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【トラベルグッズのプロ直伝】耳栓の選び方

どうも、三度の飯よりスーツケース、スーツケースの伝道師さとです。スーツケース、トラベルグッズのバイヤーの私がトラベルグッズの知識を共有していきます!

耳栓って実はトラベルグッズの花形!

耳栓と聞いて、どういうシーンで使われているのを思い浮かべますか?
就寝中?集中したいとき?そんなところですかね。最近は在宅ワークも普及したことにより、騒音対策として日常的に使用してる人も多いかと思います。
しかしですね、不慣れな環境下にある旅行中こそ、安眠&騒音対策として耳栓が大活躍するんですよ。実際、旅行用品売り場では様々な耳栓が販売されています。そんなトラベルグッズの花形、耳栓の効果や実際に使用する際の選び方について紹介していたしましょう!

耳栓の効果

耳栓を付けることで得られる効果はざっくりこんな感じです。

「騒音から耳を守る」
「睡眠の質を上げる」
「集中力アップ」
「リラックス効果」

実は私、寝具の販売をしていた経験もありまして。
ちょっと睡眠について語らせていただくと、心地の良い睡眠環境の代表的な条件として以下があげられます。

・寝具を含めた空間
・湿度と温度
・明るさ
・音

その中で「音」については図書館ぐらいの音30~40dB程度の環境が良いと言われています。遮音性能に優れた耳栓を使用すると、高周波で有害なノイズを効果的にカットするので、良質な睡眠であったり、集中できる環境作りをサポートしてくれるというわけです。

遮音値とは

そのままズバリ、音をさえぎる能力を示す数値(目安値)です。例えば、電車の中の騒音が約80dBだとして、遮音値30dBの耳栓を装着すると、80dB-30dB=約50dBということで、静かなオフィスレベルまで騒音環境を下げることができます。
耳栓を選ぶ場合には、この遮音性能を確認することが重要ですね。

騒音レベルの例

ちなみに遮音性能の基準にはNRRとSNRの値があります。NRRはアメリカを中心とした規格で、SNRは欧州連合を中心とした規格になります。測定方法はほとんど同じですが、その測定結果を用いた計算方法に違いがあり、同じレベルの製品ではSNRのほうが若干数値が大きくなります。NRRとSNRは純粋な比較が出来ないため、遮音値は目安として考えましょう。日本国内で見かけることが多いのはNRR値になります。

【目的別】耳栓の選び方

耳栓は様々な種類があるため、使うシーンや目的によって適切なものを選ぶことも大切です。種類別の特徴を紹介しますので、自分のスタイルにぴったりな耳栓を見つけてください!

①耳への付け心地ならフォームタイプ!

長時間使用することもある耳栓だからこそ、耳への付け心地は非常に大切です。快適に眠りたいのに、耳が痛くなってしまっては本末転倒、自分の耳にあった耳栓を選びたいですよね。そんな時は、耳の形にぴったりフィットするフォームタイプの耳栓がオススメです!

サイズ、デザイン共に種類が豊富なフォームタイプ

フォームタイプとは、柔らかいウレタンフォーム素材で作られている耳栓のことで、耳穴に圧力を与えることなくジャストフィットできるようにデザインされているのが特徴です。耳栓の表面も滑らかなため耳の内部を刺激せず痛みも感じにくいです。耳穴にフィットするということは作業時にも落ちにくい、遮音性が高いというメリットに繋がります。一方、ウレタンは湿気などで加水分解を起こし劣化しやすかったり、濡れるとカビが発生することがあるので、繰り返しの使用には向いていません。

【メリット】
・遮音性が高い
・耳穴にフィットする
・長時間使用しても耳を傷めにくい

【デメリット】
・繰り返しの使用には向かない
・他と比較すると装着しにくい

【付け方】

1.耳栓を押しつぶすようにしながら細くロール状につまみます。

2.耳と反対側の手で耳を上後ろに持ち上げ、耳穴を真っすぐにした状態で耳栓をねじるように入れます。

3.奥まで入ったら膨らむまでおさえ、完全にフィットさせます。


②繰り返し使いたいならフランジタイプ!

ウレタン製のフォームタイプの耳栓は水に弱い性質なので、水洗いすることはNG。汚れた時や水に濡れた時には基本的に新しいものに交換となります。買い溜めは面倒くさい!何度も使用したい!という方には水洗いして繰り返し使えるフランジタイプがオススメです。

洗えるフランジタイプ。気圧調整機能付のものも。

フランジタイプの耳栓は、シリコンやゴム素材でできたヒレが重なったような形状が特徴です。
フランジタイプの魅力は、装着のしやすさにあります。手で耳を軽く引き上げ、耳を広げておけば2段、3段となっているフランジが耳の穴を塞ぎ、すんなりと装着する事ができます。
ですが、耳の痛みづらさや遮音性は上記のフォームタイプに軍配。シリコンなどの素材はウレタンに比べ硬いため、サイズが合っていないと圧迫感で耳が痛くなる可能性があり、長時間使用には向いていません。使用中、圧迫感や痛みを感じるようであれば、遮音性は下がりますが、フランジを2段目まで挿入して使用するなど調整も出来ます。

【メリット】
・装着が簡単
・繰り返し使えて経済的
・フランジの装着位置によって遮音性の調整が出来る
・ひも付きタイプも多く、紛失しにくい

【デメリット】
・長時間使用には向かない
・他と比較すると遮音性は高くない
・ゴムにアレルギーがある場合は注意が必要

【付け方】

1.耳栓の芯を持ちます。

2.耳と反対側の手で耳を上後ろに持ち上げ、耳穴を真っすぐにした状態にして、ゆっくり回しながら耳に挿入します。

3.2段目、3段目のフランジが耳の穴をふさぎます。

③気圧変化による不快感を軽減したいなら気圧調整式!

飛行機に乗っていて耳が痛くなることはありませんか?その原因は気圧の変化にあります。離着陸の際、急激に気圧が変化すると、鼓膜の内側と外側で気圧差が生じてしまうことによって耳が痛くなるんです。そんな時にオススメなのが気圧変動に効果のある飛行機用耳栓です。

サイレンシアフライトシリーズに代表される飛行機用耳栓は、耳栓の内部に秘密があって、気圧変化を緩やかにする調整機能がついているんです。これによって気圧変動によって起こる鼓膜や耳の痛み、不快感を軽減します。また、上述したフランジタイプの機構を採用しているので、装着しやすく耳にしっかりとフィットするので遮音効果による安眠も得られ、飛行機内での体調管理に最適です。

【使うタイミング】

飛行機用耳栓は使うタイミングを間違えると効果が薄くなってしまうので要注意!気圧が変化する離陸直前と着陸前のタイミングで付けておく必要があるんです。遮音を求めていない場合は、飛行機が動き出したら装着して、シートベルト着用サインが消えたら外す、着陸前の着用サインが出たら装着し直す、のような使い方でもいいと思います。

【メリット】
・気圧変化による不快感を低減
・適度な遮音性も得られる
・装着が簡単
・繰り返し使えて経済的

【デメリット】
・長時間使用には向かない
・他と比較すると遮音性は高くない
・使うタイミングを間違えると効果が薄い

④スポーツやレジャーを楽しむならソフトシリコン!

ここからは少し特殊なタイプをご紹介しましょう。
水泳やスポーツ・レジャーを楽しみたい方には、水に強い機能を備えた防水用耳栓を使う必要があります。防水用耳栓は密着感の高いシリコン製がオススメです。シリコン製にはフランジ型と粘土型がありますが、今回は粘土型のソフトシリコンをご紹介します!

ソフトシリコン製は耳穴をしっかりとふさぐ設計なので、水の侵入を効果的に防ぎ、水泳やシャワー、入浴時まで、防水が必要なあらゆるシーンに役立ちます。水洗いして繰り返し使用できるためコストパフォーマンスも〇です。量が多いと感じたらちぎって小さくすることも出来ちゃいます。

【付け方】

1.片耳に1個を、そのままボール状に丸め耳穴にあてます。

before→after

2.耳穴の入り口を覆うように伸ばし、広げます。

⑤外出時にさりげなく使いたいならイヤホン型!

耳栓について色々調査をしていてわかったのですが、イヤホンで音楽を聞かず、耳栓代わりにしている方が意外といるんです。理由を聞くと「見た目に違和感がないから」「耳栓の装着感が苦手」という声が多かったです。確かに外出時に耳栓が飛び出しているのは気になると思います。イヤホン型の耳栓であればそういったお悩みは解決できます!
装着感もイヤホンとほぼ同じなので、耳栓の装着感が苦手な方でも気軽に使うことができます。
遮音機能は純粋に音を遮るものの他、騒音を遮りつつ必要な音は拾ってくれるものなど種類は様々あります。

タイプごとオススメ耳栓紹介

フォームタイプのオススメ耳栓

◆サイレンシア 耳栓 590円+税 遮音値32dB(NRR)

安眠と精神集中、読書またはリラックスに。ド定番、ロングセラー、耳栓界のレジェンドです。個性的というわけではないですが、誰にも嫌われない優等生タイプ。耳栓委員長と呼びましょう。2ペア4個入り、ケース付き。幅広い年代の方に愛用されています。ちなみに2021年に抗菌・抗ウィルス仕様になりました。

◆サイレンシア Sサイズ  590円+税 遮音値30dB(NRR)

耳栓レジェンド、サイレンシアのSサイズ。径が約1mm小さく、くびれのある形状でお子さんや女性にオススメです。ちなみにポリウレタン製なので燃やしても有害ガスを発生しません。

◆Moldex/モルデックス【耳栓 メテオ 2ペア】 550円+税 遮音値33dB(NRR)

モルデックスも耳栓界では確固たる地位を築いているブランドです。人間工学に基づいた形状設計により、圧力による不快感をさらに解消。ソフトな弾性ポリウレタンと傾斜設計により高いフィット感を実現しています。サイレンシアより安くて遮音性も高い、あれ?こっちが最強じゃない?と思いがちですが、形状や弾力感、サイズなどは合う合わないがあるので、どっちのほうが凄いとも言い切れないのが耳栓の面白さ。

フランジタイプのオススメ耳栓

◆Moldex/モルデックス【耳栓 ロケッツ コード付き】 600円+税 遮音値27dB(NRR)

耳障りで有害な高周波音を効果的にカット。人の声や電話のコールなど、生活に必要な音は通します。洗って繰り返し使えるので、衛生的かつ経済的。コード付きなので紛失しやすい方にはオススメです。色も耳栓の芯部分がライムグリーンで、装着していることが周囲にわかりやすいのがいいと思います。エヴァ好きの方がグッとくるカラーリングですね。

飛行機用耳栓のオススメ耳栓

◆サイレンシア・フライト・エアー 1,100円+税 遮音値22dB(SNR)

飛行機内での気圧変動によって起こる、鼓膜や耳の痛み不快感を効果的に軽減。遮音効果による安静も得られ、飛行機旅行での体調維持に最適なアイテムです。ただ、どうしても固いので、フォームタイプと二刀流で使うという方もいます。

◆サイレンシア・フライト・エアーSサイズ 1,100円+税 遮音値22dB(SNR)

女性や耳穴の小さな方にピッタリのSサイズです。飛行機内での気圧変動によって起こる、鼓膜や耳の痛み、不快感を効果的に軽減。遮音効果による安静も得られ、飛行機旅行での体調維持に最適なアイテムです。

◆サイレンシア・フライトプラス 1,980円+税 遮音値24dB(SNR)

「飛行機用だからって固いのは嫌!遮音性も付け心地もほしい!」という欲張りな方のための耳栓。ちょっとお値段は張りますが。飛行機用耳栓としては、最上級の遮音性能でしょう。さらに段階的にフィットする3段フランジはフライト・エアーよりも柔らかく、快適な着け心地を実現しています。

防水用耳栓のオススメ

◆サイレンシア ソフトシリコン 700円+税  遮音値25dB(SNR)

粘土のように形を変えられる安全・無害なシリコン素材がどんな形の耳にもフィットします。水泳やシャワー時に耳への水の侵入を防ぎます。奥に詰めるのではなく耳穴の入り口を覆う状態で密閉できるため、激しいマリンスポーツ等、安全に耳栓を使用したいシーンにもオススメです。また、小さくちぎることができ、サイズ調整も可能です。

イヤホン型耳栓のオススメ

◆ Loop earplugs(ループイヤプラグ) Experience 3,990円(税込)
遮音値18dB(SNR)

これはもはや耳栓というよりもアクセサリーのレベル!LOOPはベルギーで誕生したブランドで、そのファッション性はWIREDやニューヨークタイムズなどでも取り上げられるほど。耳からさりげなく見えるリングがとってもオシャレなんです。リングがしっかりと耳に固定してくれるので動いても外れにくく、非常に機能的です。Experienceは騒音を低減させつつ、必要な音は拾ってくれるタイプなので飛行機や新幹線の移動時、音楽フェスなど様々なシーンで重宝します。ちなみに高い遮音性を持った同ブランドのQuietは睡眠時に便利です。
実はこのLoop Experienceが最近の私のフェイバリット耳栓!
(便宜上イヤホン型と称してますが音楽を聴くことは出来ません)

今回は、いつもより真面目にお届けしました耳栓の世界、いかがでしたでしょうか。耳穴のごとく深い耳栓の世界がお判りいただけたんじゃないかと。
本当はまだまだ語りたいところですが、それはまた別の機会に。
それでは日常に旅行に、ご自分にぴったりの耳栓を見つけてみてください~!

取材協力:TTC株式会社

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