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20世紀最後のボンボン 第十部 ヨーロッパ テーマ旅行 第八章 ギリシア 食べ物
カンクン君が言うには
アクロポリスの丘に行く前に美術館に行ったのだけれども、
そこでカフェがあって、ギリシア名物の
グリルド・オクトパスを食べたそう。
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美味しかったと言っている。
私はホテルで食べたギリシャヨーグルトは覚えているけど、
どうして昼間のご飯を覚えていないのだろう。
ソクラテスに気を取られていたのだ。
夜はホテルで食事をした。
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ロマンチックな場所だった。
けれども、本当に些細なことで、ホテルとけんかをして、
別のホテルに次の日移った。
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船といっても、一般の船で自分のものでも何でもない。
次に来るときは一族で必ずクルーズと決めた。
ロードス島は子供のころ、日本で、平岩弓枝のドラマを見ていた時に、出てきた島で、ギリシャなんて知らないし、
内容も非常に反フェミニズムのものであったが、
せっかくギリシャに来たのだからついでに行った(に近い。)
けれども、ちょうど、カンクン君のお誕生日で、
テラスで、海風に吹かれて、夕方食事をして、ワインで乾杯したら、
突然、カンクン君が席を立って、トイレに行き、私はのんきに
食事を楽しんでいると、ウエイターが来て、連れの人が倒れたというし。そして、テラスから一歩入って、バーのようなところに倒れこんでいたカンクン君を発見し、店の入り口から廊下に出てちょっと休むことにした。カンクン君は昼間、ロードス島の海岸で、日光浴をしていた。それで、皮膚が真っ赤っ赤にはれ上がってしまったのだ。
そこへ偶然、シカゴから来ていた医者が通りかかって助けてくれた。
もう食事どころじゃないね。カンクン君、大変な目にあって、
部屋で眠ろうとしたが、日焼けが腫れて眠れない。氷などいろいろ持ってきたもらったが、まあ行き届かないね。
それで、売店でカーマインローションを見つけて、それは日焼けにきくので、つけてみたら、かなり冷えてきて、カンクン君もだいぶ調子を戻して眠った。
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次の日はよくなってほっとした。
今、思い出したが、あの食事代は支払っていないのではなかったか。
鷹揚な人たちであった。
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本当はそこからマルタやトルコも行きたかったのだが、
カンクン君がちょっと体調を崩しかけていたので、
一応、イタリアに向かうことにしたのだった。
私もギリシアでお腹の調子が良くなかった。
第十部 第九章に続く
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