![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/27420854/rectangle_large_type_2_966c59cf910fe362a2f3ef5e8a049322.jpeg?width=1200)
企業再生メモランダム・第62回 自分たちの仕事を宣伝する
「企業再生メモランダム」では、私が、20代の時に、複数の会社の企業再生に従事する過程で作成したメモを題材として、様々なテーマについて記載していきます。
メモの50枚目は6年前に作成した「自分たちの仕事を宣伝する」と題したメモです。
メモの背景
私が尊敬するベンチャーキャピタリストは、自分の投資先のニュースを積極的にSNSでシェアします。
それは投資先の経営陣を応援するということもあると思いますが、私は何よりも彼は自分の仕事に誇りを持っているためだと思っています。
私も同じです。私は、今はクライアント企業の経営支援をする仕事をしていますから、自分が関与するクライアント企業のニュースを積極的にSNSでシェアをしています。
クライアント企業の経営陣を応援するということもありますが、何より自分の仕事に誇りを持っているためシェアをしています。
人によっては、SNSはプライベートで活用する人もいて、仕事の情報をシェアすることを嫌がる人もいるように思いますが、私は自分が本気で取り組んでいる仕事を、できることならば、友人・知人に知ってもらいたいと思っています。
こういった考え方は、ワーク・ライフ・バランスではなく、ワーク・ライフ・インテグレーションなのだと思います。
人間は、自分が良いと思って、その仕事に一生懸命になっていれば、誰か違う他人を巻き込めるのです。
それは、上記のようなSNSでちょっと知ってもらうような簡単なことかもしれません。もっと重い話であれば、一緒にその仕事をするように誘うということかもしれません。後者など、特に良い年齢になれば、その人が築いてきたキャリアがありますので、軽々しく一緒に仕事をやろうなど誘うことはできません。
私は、人生一回ですから、少なくとも1日8時間もの長い時間を費やす自分の仕事について、一生懸命語れない人はもったいないと思います。
対象会社は、素晴らしい事業、素晴らしい仕事をしている会社でした。
そのため、スタッフ一人ひとりが、自分の仕事に誇りを持って、世間に対して情報発信して欲しいと考えたのです。
メモ「自分たちの仕事を宣伝する」の中身
皆さんは、自分たちの仕事を周りの人に宣伝しているでしょうか?
私は、友人・知人問わず、いろいろな人に対象会社での仕事のことを宣伝しています。少しでも多くの人に対象会社のこと、対象会社の仕事を知ってもらいたいと思います。
宣伝を行う理由は、以下の三つに大別されます。
① お客様のため
その宣伝対象となる商品やサービスが本当に素晴らしくて、お客様のためにも、ぜひとも利用してもらいたい・体験してもらいたいと思うから宣伝します。
② 会社のため
会社のために、少しでも多くのお客様を集客したい、売上を増やしたいと思うから宣伝します。
③ 自分のため
自分のために、自分が、自分なりに一生懸命時間を費やして最善を尽くして頑張った仕事を、他人に見てもらいたい・知ってもらいたいと思うから宣伝します。
もちろん一番大事な観点は①です。お客様あっての仕事であり、会社です。
しかし、この文書で注目したいのは③です。
私は、このエゴや自己実現とも言えるであろう「自分のため」が、最高の仕事や素晴らしい仕事をするうえでの一番の原動力になると考えています。
1.自分のために働く
仕事とは、お客様に対して付加価値を提供し、その対価をいただくことです。そのため、前提としてそもそも、仕事をすることとは、他人のためなのです。そこに「自分のため」という観点をもっと加えてみましょう。
他人のために働くことは、「自分のため」に働くことです。
ここでは仕事をすることで得られるお給料の話をしたいのではありません。他人のために働くこと、つまり仕事をすること自体を自分の目的とすれば(このことを目的化と言います。)、「自分のため」に働くことができます。
最高の仕事をする。素晴らしい仕事をする。この仕事をすること自体を目的とするのです。
そして、仕事をすることに、自分なりに一生懸命時間を費やして最善を尽くして頑張れば、その仕事はもはや自分と同じなのです。
2.心から宣伝したくなる仕事をすること
自分のために仕事をしましょう。そして、その仕事を、自分のためにも、いろいろな人に知ってもらいたいと思って欲しいと思います。
最高の仕事や素晴らしい仕事をするためには、不断の努力が必要です。
この努力をする過程で、仕事に対する執念や愛着が生まれます。そして、その努力の結晶である仕事を多くの人に知ってもらうことは、つまりは自分の努力の過程、結果の全てを知ってもらうということなのです。
最高の仕事や素晴らしい仕事をして、他人のためにも、会社のためにも、そして、自分のためにも、その仕事を宣伝して、多くの人に私たちの仕事を知ってもらいましょう。
対象会社に関わるスタッフの全ての人が、最高の仕事や素晴らしい仕事をして、自信を持って、自分たちの仕事を少しでも多くの人たちに宣伝したくなるような会社にしたいと思います。
※ 本連載は事実を元にしたフィクションです。
株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。