見出し画像

20240616踊る埴輪から江南ほたる観賞へ

 FMクマガヤ87.6MHz「しゅっぱつ!すいっと探険隊」。今回は、「踊る埴輪」が出土した熊谷市・野原古墳群から、江南ほたる観賞までの探検です。出演は、すいっとプロジェクト代表の樽見潔、ナビゲーターはFMクマガヤの蓮沼千尋さんです。

 探検のスタートは熊谷駅。国際十王バス森林公園行きへ乗りました。熊谷の市街地を抜け、荒川大橋を渡り、立正大学を通り、文殊様バス停で下車しました。

 まずは文殊様をお参りし、探検の無事を祈りました。文殊様から歩いていくと人家はまばらになり、畑が広がり、道ばたには蝶が飛んでいます。強く感じたのは、空気が美味しいということ。とても空気がきれいなのです。

踊る埴輪モニュメント

 15分ほど歩くと、野原八幡神社に着きました。ここには人と同じ位の大きさの「踊る埴輪」モニュメントがあります。踊っているように見えるこの「踊る埴輪」は、野原古墳群で昭和5年(1930)に出土したもので、当時付近はまだ埼玉県大里郡小原村でした。その後、東京国立博物館の所蔵となります。

 野原古墳群は八幡神社の裏や西の方で、埼玉県が設置した説明板によると6世紀後半から7世紀前半にかけて築造されたと言われていて、この地方にかなりの勢力をもった豪族が居住していたことを物語っているとのこと。旧江南町教育委員会の資料によると、前方後円墳1基と22基の円墳が分布していることが確認されているそうです。

建物に「乗馬」とあります

 野原八幡神社の南の方、少し滑川町に入ったところに、「乗馬」の文字が見えました。行ってみると、グラウンドには馬はおらず、馬は厩舎の中にいました。スタッフの方に街歩きをしていることを伝えると、こちらの乗馬学校を始められたという小久保達雄さんにお話をうかがうことができました。

グラウンドにはお馬さんはいませんでした

 小久保さんは御年91歳で、埼玉県馬術連盟の理事長を歴任されました。子供の頃から農耕馬に親しみ、昭和46年(1971)38歳の時には自ら乗馬学校を開業しました。ご自身も選手と指導者で活躍し、馬術競技の国体選手の指導にもあたってきました。平成16年(2004)第59回国民体育大会「彩の国まごころ国体」では、馬術競技の会場を旧江南町へ誘致するために尽力されました。

 厩舎では窓から顔を出しているお馬さんもいました。みなとても優しい目をしています。

 乗馬学校は、完全自馬制で、馬の預かり、馬の調教、騎手のレッスンをしています。いま通われているお客さんは、馬術大会を目指す人だけではなく、純粋に乗馬を楽しむ方もいるそうです。

曲ⅰ 熊谷幸子「おはよう、ファニーガール」

 さて、西へ向かって歩きます。北には山林、南には田んぼと水路が流れています。田んぼではすでに田植えは終わった様子でした。そして鉄塔とそれらを結ぶ送電線が、風景にアクセントを加えます。

送電線がアクセントに
伝兵衛沼

 江南の中心部へと進路を取ると、山林を抜けるルートになり、伝兵衛沼というため池に出ました。このあたりでは旧来よりため池に水を蓄え稲作などを行ってきました。その「比企丘陵の天水を利用した谷津沼農業システム」は令和5年1月に日本農業遺産に認定されています。この比企丘陵地域とは、滑川町・東松山市・熊谷市・嵐山町・小川町・吉見町・寄居町にまたがっています。埼玉県ホームページにはこのシステムについて、「谷津地形(丘陵地で形成された谷状の地形)を活かして多数のため池を築き、谷津田での稲作と谷津斜面での少量多品目の畑作を行っている。ため池と谷津田は河川からの引水等がなく、天水のみを水源とした閉鎖系の水利システムとなっていることから貴重な生態系が維持されている。沼下と呼ばれる伝統的な水利組合組織によりきめ細かな水管理が行われており、地理的な水の得にくさを克服した省エネ水供給システム」との説明がありました。

森のこびと

 さらに江南地域の中心部に近づいていくと、住宅街が見えてきました。おもちゃの店「森のこびと」は、輸入おもちゃ・木製おもちゃ・ベビーおもちゃを扱っています。特に、ドイツのはたらくくるまのおもちゃ「Bruder(ブルーダー)」は国内最大級の品揃えなんだとか。木製3Dパズル「つくるんです」、ボードゲーム、絵本などもあります。積み木など木製おもちゃはカラフルでデザイン性も高く、インテリアにも適していると思いました。インターネット通販も行っていて、全国から注文が来るそうです。

はたらくくるまBruder

 それからしばらく歩いて大沼公園、小原郵便局を経て、江南地域の中心部に到達しました。熊谷市江南行政センターを横目に見る頃、時刻はお昼にさしかかっていましたので、食事を取ることにしました。

イタリア厨房バジル

 県道11号熊谷小川秩父線沿いで、江南病院近くにある、イタリア厨房バジル。ログハウスの素敵なお店で、店内では木のぬくもりを感じられます。1階にはテーブル席と窓際のカウンター席があり、また2階の屋根裏部屋のようなお座敷はお子様連れには良さそうです。

 私が頂いたのは、フレッシュバジルとモッツァレラのトマトソースパスタ。トマトの食感が残りつつもバジルとモッツァレラと良く馴染んでいて、とても美味しかったです。そして、これはなんとマルゲリータピザのパスタ版なんだそうです。面白いですね。

フレッシュバジルとモッツァレラのトマトソースパスタ

 お店は30年どころでなく長い歴史があります。地域で親しまれたお店、これからも美味しいご飯を食べさせてほしいですね。

 曲ⅱ かの香織「午前2時のエンジェル」

 さて、ほたる観賞は別の日の取材となりました。20:30頃、江南文化会館ピピアの駐車場にクルマを駐めました。あたりでは、認定NPO法人熊谷市ほたるを保護する会の皆さんが、駐車場での誘導や、ほたる案内所を開設してのガイドにあたっていました。

ほたる案内所

 このほたる案内所から西に歩けば用水に沿って自生するゲンジボタルを見ることが出来ます。草むらでほのかに光を放つほたるは、時折飛び立って私の背丈より高く上がります。ほたるを見に来ているのは、老若男女問わずで、子供達の歓声が上がることもあります。ほたるを見ながら歩くとは、なんともロマンチックです。そして、普段人工的な環境で生きるものとして、ほたるが光を放つ姿に自然を強く感じることが出来ました。ほたるは毎年5月下旬から6月中旬が見頃で、20時くらいから光るほたるを見ることが出来るそうです。

ほたる見えますか?

 最後に江南地域の交通について思うことをお話しします。江南地域には鉄道がなく、公共交通は路線バスとタクシーが頼りです。そして、バス停が遠いという地域も広く存在します。そうしたラストワンマイル(駅・バス停からの到達の困難さ)への対応策としてはデマンドタクシーなどが考えられますが、ほかにバス停まで自転車で行けるようにすること(サイクルアンドバスライド)もその一つです。

熊谷市江南行政センター

 例えば、江南地域の中心部に大沼公園バス停がありますが、江南行政センターの敷地に自転車を駐められるようにして、バスを利用しやすく出来ないでしょうか。こうした工夫で、地域の生活の足を確保できると良いなと思いました。

 今日もお聴き下さいましてありがとうございました。

曲ⅲ 来生たかお「Goodbye Day」

放送終了後

(今日おかけした曲)
・熊谷幸子「おはよう、ファニーガール」
・かの香織「午前2時のエンジェル」
・来生たかお「Goodbye Day」

(樽見 潔)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?