ハンドメイドアプリに見るハンドメイド業界の現状
最近のハンドメイド業界が不穏です。
この記事ではハンドメイド業界の現状と今後についてまとめています。
ぜひハンドメイド作家の方、及び運営側の方々にご覧頂きたいと思います。
手作りの価値の低下
結論から言うと、”手作りの良さ”より”完成度”が優先されつつあるというのがハンドメイド業界の現状。
手作りの良さとは、不均一・独創的・限定的であること。
対して一定、大衆的、遍在的なものはメーカーや工場で生産され、それはハンドメイド作品とはまた違うものと感じます。
ハンドメイド業界にその手作りの良さが無い作品が大量に出品され、それを購入する人が多くなる。
購入者が多い作品は特集され、また売れる。そして売れるから特集する。
この繰り返しです。
ほんとやばいです。。。
作家の行末
では、個人でやっている作家さんはどうしているか?
各ハンドメイドアプリの会社が主催するイベントに参加したり、売るために人気の作品を真似したりする。
こうなるともう負のスパイラル。
同じ販売方法を学んだ作家さんの、似たような作品の中で、くじ引きで選んでもらうのと同じです。
でも企業は儲かっているので、作家さんへのケアはなし。
こうなると作家さんは減る一方となり、結局楽天やamazonのような大手通販会社と同じになっていく気がしてなりません。
ハンドメイド作品を販売する場所を生み出したことは本当に素晴らしいのですが、それが今は逆にこの現状ありきだったのか?と疑ってしまいます。
ちなみに数年前にクリスマスの特集でリースが取り上げられていたのですが、それは有名雑貨メーカーの市販品でした。
今から思えばその頃から作品に対しての思い入れより、”売れそう”、”儲けになりそう”という点を重視していたのかもしれません。
気づいて欲しいこと
こういう記事を書くと「商売だから仕方ない」とか、「自分でやればいい」と言われるでしょう。
僕は別にそれができる人達に向けて書いているのではなく、それに気づいていない作家さん、運営側に伝えたいと思って書いてます。
本当にハンドメイド作家としてやるなら、今の現状で本当に頑張れるのか?自分の作品が売れない前提で続けられるのか?
作家さんは山のようにいるけど、売れているのはほんの一部であることを理解した上で取り組みましょう。
作家さんなら僕の他の記事を参考にしてもらっても構いません。
そしてなにより、そんな状況であることを運営されている方々は知っているのか?
おそらく何も気づかず、利益だけを追い求めているのではないですか?
イベントを開催する前に、まずサイトに作品を出品している作家さんのことを考えましょう。
ちなみに、現状の問題を上げるだけなら誰でもできると言われそうなので、対応・改善策の案も提示しておきます。
以降はぜひハンドメイドアプリ業界の人が読んでくれることを期待します。
今後の対策
まず現状の問題は日本の職人さんが減った流れと全く同じ。
そもそも工場生産そのものが悪い訳ではなく、ハンドメイド作品が売れる過程に問題があって、誰もその問題を解決しようとしていない、いやむしろ気づいてすらいないことが一番の問題。
第一に取り組むべきは、検索結果のアルゴリズム。
今の検索結果の表示が、購入者数やフォロー数といった実績が重視されています。
普通のECサイトならそれでいいですが、手作り作品を扱う場合は、用意できる数に限りがあります。
となると、在庫を複数個用意できるアクセサリーなどが有利になってしまうことは明らか。
さらに言えば一度10点ほど売ってしまえば実績はずっと消えないので、新しく始めた作家さんはモチベーションが上がりづらい…
加えて出品カテゴリーが多すぎることも問題。
雑貨の性質上、多種多様な作品が出品されているので、もう少し選別(例えば違うドメインにするなど)して管理するべき。
食品まで入るともう中身がぐちゃぐちゃです。
次に作家さんの発掘。
今や自分の作品をアップできるのではハンドメイドアプリに限らず複数存在します。
そこでただ作家数を増やすのではなく質を上げることが重要。
作品を継続的に出品する人のグレード(ランク)をあげたり、実績より取り組み姿勢を評価する仕組みを取り入れるなど。
他にも上げるとキリがないので箇条書きにすると
・問題点→改善案
・レビューの平均が5点満点中”5点”→購入者のレビューを詳細に
・明らかな市販品の販売→違反者のアカウント停止
・検索キーワードの詰め込み→関連性の低い作品の非表示
・特集掲載作品の選定が同じ作家→作家単位で掲載数を調節
・作品再登録でのNEWタグ復活→作品登録日をNEWタグの判定基準に
・実績のある作家さんの作品の特集→新規作家さんを特集すべき
・パーツ販売が検索上位に→パーツ販売のジャンルの分離
etc…
まとめ
検索上位に表示されるには、実績を得る・複数キーワード埋め込みなど。ピックアップされるためにはアクセサリー販売など販売在庫の確保が必須。
これは工夫でできることを若干超えています。
特集掲載については写真のクオリティがプロ級でないと難しいので、本当に初心者はどうしようもない状態…
そんな中でも一生懸命作品を作っている作家さんがいますので、もっと重点的にフォローアップを行なって欲しいものです。