見出し画像

20世紀最後のボンボン  第二部 サンフランシスコ篇  第一章 絵はがきのように美しい景色


ここから読み始める方へ

30歳独身の私は新宿の西口の地下を歩いていた時、出逢った不思議な占い師

の予言通り、ボンボンに出会ってから次々に自分の人生が大きく移り変わっ

ていく毎日に巻き込まれていく。そこからわずか2,3年の間に結婚、出産を

経験し、ついにアメリカのサンフランシスコに引っ越すことになる。

ここからサンフランシスコに引っ越してからの物語が

はじまります。



20世紀最後のボンボン

第二部 サンフランシスコ篇

第一章 絵葉書のように美しい景色


ボンボンとカンクン君と私の三人はアメリカの独立記念日に

サンフランシスコ空港に着いた。

何から何まで、ボンボンが考え抜いたシナリオである。

ロマンチストな人である。


独立記念日といえば、花火である。

けれども実際はサンフランシスコダウンタウンは

車が混んでしまって、

あまりどこにも行けなかったのである。


当時はまだホテル日航があって、あとから考えれば、

サンフランシスコダウンタウンの真ん中にいた。

けれども、旅行と居住は全く違う。

ここから家を探さないといけないのだ。

とりあえず、2,3日ホテルの日本レストランで、

たぶん日本の食事に似せた料理を食べていた。

それでも母乳で育てているとはいえ、こういう生活は

子供が一番応えるので、

とにかくまずサンフランシスコでどこか安全な

コンドミニアムを探そうということになった。

東京のオフィスから連絡を取り続けていた不動産業者がいて、

その人が迎えに来てくれた。サンフランシスコの前は

セイロン(現在のスリランカ)にいた人で、長年、日に当たり続けたからか、

真っ黒に日焼けしていて、元気な人だった。

二階建てのタウンハウスのようなところも見に行ったが、

結局、安全ならここが一番ということで、聖グレース教会

聖グレース教会 サンフランシスコ 写真拝借しました。


の目の前のコンドミニアムを借りることにした。

その部屋は角部屋で、カリフォルニアストリートが

全部見渡せる丘の上にあり、遠くはベイブリッジ

絵はがきからスキャンしました。


やゴールデンゲイトブリッジ

観光サイトから拝借しました。


まで見えた。ボンボンは高所恐怖症なのに、東京の家も
そして、ここも、こんなに

TRIP ADVISORから写真拝借しました。


見晴らしがよくて
大丈夫なのかと私は心から心配していた。

けれども、真下が見えなければ、いいのだということがわかり、

安心して住むことに決めた。

通り側はすべてガラス張りの部屋だった。

目の前には常に絵葉書のような景色が広がっていた。

写真拝借しました。


当時はまだサンフランシスコは現在の

ように高層化は進んでいなかった。


東京にしか住んだことのない私たちにとって、

サンフランシスコの景色はびっくりするほど

空気が澄んでいて、空が青く、おとぎの国のようだった。


20世紀最後のボンボン 第二部 サンフランシスコ篇 第二章 行動の半径を拡げていく

に続く

What an amazing choice you made! Thank you very much. Let's fly over the rainbow together!