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我が家の…シリーズ12

『子どもの誕生日に夫を思う』

今日は子ども達の誕生日。
28歳になります。
だけど特に何もない今日。
日付けが変わった頃にLINEをしただけ。
それぞれに仕事があって、長男のB男は夜勤。次男のA男と私は夕方から仕事。夫のみ在宅。
我が家らしい。

昼食後、夫に
『今日は、あの子らの誕生日だね。』
と、私が言うと夫が
『何か話しをした方がいいのかなぁ?』
と、難しい顔で返して来た。

相変わらず難しい奴と思う私。

夫は、一年を通して片手ほどしか子ども達と顔を合わすことがない。それは、子どもに限ったことでないのですが。

人当たりも良く会話も得意な方だが、人付き合いが好きではないのです。
自分の弱さを私以外の人には絶対に見せない人。私とは正反対の性格。
子どもに昼寝をしている姿など絶対に見せたくないらしい。かと言って冷え冷えとした家庭でないのも不思議な話で、夫はどこか私とは違った形で父親を全うしているように見えます。

子ども達が小さい頃から首尾一貫、『彼らとて一人の人間』。決して自分の考えは押し付けないが約束は守らすし、守れなかった時は必ずさせる徹底ぶりでした。

長男B男は、18の時に私達との約束を破り会社を辞めて帰って来ました。夫は同居に納得しませんでしたが私の懇願で折れてくれました。
そんな私にある日、暴言を吐いたB男。
夫は、それを許さずB男は我が家を追い出されました。
我が家と車で5分のアパートにB男は暮らし会社員となり5年後の12月31日父親である夫に頭を下げて当時の行いを詫びて和解の日を迎えました。
B男が追い出された頃は、なんと冷たい父親かと正直恨んだ事もありましたが今となっては夫の決断は正解だったように思えます。
以前、夫に聞いたことがあります。
『B男が、あの後のたれ死んでたらどうしてた?』と
すると夫は
『それはそれで仕方がない。』
『俺は、あいつの生命力に掛けただけだ。』
ひぇ〜。怖いですね。
でも、この怖さが今のB男を創っているのも確かなのです。

次男A男は反発心を家出と言うかたちで3度それを行いました。大した家出ではなかったのですが、2度目の中一の家出は地元警察・他県の二ヶ所の警察署を巻き込んでの大捜索が肌寒い春に行われました。たまたま明けの警察官にコンビニで午前四時に発見され御用となり近くを車で走り廻っていた私と我が家に戻ったのが午前六時でした。夫は、既に床に付いていて翌日も怒りもせず聡しもせず何もないまま日々は過ぎて行きました。そして3度目が中三の夏休みでした。私の説得で帰って来たA男に夫は、またしても怒りませんでした。話した言葉は

『家を出るのはお前の自由だからお父さんは止めはしない。』
『だが、この家の主としては今度家出をする時は二度と家には入れないから知っておいてくれ。』

この言葉はA男に響いたようでした。A男はこの後、落ち着きを取り戻し自分の道を見つけて行きました。


折に触れ、夫は子ども達と話しをします。持ち前の話術で、笑わせてたり・親の思いを伝えたり・子ども達の気持ちを引き出したり。
そして、子ども達は夫を尊敬しています。
大人になった彼らは、よく『父さんは、そうゆう人だから。』と口にします。
イクメンとは程遠い、子ども達を風呂にも入れた事が無い夫ですが、子育てに関しては素晴らしい役割を果たしてくれていると私は思います。

そんなこんなで、昼食後の会話の続き。
明日の二人の予定を聞き、急遽明日土曜日午後四時より我が家で家族談話会が持たれることに。
B男A男にLINE連絡。
特に用事はない様子だったが、我が家まで来るのが面倒なようでアレコレ返信が。
『それは、お父さんに言って下さい。』
『発案者は、お父さんです。』
そう送ると…。
『了解です。』と、納得する始末。
夫の力が見えた瞬間です。

子ども達の誕生日なんですが
何故か夫の事が輝いて見える2月12日です。



お読みいただき
ありがとうございます。

素乾 品

我が家の・・・シリーズ もよろしくです。



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