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野球場はダイヤモンドがいのち(工事中)
遊ぶにしても観るにしても、野球場が美しいに越したことはありません。実際にドリームフィールドで遊ぶようになって、天然芝のダイヤモンドでプレイできる喜びが格別であることを知りました。
あえていえば「野球場はダイヤモンドが命」なんです。
マウンドを中に置いた四つのベースで結ばれた正方形の結界。こここそが神聖で犯すべからざるスペース。このダイヤモンドの美しさが、すなわち野球場の美しさを左右するのですから。
なので野球場づくりのメイン作業も、当然このダイヤモンドの手入れでした。
写真は1997年のものですから、ドリームフィールドのお披露目をしてから3年目になります。
ここから2、3年が芝の最盛期でした。タネから育てたのがどんどん成長し根を張り横に密集していって、びっしり目の詰まった絨毯のようになりました。
芝生に勢いがあるときは、ほかの雑草が伸びる余地はありません。それでも「スキあらば」と間隙をぬって顔を出してきますから、これをていねいに抜いていきます。
これが愛用していた草抜き器。根元に刃先を入れ込んでテコの要領で引きあげると簡単に抜ける優れものでした。
とても便利だったんで、いまでもときどきホームセンターで探したりするのですが、なぜかどこにもありません。
こんな道具にも流行り廃りがあるんですね。
この電動式の芝刈り機は3代目だったと思います。
前にあるトレイが刈ったカスを受ける仕組みになっているのですが、これがすぐにいっぱいになってしまうほどでした、最盛期は。
晩年になると芝生に雑草が混在するようになって、カート式の芝刈り機では対応で気なくなって、刈り払い機がとって変わりました。
これで均一に刈って行くのはちょっとした職人芸。仲間の中でも、これができるのは何人かしかいませんでした。
刈り込みとともに大事なのがライン出しです。
散髪したあとのキワ剃りってやつですね。これをやると見栄えはまったく変わります。原っぱがダイヤモンドに変身です。
ダイヤモンドの芝生が劣化してきてからは、タネを蒔くだけでは追いつかず、シートを貼って養生しました。
市松模様に貼ると、横に広がって行って目が詰まってくるのです。模様の隙間には、補助のために芝の根を埋めました。
こうしておくと、芝のシートはまわりに馴染むように広がってダイヤモンドに馴染んで行くのでした。
草引き器ではビクともしない頑固な雑草は、こんな道具を使って処理してました。
ひとのからだでいえば、大きなデキモノみたいなもの。これを抜くと強張りが解消されて、ダイヤモンドに生気が蘇るのでした。
作業の合間の休憩。大地と格闘するがごとき作業はくたびれるのです。
こちらは、刈りカスを運部のに使っていた一輪車。兵庫の朝来からやって来たチームがプレゼントしてくれたものです。
長い間、お疲れ様でした。