SUKEの「心のお引越し」 第43回
思考して実験する
「誰もが表現する世界を作る」
このWONDEMENTの理念を「メディアアート」というジャンルでそれを与えるとなると
こういったフローで進んでいくと考えています。
最初の「知ってもらう」というステップは先日リニューアル開業したteamlab Borderlessの様に体験出来る機会が増えてきたことで達成されやすくなりました。
WONDEMENTの展示も同様に「触れる・体験する」ことにフォーカスを当てて、展示を通して見に来た人がメディアアートを知れる環境を作ることに注力しています。
そして展示という形式は「知ってもらう」から「興味を持ってもらう」ことへの移行も比較的し易いかもしれないと思っています。
しかし、そこから更に「作ることへ興味を持ってもらう」にはどうやって持っていくかが問題です。
「作る」という体験をしてもらうには、まず実際に作れる環境を用意することが良いはずです。
始めるにあたって、
・絵画であれば筆と絵の具を買って始める
・写真であればカメラを買って始める
といった具合に始めるためにどんな道具が必要でそれで何をすれば良いかが容易に想像がつきます。
ただメディアアートはそのジャンルがカバーする表現領域が他のアートと比べて桁違いに広いため、むしろ絵画や写真の様に既存のアートとも組み合わせられてしまうが故に、どう始めればよいのかが想像しにくいと思います。
だからこそ他とくらべてこちら側で「実際に作れる環境を用意する」ことが重要で、始めやすいきっかけとそのやり方と教える環境、つまりエンジンを掛けて自走出来る様に整えることが必要です。
WONDEMENTでどうやるか
それをWONDEMENTでやるとどんな活動になるのか。
この過程を「作品鑑賞」という一つのフローに収めることはそう簡単ではありません。
本来であれば体験できるきっかけを作り、興味を持った人にはワークショップなどを通して作る体験をしてもらい興味を持ってもらうことが自然です。
しかし、段階を細かく踏むほどの余裕はWONDEMENTにはありません。
だからこそワークショップの様な「作る体験」に特化したものと、普段の作品制作や展示の様な「興味を持ってもらう」ことを融合出来ないかと考えています。
もしこれを融合した体験を作れれば、展示の実施を通して知ってもらうことから実際に作ることまでを一連で体験してもらえることが出来ます。その為にはより簡単に、より短時間で体験出来る様にしなければいけません。
リアルタイムCGや生成AIはこれらを実現するためのキーになると思うが、それらをどう使いこなして落とし込むのか。
展示における作品制作がその実験場として機能していますが、中々道筋は見えてきません。