仕事と漫画を描くこと
少し前に漫画を描き上げ投稿しました。
少女漫画雑誌「なかよし」の新人まんが賞、2024年9月30日締切分に郵送で原稿を送りました。
3年前に仕事を辞めて、ようやく1本の漫画を完成させることができました。当初の計画からは大幅に遅れて家族にも迷惑をかけて人生も大きく狂ってしまいましたが、とにかく一歩前進させることができたと、ささやかな達成感を感じています。
漫画家志望者の最大のハードルが1本目の漫画を描き上げること、と漫画家志望のブログやYouTubeで知りました。確かになんでこんなに時間がかかってしまったのか、反省することしきりです。
仕事では締切厳守残業という概念がバグるくらいの徹夜・泊まり込み・早朝出勤、特に積算の仕事では300枚ほどの資料をよく作っていましたが、一人で黙々と作業している時に「これで命を削るくらいなら好きな漫画を描くべきではないのか」とよく自問自答していました。
「世の中はそんなに甘くはない」と、それは恐らくどの業界に行ってもこういうご高説を垂れる人はおられると思いますが、仕事に命を懸けてきて「金は命よりも重い」ことを叩き込まれてきた私からすると「甘くない」のではなく「基本地獄の窯の上で踊っている」だけです。踊るのを辞めたら地獄の窯の底へ沈むだけ、うまく踊れていてもふとした拍子に足を踏み外したら地獄の窯の底に沈み、下手な踊りでも諦めなければこの世に踏みとどまっていられる。
漫画を描き始めた当初はうまく描いて漫画家になりたいと力んでしまい、描いている途中で自分の下手くそさに失望して手が止まってしまったのですが、下手でも行動を起こすことが大事だと思い直して今回の完成につながりました。漫画家になるということよりも漫画を描くことについて、下手なりに頑張ることが大事なのだと心の底から理解できたことが今回最大の収穫でした。