企業再生メモランダム・第74回 シンクロニシティ
「企業再生メモランダム」では、私が、20代の時に、複数の会社の企業再生に従事する過程で作成したメモを題材として、様々なテーマについて記載していきます。
メモの58枚目は6年前に作成した「シンクロニシティ」と題したメモです。
第37回で紹介したジョセフ・ジャウォースキーの「シンクロニシティ」からの転載です。
メモの背景
対象会社の企業再生は、マネージャーからリーダーへと、私を成長させました。
対象会社においても、マネジメントだけでなく、リーダーシップを意識することで、一般スタッフもより自律的に動くようになり活気が生まれました。
「組織の論理」ばかり振りかざすことなく、各スタッフのリーダーシップを喚起し、それぞれの主体性を大事にした企業再生を目指しました。
リーダーシップのおかげで、多くの人と繋がることができ、奇跡のような出来事が続きました。また、社会に溶け込むような一体感・連帯感を覚えるようにもなりました。
今までの私では、日常生活において、奇跡を語ることも、このような不思議な感覚を語ることもなかったように思います。
リーダーシップを発揮して、いろいろな人と出会い、夢を語っていくと、偶然が連続して起きたり、誰かに導かれていたりするような感覚すら覚えるのです。
これについては、当時、不思議に思っていたものの、なかなか言語化できずにいました。昼間に真面目な顔をして、このことを語っていたら、笑われるのではないかとも思っていました。
このような状況下で、出会ったのが、この「シンクロニシティ」という本です。
メモ「シンクロニシティ」の中身
1.アインシュタインはこう述べた。「われわれが創り出した世界は、われわれの考え方の産物である」未来は、根本的に新しい考え方があればこそ変わる。それがリーダーシップの最大の仕事である。
2.フロムは、成熟した愛とは、誠実さと個性を大切にするという条件のもとで結びついていることだと述べている。ここにパラドックスがある。二人の人間は一つになる。しかしそれでも二人のままなのである。
3.リーダーシップの真髄は、互いに奉仕しあいたいという願望、自分たちを超えたものに、より高い目標に奉仕したいという願望である
4.リーダーシップとは、つまりは人間の可能性を解き放つということだ。すぐれたリーダーシップに必要な条件の一つは、そのグループにいる人々に活力を与える能力である。人々の心を動かし、勇気づけ、活動に集中させる能力であり、一心不乱に取り組み、最大限の力を発揮してものごとを行う手助けをする能力である。
5.心のあり方が根本的に変化した組織体は、「自分たちの運命は自分たちが決められる」という確信を持って活動する
6.最も重視すべきは、結果に集中することであって、結果に到達するための過程にはどんなものであれ執着するべきではない。何かを生みだす過程にあるときには、考え方を柔軟にして、必要とされることに合わせて行動しなければならないのである。
7.「私たちの世界や地域社会や組織は、『私たちが』変わってこそ変わるのだ」
8.真のリーダーシップとは、人々が絶えず学び、出現する未来にもっとしっかり参加する場を創り出すものだ。そして真のリーダーは、「予測される奇跡」が、シンクロニシティといって然るべきものが起こりうる、そして現実に起こる、そんな舞台を設定する。つまり、深遠な真のリーダーシップとは、この世界に現れようとしているものに集団で「耳を澄まし」、次いで、求められることを思いきってすることなのである。
9.この宇宙の根本的にひらかれた性質がわかるようになると、すぐさま宇宙は私たちを変化の可能性へと導いてくれる。私たちは、未来が固定されていないことがわかり、甘んじて従うのではなく可能性を切りひらこうとするほうへ気持ちが変わる。そしてあらゆる瞬間に未来を創りだしていくようになる。
10.私は、「予測される奇跡」を生みだしうるリーダーシップは「行動」よりむしろ「あり方」に関するものだという結論に達した。それは私たちの個性の方向性に、すなわち精神活動の状態に関するものでもある。
11.「もしかしたら、あともう一人だけ誰かが声をあげれば、世界に平和が訪れるかもしれない」
12.リーダーシップとは、結果において僥倖だった旅のことにほかならない。最初からリーダーになりたいと思って旅に出る人を、われわれは信じない。先に夢があって、その実現のために、先頭を切って皆のために歩みはじめるから、あとに続く人が出てきて、結果においてリーダーになるのだ。
13.目立ちたくて、偉くなりたくて、リーダーになるのではない。そもそも
リーダーになることが目的ではない。それは目的に至る経路だ。結果において目立つこともあれば、金銭的に成功し、リッチ・アンド・フェイマスの世界の住人になることもあるだろう。しかし、それは旅の結果だ。
※ 本連載は事実を元にしたフィクションです。
株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。