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Photo by
ukiyogumo
20世紀最後のボンボン 第一部 東京篇 第八章 毎日続けていたこと
第八章 毎日続けていたこと
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もちろん、私が結婚できたことは
とてもうれしかった。
西新宿で出会った不思議な女性に言われた
お祈りも毎日続けていました。
結婚で、ボンボンのご先祖のお名前もたくさん増え、
にぎやかなおいのりではありました。
それと結婚で、一番変わったのは
朝のお祈りです。
朝晩、お仏壇にお供えをして、神棚にお供えして、
お祈りして、新しくおうちに入りますので、よろしくお願いしますと
お祈りしてました。ただただ感謝していますと。
それから食事をちゃんと作っていました。
朝から6皿のおかずとか。
それまでは23歳からだいたい一人暮らしで、
ほとんど、まともなご飯は作ったことがありませんでした。
料理をした記憶と言えば、小学校からの家庭科の調理実習
で作った料理くらい。
結婚ではっきり毎日、一緒に私が作ったご飯を
食べてくれる人が現れたということで、私の喜びは
大変なものでした。たぶん、本当はご飯を作って、誰かと食べたかったんです。
仕事に夢中で気が付かなかっただけで。
あるいはあきらめていただけで。
中華とかフレンチとかいろいろ本を買ってきて、
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ラタトイユ ボブとアンジーさんから写真拝借
毎日、レシピを増やしていって、年末はおせち料理にも挑戦しました。
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Shinya Suzukiさんから写真拝借
ボンボンは私が料理などするようには見えなかったそうで、
だからとてもびっくりしてましたし、喜んでました。
私も文章などを創作するのはもともと好きでしたが、
料理を作ることがこんなにも楽しいのかという新たな発見が
ありました。
第九章 ボンボンの苦しみ
続く
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