ドイツ・ザクセン州で給付金を申請した結果
未だ世界中で猛威を振るうコロナウイルス。
各国の経済活動がほぼ機能停止に陥る中、当然私の仕事も悉く中止・延期となってしまいました。
そんな中、私の住むザクセン州・ライプツィヒ市では収入が途絶えた自営業者向けの給付金(Soforthilfe)が先月創設されたので、早速申し込んでみました。
結果として、Webフォームにて申請後、1週間で2,000ユーロ(約235,000円)が振り込まれました。
一時期日本国内で多く報道され、日本と比較されていたものは、その殆どがベルリン市のものであり、連邦国家であるドイツは州によってコロナ対策・給付金のシステムが違うため、州が違うライプツィヒにおいて自営業登録をした私にとっては、正直関係のないものでした。(無利子の貸付金等はありましたが)
また、ドイツの大都市以外でどのような補償政策がとられているのかはあまり情報がありません。
今回ザクセン州というあまり知られていない地域でどのように給付金を受け取るか、共有したいと思います。
Amt24への登録
給付金はライプツィヒ市の給付金ページから、「Amt24」と呼ばれるオンライン申請フォームに登録をした上で申請します。
ザクセン州は元々行政手続きのオンライン化を進めているらしく、そのプラットフォームが「Amt24」であり、今回の給付金申請もその枠組みの中にあります。
Amt24では、これまで標準的だったオンラインフォームが、徐々にオンラインでの手続きに置き換わっていきます。2022年末までには、オンラインアクセス法で義務付けられているように、すべての行政手続きをオンラインで申請・処理できるようになるはずです。
出典:Amt24 ホームページ
登録・ログインの後、情報を入力していきます。
1ページ目
自分は自営業である、及び2019年12/31以前には既にライプツィヒに居住していた旨チェックを入れた上で、
・氏名
・住所
・ID番号
・Steuernummer (自営業登録をした際に税務署から与えられる番号)
を記入します。
2ページ目
・職種
・職業の詳細な説明
・創業年
・2019年度の売り上げ
を記入。
その後、多くのチェックボックスにチェックを入れます。
・この職種はメインの収入を得るものか?
・2019年1月以降職がない状況か?
・現時点で破産手続きがなされていないか?
等。この後も延々と「受給する資格があるか」を確認する質問が続きます。
3ページ目
・希望する振込額(上限2,000ユーロ)
・受給対象月の指定
・振込口座
の記入を行います。
ここでも多くのチェックボックスにチェックします。ここでは、失業補償など他の補償金を受給していないかの確認があります。
今回の給付金は、コロナの影響で収入が無い自営業者の3ヶ月分の生活補助として最大2,000ユーロが支給されるものらしいです。
そのため、この期間内に他で収入を得ないかどうか確認を取る項目があります。
4ページ目
必要書類をアップロードします。
・IDカードの裏表面
・2019年の売り上げを証明する書類
私は昨年度の確定申告書類を提出しました。
以上で全ての入力は終了し、最後に内容を確認して申請します。
申請後すぐに申請内容のpdfが登録したメールアドレス宛に送られてきました。
私は翻訳しながら申請したので30分ほどかかってしまいましたが、ドイツ語をよく解する方であれば10分程度で入力終了するのではないでしょうか。
まとめ
受給の資格があるかどうかのチェックボックスが非常に多く、一見厳しい制限がありそうなのですが必要な書類は最低限のもので、給付も非常に広い間口で素早く行われている印象を受けました。
また、申請のスムーズさと1週間という振込の速さはさすがドイツといったところでしょうか。
日本で現在進められている様々な補償政策自体は世界的にも類を見ない規模の物だとは思いますが、数々のトラブルが発生した事によって図らずも日本の行政機関や社会のIT環境の未発達さや意識の低さが浮き彫りになってしまう事となりました。
これを機に、諸外国の優れた部分を積極的に学び、以前より世界から遅れていた日本のIT環境を一気に改善する革命が起こってくれないかと願うばかりです。
最後に、まだドイツに1年半しか住んでいない外国人である自分にも迅速に給付を行なってくれたザクセン州政府に感謝いたします。