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流行語大賞「ふてほど」が何かと批判されているので、そもそもの流行語大賞の成り立ちから調べてみた

こんにちは。最近、寒さで朝起きれない事が悩みのしゅんしゅんと申します。

流行語大賞が現実とかけ離れている!どんな基準で決めているんだ!と批判され始めて長いですが、正直この手の批判も聞き飽きたという人も多いのではないでしょうか?

自分もそのように思い、何となく流行語大賞の成り立ちを調べてみたところ、そういう歴史になっていたんだ!と、流行語大賞に対して新たな視点を得ることが出来たのでぜひ共有したいと思いnoteを書かせていただきました。

以下では流行語大賞成り立ちの歴史とそこから発生したインターネットと辞書との向き合いについて紹介したいなと思います。


流行語大賞の始まり

さて、みなさんは流行語大賞がいつから始まったか分かりますか??

何か昔からある偉大な賞っぽいし、1940年?50年ぐらい?・・・

実は流行語大賞が始まったのは1984年です

新語・流行語大賞※1

流行語大賞が出来た当初数年間は、新語部門と流行語部門に分かれていて、それぞれで金賞が選ばれていました。1984年最初の受賞は「オシンドローム」(当時人気だった朝ドラ「おしん」の国民的人気を表した言葉)と金持ち・貧乏人を表す言葉の「〇金・〇ビ」

流行語大賞が始まったのは1984年と聞いて、どう感じるかは人それぞれだと思いますが、意外と最近できたんだ…と感じたのは僕だけでしょうか?

1984年生まれと言うと、今年でやっと40歳です。同じ年(40)の芸能人だと、俳優・タレントの田中さん、平愛梨さん、芸人だとカズレーザーさん何かが挙がります。

挙げられている芸能人の名前を見ても、若手という程ではないにしろ、まだまだ若い方ばかりですよね。

ちなみに1980年代前半というと、1981年に「オレたちひょうきん族」、82年に「笑っていいとも」、85年に「セーラー服を脱がさないで」で有名な「おニャン子クラブ」が始まったりしています

芥川賞直木賞は戦前の1935年に始まったことを考えると、流行語大賞はまさに「テレビの全盛期」と共に始まった賞であると言えるのです。

この「流行語大賞って意外と最近できたんだ・・・」というのが流行語大賞の成り立ちと非常に深く関わっていることであり、またとても面白いポイントになってくるんです!!

誰が流行語大賞を作っているの?

流行語大賞の歴史にさらに迫っていく上で、大事なのが「そもそも流行語大賞ってどこが作ってるの?」ということです

やくみつるさんを始めとした流行語大賞の審査員は辛うじて知っている人もいるかもしれませんが、そもそも流行語大賞を運営している企業なんて全く目に入らないですよね…

実は流行語大賞を作っているのは「自由国民社」というところです。

知らなーいと思った方、ちょっとお待ちください!皆さんも絶対目にしているんです。

そう、この記事のサムネや流行語大賞の写真のバックに映っている「現代用語の基礎知識」を出版している会社こそが「自由国民社」なんです。

2024年流行語大賞「ふてほど」※2

つまり、「流行語大賞」というイベントはこの「現代用語の基礎知識」の販売を促進するためのイベントであったということなんです。

流行語大賞が生まれたきっかけとイミダス(時事用語辞典)

上記を詳しく解説するにあたり、「現代用語の基礎知識」編集長の清水均さんが流行語大賞ができたきっかけについて答えているインタビューがあります。

以下、清水均さんのインタビュー:

流行語大賞の仕掛け人に聞く――賞金ゼロの国民的イベントが、30年間日本人を魅了する理由※3

ここに書かれているように、「現代用語の基礎知識」という辞書自体は昔からあったものの、1980年代の情報化社会初期の波を受けて流行語大賞というイベントは始まりました

この流行語大賞というイベントの始まりと同時期に大ヒットを記録した同じく時事用語辞典であるイミダス知恵蔵なんかは耳にしたことある人も居るのではないでしょうか?

イミダスimidas)は正式名称を情報・知識imidas(じょうほう・ちしき・イミダス)と言い、集英社が刊行している、最新の流行語外来語を取り扱う現代用語辞典である。同類の辞典として最も古い歴史を持つ自由国民社の『現代用語の基礎知識』を意識しながら、イミダスは1986年に1987年度版を創刊号として刊行された。この1987年度版は113万8000部という辞典としては驚異的なセールスを記録している[1]

イミダスは写真や図録を多く掲載しながら横書きレイアウトを採用し、本書の他に時事問題を読み解く別冊や中心購買層のビジネスマンを見込んだ「イミダス手帳」を付録するなど、それまでの辞典にはない斬新な編集方針を次々に打ち出し、朝日新聞社1989年に『知恵蔵』を創刊する一因になるなどの影響を与えた。また、『現代用語の基礎知識』『イミダス』『知恵蔵』のいずれも毎年1回、11月頃に新年度版が定期刊行されていたため、1990年代書店では年末シーズンになると店頭に並べて競うように販売される様子が恒例となっていた。

https://ja.wikipedia.org/wiki/イミダス

ただこのイミダス知恵蔵ですが、現在は休刊となっているんです。

何故か?

それはインターネットの急激な台頭です。

時事用語辞典の衰退とインターネットの発達

上記で述べたとおり、当初はイミダス創刊号が113万8,000部知恵蔵創刊号は95万部の売り上げと大ヒット商品となりました。

しかし、2006年時点で両者ともに14万5,000部13万部まで売り上げが落ち込んだため、共に2006年で休刊となりました。

理由としては、主にウェブ上で簡単に情報が検索できる時代になったことが挙げられています

つまり、

「2006年時点で時事用語辞典というビジネスモデルは既に崩壊しており、流行語大賞というイベントだけがかろうじて残った」

というのが、流行語大賞の成り立ちと歴史になります。

まとめ:流行語大賞を作る目的

この様に改めて歴史を遡って考えれば、流行語大賞が本来行ってほしい流れは「流行語大賞発表」→「この流行語の意味って何だろう??」→「時事用語辞典(現代用語の基礎知識)を買って調べてみよう!」だったんだろうと思います。

流行語大賞が正しいか正しく無いか」の側面ばかりが注目されがちですが、この様に引きで見ると流行語大賞崩壊したビジネスモデルの上にグラグラの状態で成り立っている事が見て取れますね。


編集後記
学生が始めて書いた記事なので読みにくいところ、お見苦しいところがあったらすみません🙇
好評だったらこういう記事を今後も書いていこうかなと思うので、イイね・共有してもらえると嬉しいです。

引用元
※1 https://ja.wikipedia.org/wiki/新語・流行語大賞
※2 https://www.jiyu.co.jp/singo/
※3 https://cybozushiki.cybozu.co.jp/?p=10218

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