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課題解決にすぐ走らない - デザイナーが歩きたくないトコロの歩き方 その1 -
こんにちは。Mutureのちゅうさんです。
この記事は、丸井グループ・marui unite ・Mutureの有志メンバーによるアドベントカレンダーに参加しています。
さて皆さん。皆さんは仕事や組織の中において入りたくないところはどこでしょうか?
社内政治的なやりとり?ウェットな人間関係?それとも面倒なコミュニケーション的な部分?
デザイナー限らず、泥臭く、面倒な部分は入りたくないな…関わりたくないな…と思いますよね。
ですがプロジェクトや企画の「上流」という部分においては避けては通れない部分だったりすると思います。
Mutureは丸井グループに組織伴走を行い、システムから変えていく組織改革型DXをミッションに持つ組織。「上流」というところ真っ只中におります。
そんなデザイナーも含めて入りたくないところ。そこをなんとなく歩いているMutureや私の歩き方を、全4回で言語化してしてみたいと思います。
"解決"ではなく"共に気づく"
エドガー・シャイン氏の「謙虚なコンサルティング」はご存知ですか?
解決型コンサルティングや医者的に課題を診断するコンサルティングではなく、顧客と深い信頼関係を築き、本質的な支援を行っていくことが書かれています。
問題が複雑な場合すぐに解決には至りません。そこで重要になるのがアダプティブ・ムーブです。アダプティブ・ムーブとは、解決策ではないが状況を改善したり診断的なデータを引き出す行動のことを指します。ここで「ムーブ」と呼んでいるのは大きな計画や介入ではなく、ちょっとした取り組みだからです。
ここで語られているアダプティブ・ムーブの例に、仕事とは異なる環境にクライアントを呼び、解決してほしいことと纏わるエピソードを話してもらい、そこで気づいた純粋な違和感を質問してみるというものでした。
「◯◯が課題だ」に対し、「少しご説明いただけますか」「それをしたいのはなぜでしょうか」「「今のあなたのお考えはどのようなものでしょうか」というように。
クライアント側は解決を依頼した課題よりも、もっと根本的な部分に課題があることを内省し、信頼関係も構築できた…。
と超ざっくりまとめると、そういう流れです。(事例が沢山あるのでぜひ読んでみてください)
何か依頼されたりしたとき「あれ、これってこう解決できますね」という気持ちがすぐに出てくると思いますが、それをグッと我慢するのです。
組織の中には様々な課題が散らばっています。何か作って解決するものならいいですが、「戦略を考えて」や「どう変革していくか」という課題はそういうわけにはいけません。考えられる人が解決して終わりでいいものではなく、本質的には依頼者たちが自ら再現性を持って解決していけるようにしないといけないものです。
課題を解決したい人と解決するミッションを持っている人、どちらか真に捉えるべき課題を理解しててもいけないし、お互いが内に秘めていても上手くいかないと感じています。
解決案を提示するのではなく、対話して課題/問題はなんなのかを話し、組織や自分を見つめ直すことに気づき、そこで得たことを互いに学びあい、共通言語化していくのです。
例えばチームの状態が悪い…コミュニケーション不全がある…。となると単純なスキル支援になる可能性が高いですが、「こうすればいいのでは」という思いをグッと我慢しながら対話を重ねていってみると、そもそもの組織構造や仕組みが原因だったりすることがわかりました。
課題点がわかるとアプローチがより本質的なものになりますし、解決の方法の戦略性も高まっていくと思っています。
デザイナーは課題解決しなくてもいいかもしれない
デザイナーやコンサルティングという生き物は、課題解決したり診断したがる傾向があるように思います。
出てきた課題に対して、解決策を提示する。もちろんそれで解決することも多いですが、デザイナーに求められる範囲がより広くなっている昨今、ただ課題解決の最短を走っていても、表面上良くなっているように見えるだけかもしれません。
もし組織や戦略レベルの課題に直面したとき、「課題解決しないこと」は真の課題を捉える力になるかもしれません。
そんなことをしながら一緒にMutureの組織作り、組織支援に取り組んでいただけるメンバーも絶賛募集中です。ご興味ある方ぜひご連絡ください!