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20世紀最後のボンボン  第二部 サンフランシスコ篇  第五章 霧とケーブルカー


写真拝借しました。



もちろん、サンフランシスコで

私は最初は語学学校に通ってました。

そのための学生ビザですから。大学院に行くということで来たわけですけれ

ども、その前にTOEFLを何とかしないことにはGREまでたどり着かないの

で。

TOEFL受けたことなかったですから。日本で。

英語はなんとかしないといけないと思いながら、性格的に英語圏に1年くら

いの留学では言語を習得できないとわかっていましたから、大学のときも交

換留学とか本気で考えていなかったですね。それにアメリカは嫌いでしたか

ら。


朝、8時くらいに通りのケーブルカーに飛び乗って、

ダウンタウンの学校の近くのベーカリーで油っぽいクロワッサンを

買って、熱いコーヒーにホールミルクを入れて、

午後3時くらいまで、文法習ったり、お互いの紹介をしたり。

私は30過ぎてましたから、もちろん全員年下です。

クラスメイトは。

でもそんなこと関係ないですから。

やると決めたからにはやるしかないので。

文法なんてこれ以上やることあるの?って思ってましたけれども、

全然視点が違いましたね。

順接とか逆接の接続詞の例文の練習をさんざんやりました。

これはたとえばこういうのです。

I had a headache, but I had to go to school this morning.
(私は頭痛がしたけれども、今朝学校に行かなければならなかった。)

こういうbut の使い方ができないんですね。

最近はよくなりましたけれども、But...みたいな英作文とか平気で書きます

ね。日本の人は。生徒を見ていてよくわかります。要するに論理が大事なん

ですね。英語で表現するには。会話のその向こう側あるいは根底に論理があ

る。文章と文章の関係を論理的につなげて文章を作る。話す。書く。

これは英語の考え方の基本だと思います。

ですからこの but と同じようにandも使えないといけない。

I had a headache, and went to the hospital.
(頭痛がしたから、病院に行きました。)

主語は書かなくていい。むしろ、andで同格だから、省くのが当然みたいな。

それでも、これがそんなに大事な英文法なのかと長いこと私もわかりません

でした。確かに日本でも私立の女子校の英語のテキストではこういう

接続詞の話をえんえんページを割いて説明してありました。

それはよく覚えていましたが。


だいたい、英語で物事を話したことがないんですから、そういう人が英文法

を判断しようとしても無理がありますよね。

そういう意味では日本でこれから小学校でも英語教えるって、

そもそも違うかも、ですね。。。


それに自己紹介でもアイ アム何とか、の次が問題です。

東京から来ましたくらいは許せるとして、そんな普通のアプローチでは到底

目立たないので、覚えてもらえないし、抜きんでていくことはできないです。

目立ってなんぼ、それが英語圏の、というか国際的な場での存在感だと私は

今は思います。

ガンガン前に出ていかないと話が進まないです。

日本の人は日本に住んでいるだけで、すべてがそこにあるので、

のんびりしている人が多いのですが、そもそもそこで、会話は終わってます。

もちろん、のんびりした人同士で、話をすることもあるかもしれないですけ

れども、勢いがないと、話は弾みませんから。ビジネスとかには到底ならな

いです。

相手を魅了しなければ、ものなんか売れないですよ。外国人に。

私も30歳も過ぎて子供もいたのに本当に世の中のことわかってなくて、

その時もそのあともしばらく、笑顔もなく、いたと思います。

この時点で終わってましたね。

ただ今回は私には時間がありました。それはボンボンのおかげです。

それが私の人生を根本から変えたと思います。


英語で話をしていけることは人生を豊かにするなんてもんじゃないです。

全然幅が違います。何でも売れますからね。だれにでも。

それは日本で、ちまちま家庭教師やっている(年収1000万くらいで)の

とは全く違う世界が私には広がりましたし、到達する境地が全く違いまし

た。


サンフランシスコにいた当時はまだまだひよこで、全然わかっていませんで

したけれども、その時はその時で必死に勉強しました。とにかくどういうこ

とになのかわからないけれども、目の前のことを全部、仕上げることが一番

重要だということは長年の積み重ねでわかっていましたから。


サンフランシスコも9月10月となるうちに霧の日も増えてきました。ケー

ブルカーが霧の中を走るなんてロマンチックでいいですよね。でも住んでい

る人には寒いんです。とにかく。寒い。

寒いからロマンチックになるのかもしれないですね。あの地域では。


ふふふ。

20世紀最後のボンボン 
第二部 サンフランシスコ篇
第六章 ボンボンとカンクン君と

に続く

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Suji Atherton
What an amazing choice you made! Thank you very much. Let's fly over the rainbow together!