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リーダーシップ往復書簡 049

本稿では、人を動かす言葉について記載をしたいと思います。

私は、この15年以上の社会人生活の中で、自分が当事者の場合だけでなくクライアント企業の場合も含めて、業務提携であったり資金調達であったり、相手方に重要な意思決定をしていただくようなプレゼンテーションの場に、数多く立ち会ってきています。

そのときに思うのが、人を動かすプレゼンというのは、必ずしも上手いプレゼンではないのです。

例えば、頭脳明晰な方が、時代背景や顧客ニーズを分かりやすく話して、合理的な帰結として、事業への相手側の協力を求めるような話をしたとしても、一向に話が進まない場合がよくあります。表面的には、よくできたプレゼンではあるのですが、芯を食っていない、上滑りしているようなプレゼンとでも言えばいいでしょうか。

経験則では、そういった合理的・論理的な説明よりも、極端な話、自分を主語にした「やりたい!」という熱量のある言葉や、いかに自分が努力をしてきたかという経験に裏付けされたエピソードのほうが、人を動かせるのです。

中小企業のオヤジが、MBAで学ぶような知識がなくとも、多くの人を動かせるのは、自分の言葉と今までの生き様でしゃべっているからだと思います。

もちろん経営者としては、経営戦略やリサーチなどを軽んじるつもりはありません(私はそれらをしっかり行うことも情熱だと思っています。)が、人を動かすうえで、いかに主体性が大事かを物語っていると思います。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

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【Q.49】
自分が持つ正しさや倫理観から、実際の意思決定や行動が外れてしまい、葛藤した経験はありますか?
また、正しさや倫理観を自分の中で確立するまでに、どのくらい時間がかかりましたか?


<コメント>

自分が正しくないと思うことをしてしまうのは、苦しいことだと思います。おかしなことをしたわけですから、因果応報で、苦しみがあるわけです。ドストエフスキーの「罪と罰」の世界です。

私も、若かりし頃は、例えば、若く自分の価値基準が明確になっていなかったり、周囲の人間関係・組織の同調圧力に負けたりして、自分の持つ正しさや倫理観から外れたことをしてしまったことが少なからずあります。

その結果、大いに後悔し、反省をしましたので、今は自分の正しさや倫理観、良心に遵って行動をしています。

若い頃から、薄々、おかしなことをすれば後悔するだろうと理解はしていました。しかし、ほんの少しだけ、自分に強さがなかったり、少しぐらいの悪いことならば許容できるだろうという甘い見通しがあったりと、今となっては要らない回り道をしたようにも思います。

正しさや倫理観を自分の中で確立するまでは、私の場合は、社会人になってから10年ぐらいは時間を要したのではないでしょうか。

特に、私の場合は企業再生に従事するなどしていましたので、人として間違った意思決定はしてはならないと思わされることも多く、世間と比して、短期間で人格が磨かれたほうではないかと思います。

小さい身近な例を挙げると、例えば不要なシーンで他人の悪口を言ってしまうなど、正しさや倫理観に関する論点は、人と関わりを持って生きていく以上、必ず付きまとっていると思います。しかし、日常の忙しさにかまけることなく、しっかりと意識さえすることができれば、倫理観は磨くことができると思います。

私の拙い経験では、経営者の世界では、この正しさや倫理観に話が及ぶ場合が案外あるように思いますが、サラリーマンの世界では、当たり前過ぎて、他の方と議論することはあまりないかもしれません。その場合は、自分で日ごろから注意して、自己研鑽するしかないと思います。



※この記事は、2020年9月12日付Facebook投稿を転載したものです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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