海と桜を愛でて三浦半島をグルっと一周
『この時期は桜は見ておきたいよね』
『海にも行きたいな』
そんな欲張りを満たす場所が三浦半島にはあるのだ。
午前中に所用を済ませて、いざ三浦半島へ。
環状4号線を鎌倉方面へ進行し、国道16号線にぶつかるまで脇目も振らずにひた走る。
そして、国道16号線にぶつかった六浦交差点から横須賀方面へ南下。
追浜を過ぎる頃からトンネルが増えて来る。
クレイジーケンバンドの『タイガー&ドラゴン』の歌詞に出て来る三笠公園はどういうルートを通ったんだろうかと真剣に考える。
トンネル抜ける....海が見える...そのままドン突きの三笠公園...はて?
この道じゃドン突きに三笠公園はねぇし...とかグダグダと。
もちろん、カーステのBGMはこの曲であるのは言うまでもない。
今日は三笠公園に行くのが目的じゃない。
『海と桜』が目的だからスルー。
後日、みっちりと見て回ることにする。
平成4年に出来たとされる平成町を通って国道16号線をひた走ると、『走水』にやってくる。
海に面して桜の木が植わってたからと、『どこか停められる場所がないか』と思ったら、駐車場はこちらみたいな看板に導かれる。
昨年来た時は、そこが『走水水源地』ということもつゆ知らず。
明治9年、フランス人技師ヴェルニー指揮のもと、日本の近代化が始まった横須賀製鉄所(後の造船所)の用水として使用したことに始まる歴史ある水源地らしい。
煉瓦造貯水池とコンクリート造浄水池は、共に国登録有形文化財・日本遺産構成文化財に指定されており、今なお現役施設として稼働中。
『素晴らしい』の一言に尽きる。
一日約1,000立方メートル涌き出る水はミネラルを豊富に含み、美味しいことで有名で、 「ヴェルニーの水」と名付けられたこの湧き水は、駐車場敷地内の水栓から飲むことができる。
湧水を膜ろ過設備によって浄水したものだから安心して飲める。
開花時期(3月下旬~4月上旬)には、花見客に一般開放される。
今回はそこに合わせたのだ。
青い海を背景に咲く桜の花は今年も見事なものだった。
ひとしきり愛でて見終えて、次なる地へ。
観音崎を周って浦賀に抜けて、海岸線をなぞって金田漁港に。
ここも海に面して桜が植わってる。
明日への備えは静かなのは当たり前の話だが、寂れ感は年ごとに増してるような気がする。
そうはいうものの、寂れようが賑やかになろうがお構いなしの桜。
枝振りは相変わらず見事なもので、海との組み合わせは映える。
食堂は昼間までの営業だったのでそこでは何も食えず。
『走ってりゃ行き当たるべ』と脳天気に車を走らせる。
グルッと三崎まで周って、134号線を北上。
秋谷を過ぎて、葉山を過ぎて、逗子に差し掛かったところで、『なぎさ橋珈琲』へ。
お開きはこれで。
海辺に来たんだからとばかりに海鮮丼だとかに飛びつくのが良いんだろうけど、そんな気分でもなく。
こういうのを無性に食べたい時もあるのです、アラフィフでも(笑)
ビーフシチューと一緒に。
煮込んだ牛肉うまし。
夜だったんで、海を見ながらっていうのは何だかなという感じではあったが、場所は良い。
海が見えるところで飯が食えるってのは大きいのだ。
メニューには『いちごとミルフィーユパフェ』なるものがあったので、それを頼んで締め、いい気分で帰れるはずだった。
こんな良い場所なのに方々から漏れ聞こえる話声は良いものじゃなかった。
前からは金と労働時間やらのドロドロした話が、後ろからは別れる別れないだのの男と女の話が、横からは契約云々の商談がといった話で、せっかくの気分がパーだ。
聞き耳立ててりゃネタにはなるのだが、そこまで暇じゃない。
そうかといって、『うるせぇバカヤロウ』と言う訳にも行かず。
致し方ない。
今回は間が悪かったらしい。
車に乗り込んで最後は江の島を通って帰る。
さっきの気分の悪さは運転してりゃ忘れるほどだった。
所詮はその程度で、自分にはどうでもいい話だったから引きずることもないのだ。
サザンオールスターズの曲を2~3曲かけて海岸線とはおさらばして内陸の我が家へ向かった。