれは料理以外にも、人間関係、ビジネス、恋愛において重宝するものだなと。
「良好な関係を気付ける人はどんな性質をもって、どんな人と関わり合っているか?」
「お客様がなぜその商品を買おうと思うのか?」
「あいつがモテてなんで俺がフラれるんだ!」
全部、分析すれば分かるってことですね。
この分析は、味で言うと分解とも言えるので、例えば先ほどのおだしキーマとワインを分解してみましょう。
すると、おだしとカレースパイスとご飯。
↓
さらに分解すると、魚介のうまみ、アクセントと辛み、甘味と食感。
↓
ワインを分解すると、苦みと酸味。
そう考えると、きちんと味のバランスと五感への刺激がいい塩梅になっていることが分かります。
ちなみにおだしキーマに合う赤ワインは渋めのものがベスト。
本来魚介にはすっきりした白ワインもありですが、この料理に関してはカレーのアクセントに負けてしまいますね。
結論を言うと、二つの物質を繋ぐには、科学的に比較しなければだめ。
つまり原子単位で物事を見ようよって話です。
水素と酸素だって、なんとなくくっついている訳じゃなく、水素2に対して酸素が1という比率を守っています。
原子レベルでこうなら、もっと大きいものでも考え方は同じじゃないと成り立つわけがない。
この原子レベルの比較を自然とできるのがプロなんだなと感じました。
だからこのおだしキーマ(この料理の時点でかなりハイレベルだがw)と赤ワインを合わせることを思いついた人は本当にすごいと思います。
いつかそんな原子レベルの舌を持てるように、もっと色んな食材と料理を食べて勉強しないといけないと思った一日でした。
…えっ?
「発見したのお前じゃないんか」って?
違いますよ。だって私はお酒飲めないただの一般人ですし。
これはこの料理を作ってくれた、お酒大好きな師匠の受け売りです。
そんな師匠の料理、ぜひ一度食べてみて欲しいですね。
おしまい
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