再生可能エネルギーって何?重要なの?
再生可能エネルギー
環境の話題では、頻繁に聞く言葉ですね。この記事では、再生可能エネルギーをよく知らない方向けに、以下の論点を論じていこうと思います。
【1】再生可能エネルギーとは?
【2】どんな再生可能エネルギーがあるのか?
【3】再生可能エネルギーは重要?
【1】再生可能エネルギーとは?
「再生」という言葉が示すように、再生可能エネルギーは資源が再生産され、使い続けられるエネルギーのことを言います。逆に再生可能でないエネルギーもあります。石油、石炭、天然ガスといった化石燃料や、原子力発電のウランなど、地中に埋蔵されているものを掘り出して使うような資源は、再生可能でないエネルギーとされています。
【2】どんな再生可能エネルギーがあるのか?
身近なものでは、太陽光発電があります。屋根の上に設置されたソーラーパネルは、今ではどこでも見られるようになりました。電車などで窓の外を見ていると、空き地や耕作放棄地に多数のソーラーパネルを設置しているところもよく見かけます。
風の強いところでは、大きな風車を設置し、風力発電を行っているところもあります。他方、川には水車が設置され、水力発電を行っています。他にも森林から切り出される木材などを燃やして発電するバイオマス発電というものもあります。これらは再生可能エネルギーの代表格です。
これらの再生可能エネルギーと化石燃料などのそれ以外のエネルギーとの違いは、使用するとなくなる資源であるか否か、という点が大きな相違点といえるでしょう。
太陽光をいくら利用しても、太陽がなくなるわけではありません。風も吹き続けるし、川の水も流れ続けます。使っても使わなくても、存在し続けるものを利用しているのです。森林バイオマス資源は、上に挙げたものとは、少し時間のスパンが異なりますが、木を切り倒して使用しても、森林をしっかり維持管理すれば再び木々は育つため、「再生可能」と捉えます。
【3】再生可能エネルギーは重要?
再生可能エネルギーが注目される以前、社会の活動を支えてきたエネルギーは化石燃料でした。石炭で火力発電をしたり、石油の精製によって製造したガソリンが自動車を動かす、というようにです。
しかし、今のペースでの消費量が続くと、石油や天然ガスはあと50年ほどでなくなるとされています。石炭はやや多く、130年ほど持つといわれています。それでも、有限の資源です。
「人類は地中の貴重な資源を、急速に使いつぶしているから、このまま枯渇してしまえば、現代の文明社会は滅んでしまう。だから、再生可能エネルギーに変えていこう。」
再生可能エネルギーの重要性は、当初このような論点で主張されていました。しかし近年、こうした主張は、あまり聞かれなくなりました。
実は、技術開発が進み、利用できる化石燃料は年々増えてきているのです。有名なところでは、アメリカで開発が進む、シェールガスです。かつては有効に取り出せないと目されていた化石燃料でしたが、新技術の確立とともに21世紀初頭から生産量が伸び、またこの採取技術を世界中の埋蔵地に適用すれば、100年以上持つ埋蔵量があると見積もられています。
他にも海底に多量に眠っているとされる化石燃料の一種、メタンハイドレートも、採掘技術の開発が進められています。技術が確立されれば、化石燃料の可採(採取し続けられる)年数はさらに伸びると考えられています。
これにとどまらず、今後も新技術の開発が進めば、現在は取り出せないと考えられている化石燃料も、やがて活用できるようになり、さらにまた100年と、100年単位で可採年数が伸びることは充分あり得ます。
つまり、化石燃料の資源がなくなるから、再生可能エネルギーが重要とはいえなくなってきているのです。
しかし、それでも再生可能エネルギーは重要です。化石燃料の主成分は炭素であり、炭素を燃やせば、二酸化炭素が発生します。二酸化炭素は温室効果があり、地球温暖化の主要要因となります。
現代を生きる我々の便利な社会は、大量のエネルギー消費に支えられています。そのエネルギーを化石燃料に頼ると、地中深くに眠っていた炭素を二酸化炭素に変え、大気中に大量に放出することになります。
つまり、化石燃料の枯渇よりも地球温暖化による環境破壊によって終焉を迎えるリスクの方が高いといえます。その意味で、再生可能エネルギーを活用するための知恵を絞り、化石燃料に頼らない社会を目指していく必要があるといえます。
やはり、持続型社会に再生可能エネルギーの活用は不可欠ということですね!
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