洗車と遺伝
車を買った後に迎えた初めての洗車。
洗車道具も揃ってる。
『よっしゃ!』と気合十分で洗車場へと向かった。
高圧洗浄機でほこりを洗い流し、雑巾で拭き上げて、ワックスがけをみっちりと。
『これでバッチリ!』と喜び、さぁドライブだと車を動かしたまでは良かった。
その10分後。
ゲリラ豪雨襲来。
天気予報にはそんなことも言ってない。
『聞いてないよぉ~!』とダチョウ倶楽部ばりに天に向かって叫ぶ。
しかし、そのおかげもあって窓もボディも水弾きは完璧。
正しく洗車がなされたことを証明出来た。
出来たが何ともやるせない気分になる。
『これが車に乗るってことか...』と、ただただ苦笑するしかなかった。
そしてその豪雨も長くは続かず、帰宅する頃には止んで、空には月が出ていた。
その話を聞いた母が話も終わらぬうちに涙流して笑い転げた。
『あんた...教わってもいないのにどうして似るのよ...こんなことまで遺伝してるなんて』と。
誰に似てるかは、僕のもう一人の製作者、つまり父である。
父はただただ苦笑するしかなかった。
『おまえなぁ...そういうのはガラスコーティングとかしてだなぁ...』と苦々しく口を開いた。
納車時にやってもらったのだが、車内も汚れてきてたし、なんだかんだとやらずにはいられなくたったからやってみた。
そんな最中にゲリラ豪雨だったのだ。
苦々しい洗車デビューはこうして終わった。
終わったが、洗車は続くよどこまでもってやつで...
その後も洗車すると雨が降った。
『あんたの洗車は雨ごいなの?』と母は笑い転げる。
『おまえなぁ...長期予報だとかを見てだなぁ...』と父は苦々しく口を開く。
見てはいるのだが雨は降る。
『しょうがないさ...また洗車するさ』と開き直る。
洗車と洗車の合間に雨の降らない日もそのうち出て来るさと構える。
そして実際に出始めている。
雨と洗車の関係は遺伝してるようだが、運転そのものまでは遺伝してないようだ。
そんなこんなを繰り返して、もうすぐ初めての車検を迎える。