リーダーシップ往復書簡 046

前回に引き続き、リーダーとして向き合わざるを得ない、正しさや倫理観について共に考えたいと思います。

本日は、正しさや倫理観あるリーダーが行うべき、節度ある「ケンカ」の仕方について記載をしたいと思います。

会社を長く経営していると、経営者とスタッフ、経営者と株主、会社と取引先など、利害関係が対立する人同士の間で、トラブルが発生してしまうことがあります。

もちろん、リーダーが常日頃からしっかりしていれば、このようなトラブルの数は劇的に減らすことはできると思いますし、万が一、トラブルに見舞われたとしても、多くの場合は、リーダーの人間力で問題解決できると思います。

図らずも起きてしまったトラブルの際に、リーダーはどのような行動をするべきか。フォロワーや周囲の人々は、リーダーの一挙手一投足を見ています。

私は、リーダーには「ケンカ」の仕方があると考えています。それは、倫理観のある、節度ある、正しい「ケンカ」です。

原則として、リーダーは「ケンカ」はしません。「ケンカ」になるのは、同じレベルの人間同士です。大人が子どもに対して本気になって「ケンカ」しないのと同じです。もし相手側があまりにも筋が通っていないならば、自分を相手と同じレベルに落とす必要はありません。もし「ケンカ」をする必要がある場合は、相手は明らかに強大で巨悪である必要があります。自分より格下の弱い相手と「ケンカ」をするのでは、弱い者いじめになってしまいます。

次に、それでも残念ながら「ケンカ」に発展してしまった場合は、確実に勝たなければなりません。「ケンカ」に確実に勝つ方法は、常日頃から人として正しいことを行うことです。勝てない「ケンカ」はしてはなりません。リーダーは、マキャベリズムに基づけば、ありとあらゆる手段を使ってでも、相手を屠る必要があります。

「ケンカ」の勝ち方にも気を付けなければなりません。フォロワーや周囲の人が引く程、やりすぎてはいけないのです。「やられたらやり返す。倍返し。」は間違っていて、「やられた分だけやり返す。等倍返し。」が原則です。これは外交やスパイの世界でもプロトコールになっています。いつまでも敵同士の関係ではいけません。ちゃんと人間関係を修復できる余地を残すべきだと思いますし、相手側を感服させる「ケンカ」をしなければなりません。

長々と書きましたが、大前提として、リーダーは、人間力を磨いて、トラブルを生じさせないようにしなければなりませんし、万が一トラブルが生じたとしても、解決できるようにならなければなりません。

リーダーシップについて疑問がある、質問をしたいという方がいらっしゃいましたら、コメントや個別にメッセンジャーでご連絡ください。

また、コメントも大歓迎です。もし興味ある人がいれば、これを酒の肴に一杯やりましょう!

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【Q.46】
トラブルの多い人やレピュテーションの悪い人とは、どのように付き合えばよいでしょうか?


<コメント>

一般的な処世術としては、このような人らとは距離を置いて付き合ったほうがよいでしょう。

しかし、そこは、あなたがリーダーとして成し遂げたいことによると思います。

本来は「罪を憎んで人を憎まず」があるべき姿だと思います。

繰り返し本連載でも述べてきておりますが、「人は性善なれど弱し」で、その人がトラブルが多い理由、レピュテーションが悪くなってしまっている理由には訳があるわけです。

その部分を考慮せずに、表面だけで人を評価すれば、一度きりの人生において、付き合うべき友人の幅が狭まってしまいます。

話を戻しますと、もしあなたがリーダーとして社会的にも大きな課題に取り組むならば、広くあまねく多くの人と付き合ったほうがいいでしょう。

もしかするとその人らが、強いフォロワーとなって、リーダーであるあなたを支えてくれるかもしれません。もっと言えば、あなたがリーダーならば、出会ったその人らを魅了して、フォロワーにするぐらいの人間力がなければなりません。

まずは色眼鏡で見ずに、胸襟を開いて、対等の精神で付き合うことがリーダーには大事なことだと思います。



※この記事は、2020年8月22日付Facebook投稿を転載したものです。

株式会社スーツ 代表取締役 小松 裕介
 2013年3月に、新卒で入社したソーシャル・エコロジー・プロジェクト株式会社(現社名:伊豆シャボテンリゾート株式会社、JASDAQ上場企業)の代表取締役社長に就任。同社グループを7年ぶりの黒字化に導く。2014年12月に株式会社スーツ設立と同時に代表取締役に就任。2016年4月より総務省地域力創造アドバイザー及び内閣官房地域活性化伝道師。2019年6月より国土交通省PPPサポーター。

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